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転生赤龍帝のマフィアな生活

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二十九話:狂った神父と復讐の騎士

 
前書き
今回は後半がカオスです。
それではどうぞ。

 

 
Sideバジル

向かい合い、睨み合う祐斗殿とフリード。
フリードの実力が以前のままであれば祐斗殿一人でも十分でしょうが、
恐らくそれはないでしょう。
聖剣を持っている以上は特別な能力があるのはまちがいないでしょうから。

小猫殿と目を合わせて頷き合う。
拙者達が祐斗殿をフォローすれば戦いは優位に進められるはずです。

「祐斗殿、ここは連携をとって戦いましょう。」
「いや、僕だけで十分だ!!!」

拙者の言葉を聞かずにフリードに真正面から突っ込む祐斗殿。
不味いですね、完全に頭に血が上っています。あれでは正常な判断は無理でしょう。

「あひゃひゃ!!!僕ちんと二人っきりでやりたいなんて照れるううう!!!!!」
「黙れ!!!!!」

『騎士』の特性である速さでフリードに斬りかかる祐斗殿ですが
それらはあっさりと躱されていきます。
単調な動きなので躱されるのは不思議ではないですが、
フリードのあの速さは以前にはないものです。まさかあれが聖剣の能力?

「遅い遅い遅ーいっ!!!そんなんじゃ僕ちんの天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)にはついて来れないっての!!!」

祐斗殿をと互角、いえ、それ以上のスピードで斬りつけていくフリード。
そして徐々に傷を負っていく祐斗殿……。
天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)、確か使い手の速さを底上げする聖剣……
不味いですね……祐斗殿の特性である速さが生きてこない……このままだと―――

「くっ!!」

祐斗殿が負けます!!

「祐斗殿!!!冷静になってください!!!!!」
「僕は冷静だ!!!!!」

ダメですね、こうなったら祐斗殿気持ちを無視してでも加勢に加わらなければ。
そう思い一歩踏み出したところで足に激痛を覚える。
これは…銃撃!!?

「くっ!?まだ敵が!!!」
「あー、僕ちんがこのイケメン君を切り刻むまではそこの雑魚共と遊んでてちょ。ちみを切り刻むのはもうちょっと待っててねえ!!!」

廃墟の中からぞろぞろと現れるはぐれ神父の大群……敵がフリード一人だと油断していました…!!

「……バジル先輩、大丈夫ですか?」
「大丈夫です、遅れは取りません!!!」

小猫殿の心配そうな言葉にそう強気で返しますが、内心では焦っています。
足が撃たれた以上は派手な動きは難しいでしょう……何とか最小限の動きで敵を倒さなければ。

「行きますよ、小猫殿!!!」
「……はい!!」

まずは向かってきた相手を斬り伏せて無効化します。
小猫殿は拙者が斬り伏せた敵の足を掴みそのまま群れている相手に向かって投げつけて
多くの敵をなぎ倒します……流石は『戦車』ですね。素晴らしいパワーです。

ですが、まだ敵が居なくなったわけではありません。
……早く倒さなければ祐斗殿が危ないというのに…!!
そう思った矢先、フリードの剣が祐斗殿の首を捕えようとする!!!

「祐斗殿!!?」
「くっ!?」

なんとか回避しようと体を動かす祐斗殿ですが、フリードの剣は無情にも祐斗殿首に近づいていき、
そして―――



「すまない、遅れたな。」



ゼノヴィア殿の剣により阻まれました。
そして、ゼノヴィア殿だけではありません。

「助けに来たよ…!!」
「ケガをしている人は私が治します!!!」

三叉の槍を手にしたクローム殿に(ボックス)である『太陽の不死鳥(フェニーチェ・デル・セレーノ)』のニーチェ殿を
肩に止めたアーシア殿が助太刀に来てくださっていました。

「ちょいちょい!!人の喧嘩に入ってくるなんてトーンデモナイ、糞ビッチちゃんですねえ!!!」

突然現れた新手に警戒をしたのか祐斗殿から離れるフリード。
よかった、これで何とか態勢を立て直せそうです。

「邪魔する奴は―――死んじまえ!!!」

フリードの言葉に呼応するようにこちらに襲い掛かってくるはぐれ神父たち、
一気に数で押し切るつもりですね…!!

