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魔法少女リリカルなのは~結界使いの転生者~

作者:DragonWill
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A's編
  捜査会議

 
前書き
いつもより短い上に、一話の大半がネタで出来ています。 

 
なのはたちの襲撃事件から3日後。

海鳴署にある総合大会議室に零課の刑事たちとクロノ執務官を含むアースラのメンバーが勢ぞろいしていた。

「それでは今から複数の次元世界で横行している魔導師襲撃事件の合同捜査会議を開始します」

小林の司会の元、捜査会議が始まった。

零課始まって以来の管理局との合同捜査である。

捜査本部長に剛警部を副本部長にリンディ提督を据えて捜査は始まった。

本来本部長は零課局長になるはずだったのだが、彼は別件で忙しく、代わりに剛が代理として本部長を務めることとなったのである。

「今回の事件は3日前に襲撃された、高町なのはを含む多数の次元世界でヴォルゲンリッターと名乗る3人の魔導師と1人の使い魔による襲撃事件です。事件の特徴として、高町なのはに関しては未遂に終わりましたが、他の被害者に関しては襲撃後、リンカーコアが極端に小さくなっているという事例が報告されています」

一人の零課刑事が事件のあらましを説明した。

「リンカーコアが小さくなっている原因に関してなのですが、ヴォルゲンリッターと言う犯人グループの名称や高町なのはのデバイスに記録されていたデータから11年前管理局が対峙した一級捜索指定ロストロギア、闇の書が関与していると思われます」

今度はアースラスタッフがロストロギアについて説明する。

「闇の書に関してですがこのデータをご覧ください」

空中にモニターが表示される。

「闇の書とは古代ベルカ時代の・・・古代ベルカに関してはお手元にある別の資料をご覧ください・・・ロストロギアであり、魔導師からリンカーコアを蒐集して魔法の情報を記録する魔導書です。全部で666ページ存在し、全てのページが埋まると所有者を取り込んで無差別に破壊を繰り返す非常に危険なものです」
「ヴォルゲンリッターとは闇の書に格納されている守護騎士プログラムであり、使い魔でも人間でもない、闇の書の主を守護し、蒐集を実行する疑似生命プログラムで前回を含む過去の同一ロストロギアによる襲撃事件の実行犯でもあります」
「過去に同じような事件は何度か発生していますが、いずれも主の死亡と次元世界一つ分の大規模破壊活の後に姿を消しています」
アースラ組から一通りの説明が終わると、この合同捜査会議の副捜査本部長であるリンディが話を始めた。

「皆さん、今回の事件は一歩対応を誤れば過去に起こったような大災害につながる恐れがある非常に危険な事件です。そして、犯人グループの転移範囲やヴィータと名乗る少女の帽子に施された装飾・・・日本の呪いウサギと言うマスコットらしいですが・・・それらの情報から犯人グループおよび主は日本人ないし日本に潜伏し活動拠点にしている可能性が非常に高いことが判明しています。そこで過去の事件資料の提供と地球以外の次元世界への捜査と言うことで、今回、超法規的に管理局と警察の合同捜査と言う形になりました。貴方がたにとって私たちはよそ者かもしれませんが、事件を一刻も早く解決したい志は同じはずだと信じています。どうかよろしくお願いします」

そう言って頭を下げるリンディ。

「ちなみに今回は合同捜査と言うことで、次元世界での捜査のノウハウを知っているクロノ執務官に超法規的に陣頭指揮をとって捜査を進めていきたいと思います」
「陣頭指揮をとらせてもらうことになったクロノ・ハラオウン執務官です。今回の事件で彼女らが使用する魔法形態は僕たちが普段使用しているミッド式とは全く別体系のベルカ式と呼ばれるもので対人戦に特化した体系です。さらに彼らは一時的に魔力を増幅させるカートリッジシステムと呼ばれる危険で物騒なシステムを使用しているため戦闘になった際には非常に危険な相手になると予想されます。万が一彼女らを発見しても不用意な接触は避けてください」

