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聖魔弾の銃剣龍神皇帝と戦姫

作者:黒鐡
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第1巻
  戦理由×酷い戦

ブリューヌ王国とジスタード王国が戦へ発展したのは、約二十年振りだと聞いている。我らプトレマイオス神国が双方の味方だろうが、どちらかが刃向う事になれば我ら神国として滅ぼす事を各国王に伝えている。で、今回の戦原因が国境線にある川が大雨で増水し氾濫を起こしたからだ。

被害者である住民達が双方の国が『川の管理がなっちゃいない』と互いを非難した事から始まったようで、俺らプトレマイオス神国には多数の信者や使者の者達の嘆願書で知った。双方の国が睨みあっては解決しない、双方の国は陳情を受けてもあちらの国が悪いと一点張りな主張した結果しょうもない戦争が始まる所まで進んだ。

「全く川の管理くらいで戦を起こすとか可笑しな話だな、信者達の話を聞いた後にこうなるとは」

「旦那の言う通りです。敵軍はたったの五千に対して、こちらは二万五千というのもと思いますな」

俺の隣で話をしているのは、ブリューヌ王国の騎士でマスハス=ローダントという初老ではあるが中身は若い。マスハスは記憶共有者の一人として、ブリューヌ王国のスパイとしてやってもらっている。

こちらが同じ国の者同士だと部下だが、今回はこちらとブリューヌは和平している国でジスタートも和平をしている国。なので両国共に和平を行っているのに、どちらかを選ばなければならないという訳で今回はこちら側に付いた。

「それで?王子が初陣と言うのはホントか」

「事実ですな。国王陛下が王子殿下を溺愛しているのは、ご存じだと思いますが今回の戦は子供の喧嘩としか見えませんよ。大戦ではないが、レグナス王子の初陣とは経験を積んだ方が丁度いいと思ったのでは」

「あの親バカがか、まあいい。こちらはこちらで仕事をするまで、どっちが勝とうと関係ない。俺としては、ブリューヌよりジスタートを応援したいがな」

親バカな国王が王国直属の騎士団だけではなく、戦場となるディナント平原に近い領土を治めている貴族達にも出兵を命じたとマスハスから聞いた。まさかウチからもお呼ばれになるとは思わなかった。ブリューヌ王国の現王から、プトレマイオス神国の王に直筆の手紙を持ってきた事から始まりとなった。

プトレマイオス神国は信者か特使のような者ならば入れるようになっているが、一応関所に厳重にチェックをし終えてから入国できるようになっている。国と言っても大国ではなく小規模な神国なので、傭兵部隊がいるとか神様が住んでいるとも言われている。

「敵より多くの兵を集めるのは、戦の基本だが弱兵の塊だとすぐに戦が終わってしまう勘がある」

「やはりティグル様も思いますか。まあティグル様は、たったの十人しかおりませんがそれで十分と見える。二万五千の中で強い兵は、ティグル様の兵のみとしか思えません」

「ま、レグナス王子には国王になってもらいたい。アイツもだからな『今回の記憶共有者は少ないが、レグナス王子も記憶共有者の一人だ』それにジスタートからは戦姫がいるらしいぞ」

「ジスタートの七戦姫だったか。敵の指揮官は十六と若さでありながら、無敗を誇っている剣士であり先頭に立って剣を振るう姿から『銀閃の風姫』=シルヴフラウ『剣の舞姫』=メルティス等と呼ばれて恐れられてるそうです。だがティグル様も二つ名がありましたな『何しろ聖剣王と呼ばれたり狙撃手とも呼ばれておりますから』えーと何でしたかな?」

ジスタート王国は、一人の王と七人の戦姫によって構成されている王国の中に七つの公国があり、それぞれを戦姫と呼ばれる女性が治めている。唯一ジスタート王に進言出来るプトレマイオス神国の関係者、創造神黒鐵や大公と民=隊員達。

俺よりも年下の女の子かと思うが、果たして技量はどれ程かなと思った。五千対二万五千はまるで織田対今川での戦を思い浮かぶが、あれも敵が浮かれていたから織田が勝てたようなもんだ。

「まあ今はいい、こちらは神の兵とも呼ばれているから死なない。そちらは何としてでも生きて帰る事が目的と見る」

「そうですな、我らの事は気にしないで頂きたい。ティグル様はティグル様で戦を楽しめれば良さそうですな」

俺らは半分戦闘狂だし、それに神器や聖剣エクスカリバーと銃を所持している。二つ名として『神皇帝』や『一人旅団』と呼ばれているけど、後者は別作品のキャラだったような気がする。神の兵=夜叉は一見人間に見えるが、剣で斬られようが何らかで攻撃を受けようと死なないしね。

