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VenusBlood-d×d-

作者:植物紳士
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騎士と戦士の戦い、マスターブレイド&遊撃師団長フリード

 
前書き
VenusBloodシリーズ最新作ヒュプノ発売まで一カ月を過ぎました。
体験版をやりながら11月28日を心待ちにしている作者です。
hypno(ヒュプノ)意味としては眠りや睡眠という意味ですがそれがどのように関わって来るか楽しみです。 

 
・・・聖魔剣 木場佑斗・・・
ショッピングモールの立体駐車場、そこで僕とゼノヴィアは1人の男と対峙していた。
僕達は遠巻きにその男を警戒していた、姿は冒険者の様な風貌だが、その男は虚ろな目をして顔は死人の様に青白く小声で何かを呟き続けている、手には血の様に赤い剣が握られている。

「奴からは生気を感じない、恐らく奴はゾンビだ」
ゾンビは生ける屍、理性や知性を持たず、ただ本能の赴くままに三大欲求の食欲を満たすために行動する存在。屍故に痛覚や疲労を感じず物理攻撃には強いが、光りや祝福を受けた武器には弱い存在だが、部長のお姉さんは高位のネクロマンサーとしての一面も持っていたから只のゾンビを出すとは思えないけど。

「行くぞ、木場」
ゼノヴィアは行く気の様だ、それに僕も続く、幸い相手は1人だ。思えばこの時の僕達はおごっていたんだろう、デュランダルに僕の聖魔剣、死人相手なら有利に戦える、苦無く勝てると。

「はぁぁぁあああ」
ゼノヴィアがデュランダルを振りかぶり切りかかる。死人はそれを片手で持った剣で簡単に受け止めて見せる。

「っ!?」
ゼノヴィアは勿論、僕も驚いていた。まさか防がれるとは思っていなかった、デュランダルは聖剣であり、死人には大敵だと思っていたから。

「敵は、死ね」
受け止めたデュランダルを弾き、凄まじい速さでゼノヴィアに返し刃で切りかかる。

「させない!!」
速度に対処しきれないゼノヴィアに、僕は咄嗟に聖剣を造り死人の刃を止める。

「邪魔だ」
「ぐっう」
死人は僕を蹴り飛ばしその隙にゼノヴィアが体勢を立てし切りかかるが、死人は簡単に流しカウンターを仕掛ける、それを態勢を立て直して再び聖剣を造り出し僕が止める。
防げたが、ゼノヴィアが再び切りかかるより早く死人が二撃目を出し僕の聖剣を切り捨てる。

「はぁぁぁああ」
デュランダルの横振りをさがって躱した死人は弾丸の様な速度で突っ込んで突きを放つって来た。

「死ね」
ゼノヴィアは咄嗟にデュランダルで防いだが、余りの突きの強さに吹き飛ばされるが上手く受け身を取り素早く体制を立て直すが、死人は剣を振り飛ぶ斬撃をゼノヴィアに向かって放った。それをゼノヴィアの前に移動して両手に聖剣を造りだ受け止めた。両手に持った聖剣は両方にヒビが入り砕けかけていた。

「スマン、助かった」
「いや、それよりも心して掛かろう。あの死人は強い」
「ああ」
僕とゼノヴィアは想像を超える敵を目の前にして気を引き締め直す。

「鮮血の刃、全てを切り裂け!!」
死人はそう言って凄まじい速さで僕達に切りかかって来た。





・・・副会長 真羅 椿・・・
私と由良はショッピングモールの立体駐車場に向かう途中敵らしき男性と遭遇した。
鎧姿にマント、腰に一本の剣を携えた男性から威厳と風格と言った物を感じる、さぞエネルゲイヤでは名を馳せている武人なのだろう。

「エネルゲイヤの方ですね、恨みはありませんが勝たせて貰います」
私と由良は戦闘態勢をとる。

「俺はエネルゲイヤ遊撃師団長、フリードだ。お前らは」
男が私達を見て名乗りを上げる、なら私達も名乗るが礼儀。

「ソーナ・シトリが女王、真羅椿です」
「同じく戦車、由良です」
私達が名乗ると男性は不敵に笑う。

「嬉しいぞ、女と思ったが戦士としての礼節は知っている様だな。ならば後は力で語るのみだ」
男性は剣を抜き構える、その剣がバチバチと電気を纏い始める。

「雷剣、ミスティルティン。お前等を切り裂く俺の愛剣の名だ、ゆくぞ!!」
刹那、男性は剣を一閃。電気を帯びた飛ぶ斬撃が由良に向かって放たれ、同時に男性が私に切りかかって来る。