「させない…!!」

クローム殿が槍をクルクルと回し地面にコツンとつけると―――

「ヌワニイイイイッ!!?」

地面から、壁から、天井から、凄まじい勢いの火柱が噴き出してきて、
はぐれ神父達を焼き尽くしていきます。叫び声を上げて苦しむはぐれ神父達。
しかし、実際には焼けていません。
あれは本物の炎ではなく……幻術!!!

「バジルさんに木場さん、怪我をしていますね…ニーチェさん!!!」
「はい、アーシア様。」
癒しの太陽(ヒール・ディ・サンシャイン)

ニーチェ殿羽からまるで太陽の光のように降り注いでくる活性化されたアーシア殿の癒しの力で
先程受けた傷が完全にふさがります。よし、これで全力で戦えます!!!

「あー……これ、おれっちやばくない?」
「………確かにそうだな。お前には分が悪いようだな、フリード。」

突如、聞こえてくるこの場には今までいなかった新しい声。
この少し年老いた声は一体?

「バルパーの爺さん、こんなとこに出てきて大丈夫なんですかー?」

バルパー!?フリードの言ったことが本当ならばこの初老の男は
『聖剣計画』の首謀者―――バルパー・ガリレイ!!!

「お前が……バルパー・ガリレイ…!!!!」

目を見開き憎悪の表情を浮かべる祐斗殿。
まあ、無理もありません、同士達の仇が今目の前にいるのですから。

「……魔剣創造(ソード・バース)か。あらゆる属性、あらゆる力の魔剣を創り出せる神器(セイクリッドギア)使い手によれば無類の力を発揮する……いい神器(セイクリッドギア)を持ったものだな。」
「バルパー・ガリレイ!!!!!」

怒りのままにバルパーに斬りかかる祐斗殿ですが、
その剣はバルパーを守るために飛び出してきたフリードによって受け止められる。
しばらく鍔迫り合いを続けていた祐斗殿ですが自らの魔剣の限界を感じ、悔しそうに下がります。

「もしや、君は『聖剣計画』の生き残りかね?」
「そうだ!!僕は一度、貴方に殺された…でも悪魔となって生き延びた!!!この魔剣はあなたが殺した同士の無念の固まりだ!!!だから僕は貴方を殺し―――復讐を果たす!!!!!」

痛いほどの怒りを込めて叫ぶ祐斗殿……
これほどまでの怒りと悲しみを抱えていたのですね……。

「ふん、せいぜい吠えていればいい。私は計画があるので引かせてもらうよ、フリード。」
「はいよ、じゃ、皆さん……バイチャ!!!」

閃光弾を地面に投げつけて拙者達の目を眩ますフリード。
くっ…!!逃げられてしまいましたか……。

「クローム、アーシア、私は奴らを追う!!!」
「あ!!ゼノヴィアさん!!?」

直ぐにフリード達を負っていくゼノヴィア殿。

「絶対に逃がさない!!!!!」
「祐斗殿!!?」

しまった!!祐斗殿まで!!!
こうなったら、拙者達も追わなければ!!!

「小猫殿!!!すぐに祐斗殿を追いましょう!!!!!」
「あら、何を追いかけるのかしら?バジル。」

………あはは……どうしてここでいるはずのない親方様の声が聞こえるんでしょうか?
ゆっくりと…本当にゆっくりと振り返ります。

「理由は後で聞くわ……だから―――お仕置きよ。」

そこにいたのは鬼のような表情で仁王立ちして拙者を待ち構える親方様でした。


Sideoutバジル





どうも、北の大地からこんばんは。
俺はつい先程まで日本各地を横断しながらイリナと戦って“いた”……そう過去形だ。
俺とイリナは突如起きた目も覆いたくなるような悲惨な状況に手を止めて
茫然と奴らを眺めていた……何で“あいつら”が居やがんだ!!!??

「なんなのあなた達は!!?」

イリナの叫びに恍惚の表情を浮かべて口を開く奴ら。



『神はおっしゃった。
その者らは痛みにより快楽を見出し、罵倒も、蔑みも、暴力も、
あらゆる加虐を持ってしても滅ぼす事は出来ない。
故に汝は問うた、我らは何者か?
愚問なり、無知蒙昧、知らぬならば答えよう。
我らは永劫、貴公らの下僕だと――――』

顕現(けんげん)()歴代赤龍帝(マゾヒスト・ヴァーサーカーズ)!!!!!』



「変態達が何で現実世界に出てきてんだよ!!!??」

最悪だ!!!ついに歴代赤龍帝 (マゾヒスト・ヴァーサーカーズ)が現実世界に姿を現しやがった!!!
どうするんだよ、これ!!?
あれか?世紀末か?というか今、明日世界が滅びると言われたら俺は信じられるぞ。
いや、むしろ今この瞬間が世界の終わりと言った方が正しいか?

