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レインボークラウン

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第百六十八話

              第百六十八話  亜美の名乗りに
 華奈子は亜美はメインの作詞作曲を名乗り出てもこう言うのだった。
「まあ新入りさんだからって訳じゃなくて」
「そういうのじゃなくて?」
「うん、そういう義務じゃないことはね」
「このグループではなんやな」
「そうしたことはないから」
 クラウンにおいては、というのだ。
「そうしたことじゃないわよね」
「やりたいからやけど」
 メインの作詞作曲をだ。
「それやったらあかんかな」
「それならいいわよ」
 華奈子は亜美の言葉を受けてすぐに返した。
「それならね」
「そやったらな」
「それじゃあね」
「亜美ちゃんの作詞作曲見せてもらいたいけれど」
 春奈と赤音は亜美と華奈子のやり取りが終わったことをみ届けてからそのうえで亜美に対して二人で言った。
「ちょっと作ってくれる?」
「試しにね」
「試しって言ってもそこから私達全員で、ってなるけれど」
「そうしたいから」
「わかったわ、そやったらな」
 二人の言葉も受けて言う亜美だった、そしてだった。
 クラウンの仲間達にだ、こうしたことを言った。
「作詞作曲、はじめてやけどやってみるわ」
「どうするかはわかるかしら」
 美奈子は亜美に少し怪訝な顔になって問うた。
「作詞、特に作曲は」
「作曲はお母ちゃんがバンドやってたし。作詞も」
「だったらお母さんに聞いて」
「そうしてやってみるわ」
 はじめての作詞作曲をというのだ。
「それで出来たら持ってくるわ」
「待ってるわね」
「出来る限りはよ完成させるわ」
 こうも言う亜美だった。
「ちゃんとな」
「焦らなくていいわよ」
 美奈子はその亜美に穏やかで優しさのある声で告げた。
「自分のペースで作ってね」
「そうしてええんかいな」
「焦ってもいいものは出来ないから」
 だからだというのだ。
「落ち着いて作ってね」
「まあ皆待たせることはせんわ」
 それだけはしないことを考えている亜美だった。
 そしてそのうえでだった、亜美は作詞作曲にかかるのだった。これで話は決まり七人はこの日は一旦解散となった。


第百六十八話   完


                       2014・9・17 
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