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FAIRY TAIL 魔道を歩む忍

作者:コロナ
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第二章 ニルヴァーナ
  第十一話 緋色の空

第十一話 緋色の空

「ジェラール・フェルナンデス。連邦反逆罪で貴様を逮捕する」

ジェラールの手首に長方形の手錠がかけられた。皆はそれを呆然と見ているしかなかった

「待ってください!!ジェラールは記憶を失っているんです!!何も覚えていないんですよ!!」

ウェンディはそうラハールに訴えかけたがキョウがそれをやめさせた

「やめろ、ウェンディ。さっきリチャードが言ってたろ。たとえ善意に目覚めても過去の悪業は消えん。あいつは罪を償わなきゃならないんだ。見守ること。それが今オレたちにできることだ」

「でも!!」

ジェラール 「いや‥‥いいんだ。君たちのことは最後まで思い出せなかった。本当にすまないウェンディ、キョウ」

「ウェンディは昔お前には助けられたんだと」

「そうか‥‥。オレは君たちにどれだけ迷惑をかけたのか知らないが、誰かを助けた事があったのは嬉しい事だ」

ジェラールは嬉しそうな表情を浮かべる。そんな中ナツはふとエルザに目をやると目線を下げ悲しげに黙っているエルザを見つめる

「エルザ。いろいろありがとう」

エルザは目を伏せただ沈黙する

(止めなければ‥‥。私が止めなければ‥‥)

高ぶる感情からか、足が震える

(ジェラールが行ってしまう‥‥)

そして腕が震える。キョウとナツはそれに気づく

(せっかく悪い夢から目覚めたジェラールを‥‥。もう一度暗闇の中へなど行かせるものか!!!!!)

ラハールがジェラールに囁く

「他に言うことはないか?」

「ああ」

「死刑か無期懲役はほぼ確定だ。二度と誰かと会うことはできんぞ」

冷徹な言葉。しかしジェラールはそれに納得したかのように黙り込む

「そんな‥」

「いや‥‥」

ウェンディの目からはボロボロと涙が落ちる

(行かせるものか!!!!)

エルザが行動しようとした瞬間ーーー



「行かせるかぁぁっ!!!!」

ナツは先に動いていた。二人の兵隊の頭を掴んでいた

「ナツ!!!」

「相手は評議員よ!!!」

「貴様‥‥」

「どけェっ!!!!そいつは仲間だぁ!!!!つれて帰るんだーーー!!!!」

敵対していたジェラールをナツは『仲間』と叫んだ。その仲間を助ける為に評議員までも敵に回した

「ナツさん……」

ウェンディは涙を流しながら

「よ‥‥よせ‥」

ジェラールは呟く

「と‥‥取り押さえなさい!!!」

兵隊たちがナツに向かう。それをグレイが止める

「行けナツ!!」

「グレイ!!」

「こうなったらナツは止まんねえからな!!!」

兵隊たちをグレイは投げ飛ばしていく

「気に入らねえんだよ!!!ニルヴァーナを防いだやつに‥一言もねぎらいの言葉もねえのかよォ!!!!」

「それには一理ある。その者を逮捕するのは不当だ!!!!」

「悔しいけど、その人がいなくなると、エルザさんが悲しむ!!!」

ジェラールとエルザ。二人は体を震わせていた

「もう、どうなっても知らないわよ!!」

「あいっ!!」

ルーシィは兵隊の顔をポカポカとハッピーは顔を引っ掻いた

「お願い!!!ジェラールを連れて行かないで!!!!」

ウェンディは泣きながら訴えかけた

皆が乱闘している中キョウは静かに目を閉じ呟く

「仲間…」

「来い!!!!ジェラール!!!!おまえはエルザから離れちゃいけねえっ!!!ずっと側にいるんだ!!!!エルザの為に!!!!だから来いっ!!!!オレたちがついてる!!!!仲間だろ!!!!」

ナツは全力でジェラールに叫ぶ。

「全員捕らえろォォォ!!!!公務執行妨害及び逃亡幇助だーー!!!!」

兵隊が杖に魔力をためナツ達に向かっていく

「ジェラーーーール!!!!」

エルザは身体を震わせ何かを叫ぼうとしたその時ーー

「魔幻・枷杭の術!!!」

皆の動きがピタッと止まった。まるで杭にでも打たれたかのように

「な‥なんだ‥‥これは…」

「身体が動かねえ…」

「オレの術だ」

キョウは写輪眼を発動していた。

「キョウ…」

「ナツ。おまえはジェラールを『仲間』と言ったな?」

「そうだ!!だからつれて帰るんだ!!!」

だがキョウはそれを否定した

「それは違うぞ。これは仲間のための行動じゃない。ジェラールの罪を重くするだけだ。それにジェラール自身はこんなことをのぞんでいるのか?罪を償なわせる事が本当の仲間なんじゃないのか?」

