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転生赤龍帝のマフィアな生活

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十七話:山籠もりでござる!!


Sideバジル

おはようございます。今、拙者達、グレモリー眷属の面々は山を登っている最中です。
なぜ山を登っているかですか?簡単です。十日後に決まった『レーティングゲーム』に向けて自分達を鍛えるためです!!それにしても昔、日本の映画で見た山籠もりをこの身で体験出来るとは……拙者感激です!!!

「ふう……それにしても山登りというのは意外にキツイものだね。バジル君。」
「確かにそうですね、しかし、徒歩で山の上まで行けば必ず基礎体力が付きます!!そうすれば、ますます親方様のお役に立つことが出来ます!!!」
「そうだね、一緒に頑張ろう、バジル君。」
「はい、祐斗殿。」

この戦い拙者達は絶対に負けるわけにはいかないのです。負けてしまえば親方様が………いえ、こんなことを考えている場合ではないです。何としてでも勝つのです!!!それが拙者の使命です!!!

「みんな、あともう少しで着くからもう一頑張りして頂戴。」
「……分かりました。」
「はい、それにしてもバジル君は見た目に似合わずタフですね。私と部長の分の荷物まで持っているのにずっと先頭を歩いてますもの。」
「なんの、親方様のためならこれしき!!!」
「あらあら、頼もしいですわね、ねえ、部長。」
「本当にそうね……。」

後少し、頑張っていきましょう。

「そう言えば、一誠君はどうしてるんだい?バジル君。」
「一誠殿ですか……。」

拙者に『俺は他のカス共と戦えねえらしいから、てめえらがカス共を地獄に叩き落としてやれ!!!』と電話で話してきましたので恐らく何かしらの接触はあると思いますが……良く分かりません。

「恐らく、今回は味方ですのである程度のお力添えはしていただけるかと思うのでそのうちひょっこり現れるかと思います。」
「まあ、相当怒っていたからね、ライザーだけでなく眷属も倒したがっているだろうね。」
「今回は味方になっていただけて本当によかったです。」

敵になればこれ以上恐ろしい人はいませんが逆に味方になっていただけた場合はこれ以上頼もしい方もいません。親方様は色々と不安視していましたが拙者はその心配はないと思います。経験上あそこまで怒った一誠殿は他の事に脇目を振らずに怒りの原因となった人を倒しますので他の事に害が及ぶとは拙者は考えていません。まあ、それも一誠殿しだいですが……とにかく今は早くこの山の上にあると言う親方様の別荘に着き修行を開始しましょう。




「ここが私達が十日間使う別荘よ。」
「ここが親方様の別荘ですか、いいところですね――「ゔおおおおい!!!待ちくたびれたぜええええっ!!!!!」――この声は!!?」
「誰!!?」

これほどまで大きな声を常時出せる人を拙者は一人しか知りません。

「うぜえんだよ、カスザメ!!!」
「ごあっ!!?ゔおおおおいっ!!!人に石投げつけてんじゃねえよ!!!!!」
「てめえは人じゃなくてカスザメだろうが。」
「こんのクソボスウウウウッ!!!!!」
「貴様、ボスに暴言を吐くとは良い度胸だな!!このレヴィ・ア・タンが成敗してくれる!!!ボス見ていてください。」
「あらあら、喧嘩はだめよ、二人とも仲良くしないと。」
「うしし、何なら俺が殺ってやろうか?二人まとめてさ。」

そのまますぐにでも殺し合いに入りかねない状態の方々……というかなんでこんなとこにいるんでしょうか?まあ、一誠殿が呼んだのでしょうけど。

「えっと……バジル、あの人達は誰なの?」
「ボンゴレファミリー最強と謳われる闇の独立暗殺部隊―――ヴァリアーの方々です。」
「……暗殺部隊ですか?」
「はい、人間業では到底出来ないようなミッションも完璧に遂行すると言われる殺しのプロの集団です。」
「まあ、堅気の人には見えないよね。」
「それに全員が人間とは到底思えないレベルの強さを持っていますわ。」

拙者達が話している間にもお互いに殺し合おうとするヴァリアーの方々
しかしそれは―――


「やめろ。」


「ぐっ!!?」
「申し訳ありません!!ボス!!!」
「ししし……本気で殺りあう気はねえって、ボス。」

一誠殿の一言で収まりました……あの一言には逆らえば命はないという脅しが混じっていました。
絶対的な力でヴァリアーを従えているボスが一誠殿。

「一誠、どうやってここを?……いえ、あなたに疑問を覚えてもしょうがないわね。そう言えばクロームやアーシアはどうしたの?」
「ゲームに参加しねえ奴に学校を休ませる理由はねえ、まあ休みになったら来るらしいがな。」
「そう……それにしても暗殺部隊のボスまでやってるなんて、やっぱり普通じゃないわね。」
「ボスの素晴らしい所はヴァリアーのボスであることだけではない!!ヴァリアーに七歳で最年少入隊!!!そして当時のボスであった『剣帝』テュールを圧倒的な力で屠り、そのままボスの座に着かれた!!!さらに――「るせえっ!!!」――申し訳ありません!!ボス!!!」

