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『自分:第1章』

作者:零那
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『花火大会』

久し振りに皆が集まることに。
しかも零那のこと考えてくれて、此のビルの屋上で花火大会に参加しよって。
それを聞いたお母さんが、カレーとポテトサラダ大量に作るって。
零那に、座ったまま材料切るように言ってきた。

臨月になったお腹は、ホンマにでっかいスイカ抱えてる様な...いや、それ以上やったけど。
自分でも、モノにお腹当てんように気を付けるけど怖い。
皆が、躊躇しつつも恐る恐るお腹に触る。

カナリ暴れやけん中からウニュウニュして来たり、激しく蹴りを入れてきたり...
ジワーッ!と足を突っ張られたり。
子宮破って腹から突き出てきそうなくらいチカラ強い。
お腹から赤ちゃんの足を逆に刺激してやると、喜んでるかの様にポコポコポコって蹴ってくる。
不思議と凄く優しい気持ちになる自分が居て、我に返ると自分が気持ち悪かったり...


お腹の動きがキモイって言うユウ。
感動って言う皆。
この温度差...
普通は逆ちゃうの?
他人にキモイ言われたら仕方ない思うけど...一応あんた父親やし旦那なんやで?
ユウはキモイキモイ言って未だに触らん。
外からでも胎動は充分得られるのに。
こんなに暴れなんやし。
充分コミュニケーション取れるレベルやわ。

トントンしたらポンポン蹴ってくれるし。
暴れてて痛いときは、赤ちゃんの足を手のひらで押さえると少しおとなしくしてくれるし。
凄く優しくて賢い子やなぁって解る。
この気持ちを知らんユウが可哀想だとおもうくらい。

良い機会や。
皆に、ユウは触ったこと無いって言ったら協力してくれた。
強制的に触らせた。
赤ちゃんは、零那の気持ちを知ってか知らずか...
タイミング良くユウの手を蹴り上げた。
ユウは『うぉーっ!』って叫んで逃げた...
皆、笑うやら怒るやら呆れるやら。
まぁ良しとするか。
ありがとうってお腹ナデナデしたらポコポコって返事してくれた。


皆とまた逢えてカナリ嬉しかった。
机や椅子、料理と食器を屋上に運び出す。
皆、飲み出してハシャぎ出して懐かしい感じになった。
ユウと居るより皆で居る方が楽しいし嬉しい。
それは零那にとっては仕方のないこと。

帰った後は、やっぱり虚しくなる。
それぞれ仕事や進学、県外の子も居るのに...
涼君が、零那のことが心配やからって集めてくれたらしい。
凄く嬉しかった。
有り難かった。
泣けるほどに...

あ、花火、BGM的感覚程度でした。

 
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