ナツや他の連合は皆黙り込む。

「もういい。そこまでだキョウ」

「エルザ…」

キョウは枷杭の術を解いた

「ジェラールを‥‥。つれて……‥いけ‥」

「エルザ!!!!」

ジェラールは何かを思い出したかのように呟く

「そうだ‥。おまえ(・・・)の髪の色だった」

その言葉にエルザは見開く。緋色の髪が風で靡いた

「さよなら。エルザ」

そう言い残しジェラールは去っていく

「ああ」

そう呟く。そしてジェラールの乗せた馬車の重い扉が閉じた





勝利したはずの連合軍。しかし誰も喜ばない。

「エルザ‥‥。どこ行ったんだろ‥‥」

ハッピーがそう呟く。ジェラールが連行された後にエルザは一人でどこかへ行ってしまったのだ

「しばらく一人にしてあげよ‥‥」

「あい‥」

ハッピーはしゅんとしてしまった

「オイ、キョウ」

「なんだ?」

ナツがキョウに話しかける。だがそれは仲良くしようとかと言う声ではなかった

「何でさっきオレたちを止めたんだ!!」

「決まっているだろう?ジェラールを連れ戻させないためだ」

「何でだよ!!お前もジェラールの仲間だったんだろ!!!?」

「ああそうだ。だからこそだ。さっきも言ったが罪を償わさせることが仲間としてできることだと思っただけだ。それに罪人はあいつの隣にはいれない。いや‥いるべきではない」

「てめえにジェラールとエルザの何がわかるってんだ!!!アア!!?何も知らねえくせにわかったような口聞いてんじゃねえぞ!!!」

ナツは怒りキョウの胸ぐらを掴む

「ああ。知らないな。けど大切な人を失うことはオレにはわかる。一時の幸せを奪われることもな。それがどれだけ辛いかお前にわかるか?」

キョウは万華鏡写輪眼を発動する。

「なんだ?その目…?」

「これは万華鏡写輪眼。オレが大切な人を失った証だ。」

「大切な人…?」

「ああ。ある日オレの目の前で家族と親友が殺された。オレの家族だけじゃない。一族みんなだ」

「え…?」

「その後に殺したやつを問い詰めたら何ていったと思う?」

「何て…言ったの‥‥?」

『お前らが嫌いだったから』だとよ。それだけの理由だ。それだけの理由でオレは幸せを失った。幸せなんて簡単に崩れちまうんだよ。一時的なものは特に脆い。エルザがジェラールを失うのはもう必然になっているんだ。ジェラールはそれほどの罪を犯した。違うか?」

ナツは黙り込む。するとキョウが深く深呼吸をする。

「だがオレも、もう少しでお前たちと同じことをしていただろうな」

「キョウ…」

「わるかったな。ちょっと頭冷やしてくる」

と言ってその場から立ち去った










ナツ達のいるところから少し距離があるところにエルザはいた。表情が見えないほどに俯いていた。そのエルザに昔の記憶がよぎる

『ジェラール・フェルナンデス』

『うわー。覚えづれえ』

『そういうおまえもウォーリー・ブキャナンって忘れそうだよ』

奴隷時代の自己紹介をしているところだった

『エルザおまえは?』

『私はエルザ。ただのエルザだよ』

困ったように幼いエルザは応える

『それはさみしいな』

とジェラールはエルザの髪を触る

「おおっ」

「ちょ‥何よぉ」

エルザは少し照れていた

『キレイな緋色(スカーレット)‥‥。そうだ!エルザ・スカーレットって名前にしよう』

『名前にしようってオマエ‥‥。そんなの勝手に‥‥』

しかしエルザは嬉しそうだった。自分の髪を触りながら呟く

『エルザ‥スカーレット……』

『おまえの髪の色だ。これなら絶対に忘れない』




エルザはボロボロと涙を流していた。エルザは膝を抱え一人で涙を流していた





その日の朝焼けは今まで見たこと無いくらいに美しい緋色に染まっていた。

エルザの髪の色のように暖かく情熱的に。

顔をあげれば美しい空が広がっているのに。

顔をあげれば………。

第十一話 完 
 

 
後書き
この話は自分が初めてみたフェアリーテイルの話なんです。そこからこの作品の魅力に惹かれて好きになりました。全てはこの話からフェアリーテイルを好きになったんです。 
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