まるで熱烈なファンの様に熱く一誠殿について語り始めたレヴィ殿でしたが一誠殿のお気に召さなかったらしく思いっきり蹴り飛ばされてしまいました。まあ、何となく一誠殿の気持ちも分かりますけど。

「七歳って……子供のころから可笑しかったのね、あなた。」
「俺をカス共と一緒にするな。」
「うふふ、いい男が居るわねー。でも残念、体が私好みじゃないわー。」
「あ…あははは……。」

ルッスーリア殿に体を撫でられて渇いた笑い声を漏らす祐斗殿……拙者じゃなくて本当によかったです。

「それで何のようなの、一誠?あなたはゲームに出るから分かるけどこの人達は何なの?」
「こいつらはてめえらの相手だ。てめえらがどういった修行をするかは知れねえが実戦練習は入れるだろ?」
「ええ、前半に基礎を出来るだけ鍛えて後半に実践を入れる予定よ。」
「その相手をあいつらにやらせるってわけだ。」

「それは助かるんだけど……どういう風の吹き回し?あなた、人助けするようなタイプじゃないでしょ?」
「ああ、てめえらの為なんざ微塵も思ってねえ、俺の目的―――あの焼き鳥(ドカス)の眷属を地獄に叩き落とすためだ!!!俺が焼き鳥(ドカス)との戦闘しか許されてねえ分てめえらが叩きのめしてやれ!!!!!」
「………あなたって本当に容赦がないわね。」

そう言って呆れた様に溜息を吐く親方様、お気持ちは分かります。

「当たり前だ、俺は暴君だ。」
「まあ、いいわ。とにかく、よろしくお願いするわ。出来れば基礎練習でも何か指導できることがあるならお願いしたいのだけど。」
「木場祐斗と塔城小猫なら同じ戦闘スタイルの奴がいる。それ以外は勝手にやった方がましだろ、第一てめえは自分を鍛えるよりルール把握の方が先だろうが。」
「そうね……人間でも珍しくない戦い方をする祐斗と小猫はともかく朱乃や私は教わりようがないわね、それにあなたの言う通り私は『王』としての知識を詰め込む方が先ね。『王』が駒を動かせなければどれだけ優秀な駒がいても勝てないもの。」

そう言えば拙者もよく『レーティングゲーム』の知識を知らないですね……これでは土俵に上がることすらできません。拙者も知識を増やしていかないと。

「そう言えばバジルはどうするの?」
「煮るなり焼くなり好きにしてくれだとよ。」
「え?」
「そう、それなら思いっきりハードな修行がいいわね、バジルは基礎体力は元々高いみたいだし考えていたのよりきつくするわ。」
「え、あの、親方様?」
「泳いで滝登りなんてどうだ?」
「いいわね、それ。」

なんか拙者の修行が想像の斜め上にいっているのですが……
いえ、これも親方様のためと思えば何の此れしき―――

「背中を地面に付けたら爆発する無限腹筋なんてどうかしら?」
「いいじゃねえか、どうせなら100㎏の重りをつけての崖のぼりも入れたらどうだ?」
「あら、それもいいわね。」

拙者『レーティングゲーム』前に死なないか不安です……。




Sideoutバジル


リアス・グレモリー達が修行をするために着替えている間に幹部を集めて指示をだす。
一応幹部の奴らは全員呼び寄せたんだが、最初のうちは全員はいらなかったか?まあ、レヴィには不満はないだろうが、ベルをどうするかだな……勝手にリアス・グレモリー達を殺されると面倒だから適当に休暇を与えるか。

「ベル、しばらく休暇をやる。」
「じゃあ、ご当地殺し屋狩りでもしてくっかな、うしし!!」
「いつでも連絡を取れるようにはしとけ。」
「了解、ボス。」

さて、ルッスーリアとカスザメはあいつらの指導をさせるとして、レヴィには何をさせるか……。

「レヴィ、てめえは俺の護衛だ。」
「ボスの護衛につけるとは身に余る光栄!!!」

さて後はあいつらが来るのを待つだけか…と来たようだな。

「それじゃあ、早速始めるわよ、と、言いたいとこだけどまずは自己紹介と行きましょうか。私はリアス・グレモリーよ。」
「姫島朱乃です。」
「木場祐斗だよ。」
「……塔城小猫です。」
「知ってらっしゃるかもしれませんがバジルです。」

「ボスの護衛を任された、レヴィ・ア・タンだ。」
「ルッスーリアよー。」
「俺はスクアーロ!!!スペルビ・スクアーロだあああっ!!!!!」
「うぜえっ!!!」
「づああっ!!?何しやがんだ!!!??」

カスザメがうるさいのでベルが残しておいたナイフをカスザメの背中に投げつける。
ふう、少しすっきりしたな。

「そう言えばさっきまでもう一人いたわよね?あの子は?」
「あいつはベルフェゴールだ。後半になったら戻ってくる。」
「そう、わかったわ。」

「木場祐斗、てめえの家庭教師はこのカスザメだ。」
「ゔおおおおい!!!何枚に下ろされてえんだあああ!!!??」
「殺そうとすんじゃねえよ!!カスザメ!!!」
「ごふううっ!!?は…入った。」
「えーと……よろしくね。」

俺のストマックブローの前に倒れ伏すカスザメ。はっ、いい眺めだ。

(いいですか、あの男は私達の敵です。ご主人様のお仕置き(ご褒美)を横取りする憎き敵です!!!)
(((((はい、教祖(エルシャ)様!!!!!)))))

