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第二章

「あの娘な」
「ああ、二回生のな」
「あの娘な」
「二回生か、ほな俺と一緒か」
 二回生と聞いてだ、賢枢はすぐにこう言った。
「俺も二回生や」
「多分歳も一緒やな」
「御前二十歳やったな」
「あの娘も二回生やしな」
「確か現役で入ってるからな」
「そか、さらにええな」
 賢枢は友人達の情報提供に笑顔で応えた。
「それはな、それでな」
「ああ、彼氏やな」
「付き合ってる相手おるかどうかやな」
「そこはどないや」
 このことは真剣に問うた、これまで以上に。
「彼氏持ちに手出したら難儀やさかいな」
「ああ、リアルでやったらやばいぞ」
「修羅場は世の中で一番の地獄やぞ」
「それは台湾でも一緒やと思うけどな」
「日本でもやからな」
「わかってるわ、日本やと特にな」 
 賢枢はここでアニメ、日本のそれから得たそうした時に起こることを言った。その起こることはどういったものかというと。
「あれやろ、一人に包丁で何度も刺されて死んでな」
「まあそれは極端な例やな」
「ないことはないけれどな」
「さらにもう一人に鉈で首切られて最後は女二人が殺し合う」
「で、お腹切ってか」
「何に誰もってあれか」
「そうなるんやろ、日本は」
 真顔でだ、賢枢は日本の友人達に問うた。
「怖いな」
「それはないからな」
「幾ら何でもな」
「それアニメの話やから」
「しかもホラーのな」
「何や、そやっやんか」
 友人達の真実を語る言葉にだ、賢枢はほっとしてそれでいて少し残念そうな顔になって言ったのだった。
「ああいう話はないんか」
「ないわ、幾ら何でも」
「確かに包丁で刺されることはあるけれどな」
 日本にもこうした話は実際にある、どの国にもだが。
「それでもな」
「そこまではな」
「あるけどな」
「けど。鉈で首切ってはなあ」
「それで相手の腹その鉈で切るのはな」
「ないで、実際は」
「ホラーアニメやで、それは」
 最早その展開だというのだ。
「幾ら何でもな」
「それはないわ」
「そうか、やっぱりないか」
「あったら怖いわ、実際に」
「自分もそう思うやろ」
 友人達は賢枢に口々に言う。
「そんな話はな」
「トラウマになるわ」
「そやな、まあ俺二股はせん主義や」
「したら刺されるからな」
「まあ鉈で首は切られんけどな」
「好きになったら一筋でおれ」
「それは絶対やぞ」
 友人達は賢枢にまた言ったのだった。
「とにかくや、春奈ちゃん好きやねんな」
「そうなったんやな」
「そや、大好きや」
 賢枢は友人達に偽らざれる本心をはっきりと答えた。
「ほんまにな」
「じゃあ告白か」
「それするんやな」
「いや、いきなり告白してもや」
 どうかとだ、賢枢はここで思慮する顔で友人達に返したのだった。 
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