エリクサーやフェニックスの涙改を持ち歩いてるし、どちらかが敗北しようと俺らには関係ない。ディナント平原に到着したが、俺らは後衛としてではあるが一応俺はプトレマイオス神国の大公として王子に謁見を申したら素直に通った。

「これはこれはヴォルン大公、わざわざこちらまで来てくれてありがとうございます」

「レグナス王子の初陣と聞いてやって参りました、まあいつもの親バカな王から呼ばれたまでさ。それより『この戦は負けるだろうが、この先の未来はある程度知っている。お前はお前の仕事を果たせ』俺らはどちらの敵味方でもありませんという事を再度通告しておきます」

「ははは、相変わらず手厳しい一言のようで『戦が負ける事は十分承知しておりますが、この先で会える事を楽しみにしてますよ』その通告は心に刻んでおきますよ」

「では俺はこれで失礼させて頂く」

立ち去った後に脳量子波で、この後の事をいくつか話している間に俺らの陣地に戻った。この先にジスタート軍が居る事を察知した俺ら、空間に入って様子見をしていると遠くにいるのは七戦姫の一人とされている。こちらが寝静まったのを見て、奇襲のお手本を開始したが俺らは静かに静観していた。

見張りの兵らも気付いたようだが、既に遅いようで先頭にいる戦姫が剣を抜き次々と倒されていく兵達。千の騎兵だけで、二万五千はいた烏合の衆は大混乱となって武器を捨てて逃げ出す輩が数多くいた。

「マジかよ、お手本通りの絵図となったな」

「そのようですね。ティグル様はどうされるおつもりで?」

今現在、俺と率いる兵達は小型VTOL機で待機していた。遥か上空にて待機してたが、やはり前と同じだなと思いながら地表を見ていた。戦が終幕になろうとした時、俺らは死者だらけの場所に降りた。小型VTOL機はプトレマイオスに戻れと言ってあるし、兵=夜叉達も既に神界に戻らせている。

任務はここまで来る事だけだし、一応兵を率いて来ないと面倒な事が起こるからだ。降り立った場所は死体の山で一杯だった為、浄化の力でこの辺りの死者や血で一杯となった地を浄化させていく。

『相棒は今回どんな役なんだ?』

「ドライグか、起きていたなら丁度いい。話し相手が欲しかったよ、本来だと捕虜になるがそれだと面白くないので存在しない国を創った。俺は大公という地位を持つ者とされていたけどさ、先程の戦は酷かったな」

『あれはとてもじゃないが酷いぞ、逆に戦に謝れとも言いたいぐらい酷かったな。で、相棒は今何してんだ?』

「俺か?一応味方だったから、魂を黄泉路に送る事と血で一杯となった地を浄化により戦前に戻している所だ。こうする事で、地の精霊王から感謝されるけどな」

『そう言う事か、ん?相棒、この先に敵らしき者が来ている。注意しろ』

敵?と思って、望遠鏡で見たらこの先1キロの先に戦姫らしき者を確認した。にしても、戦という文字に謝れと言いたいくらいの酷い戦。いやあれは戦とは言えない程で、夜明けと共に背後からの奇襲と言うのはマニュアル通りだったよ。

二万五千と言う大群だったはずが、やはり烏合の衆らしく離散したと言う大混乱。正面から攻められた事で、警戒を怠ったようだけど俺が司令官だとすれば周辺一帯を寝ずの番を配置し、上空と地上から狙撃をして奇襲に備える。

「まだブリューヌの生き残りがいたか。その首もらったぞ!」

何か知らんが、俺がブリューヌ王国の者だと勘違い野郎に向けてハンドガンを向けての一発。弓は矢を放つが、銃は引き金を引くだけの武器だから呆気なく騎士の脳天に当たって即死。馬はそのまま逃げて行ってしまったがまあいい。俺は馬が欲しくて撃った訳ではない、勘違い野郎に向けて撃っただけだ。

「ん?あそこに敵が二十人か、ここから1kくらいあるが弓と銃の射程は余りにも違うからな」

『先頭に騎兵が十人いるな、で、左右を固めているかのようだぜ相棒。後方にも十人いるな、真ん中には戦姫がいる。俺には分かる、相棒が創った武器の内の一つであるアリファールがな』

「よく分かったな、ではではここから俺のターンと行こうか。俺らの飛び道具の凄さを見せてやる、弾丸を貫通弾から軽い弾に変更っと」

この世界の弓の射程は二百から三百が限界だというが、俺の場合は目がスコープとなり遠くの敵を狙撃できるから例え遠く離れていても狙撃可能。なのでハンドガンの限界射程を遥かに超える距離からの狙撃を開始した。 
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