………くっくっく…はーはっはっは!!!!!
終わりだ!!!何かも終わりだ!!!!!
俺の世界が音を立てて崩れ落ちていく音がするぜ!!!!!

『相棒!!!気をしっかり持つのだ!!!!!』
「はっ!?あぶねえ……危うく記憶が飛ぶとこだったぜ……で、あれはどういうわけだ?カストカゲ。」

取りあえず、一番奴らの身近に居たであろうカストカゲに状況説明をさせる。
何としてでも、奴らはここで始末するか封印するしかねえからな…!!!

『ああ、どういう仕組かは分からないがエルシャが『外からの変態エネルギーがある程度溜まりました。』と言っていたから恐らくはその影響のはずだ……いや、俺も何を言っているのかが分からない。』

以前言っていたあれかよ……まさか本当に存在しやがるとは……やっぱ変態は手に負えねえ!!!
というか、外からの変態エネルギーって一体どいつが渡しやがったんだ!!!??



「あれが私が到達すべき高み……こうしてはいられませんわ!!!私ももっと精進しなければ!!!!!」



ああ……俺には何も聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない……。

「誰だか分からないけど、私とイッセー君の二人きりの殺し愛を邪魔するなら咬み殺すわ!!!」
「まて!!イリナ!!!」

俺の制止も聞かずに変態達に突っ込んでいくイリナ。
ちっ!!……まずいな、奴らに攻撃は効かねえ、それどころか――――

「ブヒィッ!!!!イリナたんに咬み殺されてるウウウウウウッッ!!!!!」
「攻撃が効かないどころか、さっきよりもパワーアップしてるの!!!??」

さらに力を上げて狂喜乱舞する変態に流石のイリナも恐れをなして一歩下がる。
あいつらはこっちが攻撃すればすればするほど力を上げていきやがるからな。
正直言って手のつけようがない。しかもあいつらの様子だ、見てみろ。

「ご主人様!!!どうか私の実体化した肉体を思う存分にカッ消してください!!!!!」

顔を上気させて荒い息のまま俺の前に身を投げ出してくるエルシャ。
因みに自分の体を拘束具で縛り上げた状態でだ。

「紫藤イリナ……貴様のせいで小猫たんのシスター服を拝めなかったのだ…!!絶対に許さんからなァァァッ!!!!!さあ、思う存分に咬み殺してください!!!!!」

イリナの事を許さないと叫びながらも、ジャンピング土下座で咬み殺してくれと頼み込む
いつも塔城小猫に執着しているロリコン変態。

「ゼノヴィアたあああああああん!!!!!!クロームたあああああああん!!!!!僕を縛り付けて冷たい笑顔でビリビリしてえええええええっっ!!!!!!」

狂ったようにゼノヴィアとクロームの名前を叫びながら、
自分の体にスタンガンを撃ち込み続けるこちらもロリコンの変態。

「全く、少しは落ち着いたらどうですか。女性に手荒な真似はいけませんよ。一誠様、そういう事ですので私で人間ダーツでもやりませんか?」

やけに紳士的な態度で話しながらも俺にそんなことを真顔で提案してくる、紳士的な風貌の変態。因みに手には明らかに毒が塗られたナイフを持ってだ。
ドライグ、てめえはこの状況をどう見る?



『カオスだな。』

「だな…………。」

本当にどうするよ、これ?俺だけの力じゃどうにもならねえだろ。
自らを苦痛に追い込みながらも更なる痛みを俺達に求める変態達……カオスすぎる。

「イッセー君、二人で力を合わせよ!!!そうしたらきっと咬み殺せるよ!!!!!」

変態達から逃げる様に俺の元に駆け寄ってきてそう提案してくる、イリナ。
俺とイリナならこいつらを消せるか?……いや、今はやるしかねえ!!!