「「っ!?」」
咄嗟に回避する由良。ガキン、男性の剣を自身の長刀で受け止めたけど手が痺れた。それを気合で抑え込み競合うけど、両手で押している私に対して男性は片手で余裕すら窺える。

「はぁぁぁぁあああ」
「フン」
ガキン、と簡単に私は押し切られ体制を崩し隙が生まれる。その隙に由良の攻撃を飛びのいて躱し距離をとる。
この男性は私が戦ってきた相手の中で最高の剣の使い手、おおよそ今の私と由良では勝ち目は無い。でも例え勝ち目が無くとも時間を稼ぐ事は出来るはず、この方を会長の元へは行かせない。
長刀を構え直し気合を入れ直す。





・・・デュランダル使い ゼノヴィア・・・
「はああああ」
ジャリン、横薙ぎに振るう、デュランダルが死人によって簡単受け流され鈍い金属音が響く。お返しとばかりに死人の鮮血の刃が私に迫る。

「させない!!」
木場が迫り来る刃を防いでくれるが、それも一瞬。神速の鮮血の刃はいとも簡単に聖魔剣を両断する。

「まだだ!!」
私はデュランダルを振るうがまったくもって意味をなさない。剣を振れば届く距離に居る、だがまるで形の無い存在、幽霊を相手にしているかのように剣は掠りもしない。

「これが、死を超越した刃だ」
男がそう言い放ち死人剣士の周りに禍々しい気が満ち始める。あれはヤバい恨みや怨念といった物を吸収して溜め込んでいる。そして神速の剣速で私達に切りかかり、デュランダルの刀身、私の両腕、聖魔剣の刀身、木場の首が宙に舞った。

『リアス・グレモリーさまの『騎士』一名、リタイア』

「あああああああああ」
両腕を切断された激痛に叫んで、地面に倒れ込む。
私は必死に痛みを耐え、芋虫の様に這いつくばりながらも死人を見上げる。相変わらずその瞳には理性と言った物は感じられ無い。

「強さがあれば、強ささえあれば、全てを守れるんじゃなかったのか!?」
そう言って死人は血涙を流す、まるで懺悔するかの如く。
そして鮮血の刃は私を切り裂いた。

『リアス・グレモリーさまの『騎士』一名、リタイア』





・・・副会長 真羅 椿・・・
「オラオラ、どうした?そんなもんか!!」
私と由良は果敢に攻めるが簡単にあしらわれている。ときたま放たれる雷撃に四苦八苦しながらもなんとか戦況を維持している。

「そろそろケリを付けるか」
男性がそう呟くと、男性の剣が今まで以上に電撃を帯びる。
来る!!今まで最高の一撃が。

「オラァ」
男性が剣を振るい、私は神器を発動させる。
『追憶の鏡』由良の前に現れた鏡が雷撃によって砕かれ衝撃が返るはずだった。

「ドラウプニル」
男性の左腕の腕輪が怪しく光り、追憶の鏡が消え雷撃が由良を直撃する。

「きゃああああ」
『ソーナ・シトリさまの『戦車』一名、リタイア』
由良が転送される。

「このぉぉおおお」
由良を倒された事で私は冷静さを失っていた、切りかかる私に男性は不敵に笑い腕輪を晒す。そして切りかかる私の前に、消えたはずの追憶の鏡が現れ鏡が砕け、衝撃が私を襲う。
衝撃で吹き飛ばされ私は床に倒れ伏す、なんで私の神器が?私が疑問を浮かべていると、男性が口を開いた。

「このドラウプニルは、他者の神器を一時的に奪い使える様になる物でな。お前の神器を奪った」
なるほど、そういう力を持っているとは迂闊でした。しかし神器を奪うとは、改めてエネルゲイヤの技術は侮れませんね。

「じゃあな」
男性のその言葉を最後に私は意識を失った。

『ソーナ・シトリさまの『女王』一名、リタイア』




 
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