小林に紹介され、あいさつ程度の自己紹介を済ませるクロノ。

子供が現場にいることに不満げな顔をするものも多かったが超法規的処置と言うことに渋々納得した。

「では今回の捜査本部長である守宮剛警部からも一言お願いします」

そう言って剛にマイクが渡される。

剛はゆっくりと息を吸い込み話し始めた。

「諸君、私は子供が好きだ。
諸君、私は子供が好きだ。
諸君、私は子供が大好きだ。

少年が好きだ。
少女が好きだ。
優等生が好きだ。
平凡な子が好きだ
落ちこぼれが好きだ。
引っ込み思案が好きだ。
やんちゃ坊主が好きだ。
甘えん坊が好きだ。
反抗期な子が好きだ。

教室で 公園で
都会で 田舎で
自宅で 平原で
砂浜で 山岳で
海上で 空中で

この地上に存在するありとあらゆる少年少女が大好きだ。

満面の笑みを浮かべた少年たちが泥だらけで遊んでいるのが好きだ。
少女たちがおままごとをして遊んでいるさまなど心が踊る。

時間も気にせずに遊んでいる子供たちが好きだ。
遊び疲れ、健やかに眠る寝顔に胸がすくむような気持だった。

自分の限界を知らずに挑戦を繰り返すのが好きだ。
今までの努力の成果が実ったときに浮かべる笑顔に感動すら覚える。

挫折を経験し泣き叫ぶさまはもうたまらない。
敗北を乗り越え、より高みへと成長し、私の元から離れていくさまも最高だ。

この間まで私の庇護にあった子供たちが成長して独り立ちし、私の屍を超えていくさまなど絶頂すら覚える。

子供たちに反抗されるのが好きだ。
あの子たちの為と思う行動が理解されずに邪険に扱われるのはとてもとても悲しいものだ。

糞親父と罵倒されるのが好きだ。
守る存在であるはずの子供たちが事件に巻き込まれ保護者たちに『貴様らの無能のせいだ』と罵られるのは屈辱の極みだ。

諸君、私は楽園を、地獄のように退屈な楽園を望んでいる。
諸君、私に付き従う零課戦友諸君
君たちは一体何を望んでいる?
 
更なる捜査を望むか?
情け容赦のない 糞の様な捜査を望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし 三千世界の鴉を殺す 嵐の様な捜査を望むか?」

「「「「「「「「「「「捜査(インベスティゲーション)!!捜査(インベスティゲーション)!!捜査(インベスティゲーション)!!」」」」」」」」」」」
 
「よろしい、ならば捜査(インベスティゲーション)だ。

我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする握り拳だ。

だがこの暗い社会の裏で一世紀もの間堪え続けてきた我々に、ただの捜査ではもはや足りない!!
 
大捜査を!!一心不乱の大捜査を!!
 
我らはわずかに一捜査本部、百人に満たぬ捜査員にすぎない。

だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している。
ならば我らは、諸君と私で総力10万と1人の警察組織となる。

我々を忘却の彼方へと追いやり、眠りこけている犯罪者共(連中)を叩き起こそう。
髪の毛をつかんで引きずり降ろし(まなこ)を開けさせ思い出させよう。
連中に警察(我々)の恐怖を思い出させてやる。
連中に我々の手錠の味を思い出させてやる。

天と地のはざまには 奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる。

百人の刑事の捜査団で
犯罪者共(奴ら)を狩り尽くしてやる。

私は諸君らを約束通り連れて来たぞ

あの憧れの現場へ!!
あの憧れの捜査へ!!」
 
「「「「「「「「「「「警部殿!!警部!!代理!!代理殿!!捜査本部長殿!!」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「警部殿!!警部!!代理!!代理殿!!捜査本部長殿!!」」」」」」」」」」」

「警察局特務捜査機関各員に伝達!!
捜査本部長命令である!!

さあ諸君
楽園を作るぞ」
「「「「「「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」」」」」」

そして地球組の刑事たちは会議場を一斉に出て行ってしまった。

後に残ったのは・・・。

「以上を持ちまして第一回合同捜査会議を終了します」

律儀に最後まで司会を務めた小林と・・・。

「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」

あまりものテンションについていけずに呆然としてしまったアースラ組だけであった。

警察局特務捜査機関、通称第零課。

日頃の剛による演説(洗脳)により子供好きが多い職場である。

実は世界の宝で庇護すべき存在である子供たちにまで手を出した外道、ヴォルゲンリッターに対し、剛を含め全職員がブチ切れていたのだ。

「この職場って変態しかいないのか?・・・・」

微妙に勘違いしたクロノの言葉が大会議場に空しく響いていた。
 
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