世界の命運は俺達にかかっている!!!!
……その相手が変態なのは何とも微妙だがな。まあ、いい。

「イリナ!!この指輪を着けろ!!!」
「え!?こ、こんな状況で!!?もしかして、映画でよくある戦場でのプロポーズ!!!??」

雲のボンゴレリングを投げ渡すと何やら顔を赤らめてもじもじしだすイリナ。
……どういうことだ?
イリナまで可笑しくなっちまったのか?
さっきまで俺を咬み殺そうと猛然と襲い掛かって来ていたというのに……これも変態のせいか!!?

「そんなんじゃねえから、正気に戻れ!!!こいつはボンゴレリング、俺が使ってる死ぬ気の炎が灯せるようになる物だ!!!!」
「あっそ。」
「ゴフッ!!?」

なぜだ!?なぜイリナは俺の親切心を素直に受け取らずに俺の腹に鋭い蹴りを入れたんだ!!?
腹を押さえてまさかの裏切りに動揺している俺を冷めた目で見つめながら指輪をはめるイリナ。
カストカゲ、俺は一体何を間違えたんだ!?

『相棒が鈍感なのが悪い。』

取りあえず、カストカゲの死刑は確定だな。
これが終わったら変態達のことの苛立ちも兼ねて今までにない処刑方でやってやるとしよう。

「で、どう使うの?あ、なんかムカついたら炎が出たわ。」

説明なしで、ただ単にムカついたという理由で雲の炎を出すイリナ。
ムカついて炎出すとか聞いたことねえよ……。
やはり俺の幼馴染みは化け物だ。

「そいつを武器に纏わせろ、他にも使い方があるがそれは後だ。」
「ふーん、じゃ、一緒に咬み殺そ。」
「ああ、カッ消す!!!」

俺とイリナが組めばどんな奴だろうと必ず殺れる!!!


「「「「いいぜええええっっ!!!殺してくれよおおおおおおっっ!!!!!」」」」


あ、やばい。やっぱ、無理な気がしてきた。





荒れ果てた荒野、地に伏す歴代赤龍帝(マゾヒスト・ヴァーサーカーズ)
そして、それを見下ろす、俺とイリナ、一見すれば勝負は俺達の勝ちに見えるだろうが、
実際は違え、奴らは――――


「「「「もっとだ、もっと痛みを、快感をくれよおおおお!!!俺達は変態(マゾヒスト)だアアアアッッ!!!!!」」」」


快感に悶えているだけだ………はっ…完敗だ。
辺りを荒野に変えたのは全て俺達だというのに……奴らは一度たりとも攻撃してきてねえ。
ただ、攻撃を受けるだけで俺達に勝ちやがった……本当にどうすりゃいいんだよ。

「イッセー君、私怖いよ!!!」

若干涙目で震えながら俺に抱き着いてくるイリナ……
あのイリナが普通の女の子のように怯えて俺に抱き着いて来るとはな……
……変態はやっぱり手に負えねえ。

「ふふふふふ、さあ、ご主人様、もっと私達をいたぶってくださ―――これは!?」

突如、体が薄れていき出す歴代赤龍帝(マゾヒスト・ヴァーサーカーズ)
一体何が起こってやがるんだ?進化とかは言うのだけはやめてくれよな。

「やはり、まだ変態エネルギーが足りず完全でないこの肉体では時間的に限界がありましたか……ですが次こそは完全な肉体を得てご主人様にカッ消されに――――」

何やら、ゾッとすることを言い放ちながら光となって消えて行くエルシャとその他の変態共
………ああ、分かってるよ、どうせ俺の精神世界に戻ってくるだけだろ?

どうせそのまま消えてくれねえんだろうが!!!!
な、泣いてなんかいないんだからな!!!!!

「……ねえ、あの人達ってイッセー君があんな風に変えたの?」

そう言ってジト目で俺を見てくるイリナ。
まずい!!!俺に死が近づいている!!!
社会的な死と言う恐ろしいものがな!!!??

「私には人に痛めつけられて喜ぶなんて気持ちは分からないわ……でも―――」

不意に顔を逸らすイリナ、何だ?一体。

「い、イッセー君になら……やられてもいいかな。」

顔をは逸らしてあるので分からないが首筋が赤くなっているので照れているのが分かる。
……て、おい!!?

「俺にそんな趣味はねえよ!!!!後、頼むからお前まで変わるな!!!!!」

イリナまで変態化したらもう手が付けられねえよ!!!!!
頼むから変態にだけはならないでくれ!!!!!

 
 

 
後書き
デレてないと意見があったのでイリナたんをデレさせてみました。
 
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