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『自分:第1章』

作者:零那
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『新システム/愛情』

大阪の社長さんからホテル以外で逢えんのか要望があった。
当時、デリにはまだデートコースが無かった。
店長も、システム上なかなか難しいって。
でも、このお客さんに対しては信用してたらしい。
料金とかコースとか考えるから待っててって。
暫く経って許可がでた。
何処に行くか決めて、場所変更の度に知らせてって。

御飯済んだらカラオケ+飲み。
この日以降は、このコースが定着した。
で、泊まりも。
結構な頻度で呼んでくれてたから、あまりにも申し訳なくて...零那に毎回毎回大金使っていただくのは、もう心苦しいって話した。
そしたら『大阪来るか?』って...
話の流れでプロポーズされた。
一生面倒見る。苦労やかささんって。
毎回ロングの域越えてる理由は、一緒に過ごしたいのもあるけど、他の嫌な客に付かんでええようにって考えらしい。

正直揺れた。
最低やな。
衝動的にOKせんくて良かった。

恋愛感情はお互い無いと思ってた。
やのに、負担をかけると解ってて甘えるのは違うやんな。
零那の過去まで背負わすことは出来ん。
零那の罪を、零那の人生を、背負わしてしまうのは違う。
社会的な立場のあるこの人からしたら、零那の存在は重荷になるだけってのは解る。
そんなん絶対嫌っ!!

零那のその気持ちが解ったんか、今はマダこのままの関係で居ろうかって。
俺がちゃんと零那を理解して受け入れる。
愛していくって。
下手な同情は無い。
今の零那を良いと思った。
ただ、俺の知らん零那も理解したい。
甘えて欲しいって。

零那は、絶対同情だと思ってた。
愛は無いと。
でも違った...
それでも、零那には、この人に対する愛が無い。
だから今は断るしかない。
それが絶対に正解だと。

 
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