今度から少し優しくしてやるか……。

「塔城小猫、てめえの家庭教師はルッスーリアだ。」
「あらー、可愛い子ねえ、よろしくね。」
「……よろしくお願いします。」

さて、俺は後は高みの見物でもさせてもらうか。
ん?俺は修行しないのかだと?修行なんて雑魚のやることだ、俺がする必要などない。
俺はじっくりと焼き鳥(ドカス)の処刑方法を考えるだけだ。




若干目の死んだような様子のバジルや木場祐斗が最初の基礎体力修行を終えて帰ってきたころ、ここにいるはずのない人物が俺を訪ねて来た。それは―――

「一誠さん、お疲れ様です。」
「ユニ!?なんでここにいんだ!!?」
「何奴?ボスには指一本、触れさせん!!」
「お勤めご苦労様です。レヴィ・ア・タンさん。私はこういうものです。」

ユニが一枚の手紙をレヴィに渡す、あの手紙はまさか―――

「こ、これは失礼いたしました!!直ぐに席をご用意します!!!」
「私の事はお気遣いなさらないでください。」
「あら?一誠その子は?」
「ゔおおい!!!その女は誰だあ!!?」
「まあ、可愛い子ね、ボス。どうしたのその子?」
「一誠殿、その方は一体?」

何ぞろぞろ集まってきてんだよ!!?これ知られると後々面倒だろうが!!!

「皆様、初めまして、ユニと申します。」
「あら、礼儀正しい子ね。私はリアス・グレモリーよ。よろしくね。」
「拙者はバジルと申します。よろしくお願いいたします。」
「あたしはルッスーリアよ、よろしくねー。」
「で、結局その女は何なんだあっ!!!??」


「スクアーロ!!口を慎め!!!奥方様に失礼だぞ!!!!!」


レヴィがそう言い放った瞬間、全員が固まる。カスザメに関しては驚愕の表情のままのフリーズだ。
というかレヴィの奴ばらしやがって……後でカッ消してやる。

「私は一誠さんの許嫁です。まだ一誠さんとつり合いがとれるような人間ではないと思いますがこれからも精一杯精進していく心づもりです。」

そう言って優雅に頭を下げるユニ。

「うん……確かにつり合いがとれてないわね、一誠が。」
「これ程慎ましやかな女性が一誠殿の許嫁とは……世の中分からないものですね。」
「ボスのお嫁さんがこんなにいい子なんて……あたし信じられないわ。」
「ゔおい、あれだ、クソボスの乱暴さとユニのおしとやかさで丁度いい感じになると思ったんだろ?0+100を2で割って50位にしたかったんだろおぜ!!!」

「てめえら、ちょっとそこになおりやがれ!!!!!」

誰が正反対だ、ゴラッ!!!確かにユニは俺にはもったいないぐらいおしとやかで笑顔の素敵な女の子だが俺は俺の意思で―――あれ?俺、何言ってんだ?

「確かに一誠さんはちょっと言動が粗暴な所があります……でも沢山いいところもあります。私は良い所も悪い所も含めて一誠さんが好きなんです。それにお互いの欠点を埋めあうのが夫婦というものではないでしょうか?」

真正面から好きだと言われて首筋が熱くなるのを感じる。

「そうね……私達が間違ってたわ。」
「拙者、心が洗われた気分です。」
「ユニちゃん、ボスをよろしくね。」
「クソボスにこれ以上お似合いな奴もいねえな。」

「ちょっと待て!!!俺は認めてねえからな!!!!!」

そう言った瞬間に冷たい視線が集中してくる、リアス・グレモリーに至っては俺をまるでゴミでも見るような目で見ている。その視線を受けて俺の中で変態共が狂喜乱舞しているが今はどうでもいい。

「俺は死んでも他人の命令には従わねえ!!!というかリアス・グレモリー!!!てめえも今まさに縁談を破棄しようとしてるとこだろうが!!!!!」
「私だってライザーがそれだけ思ってくれてるなら受けてたわよ。でもそんなこと少しも考えていないから破棄しようとしているのよ。」
「一誠殿……見損ないました。」
「ボスがそこまで非情なんて思わなかったわー。」
「ゔおおおおおおいっ!!!!!そこまで言われたら男として応える所だろうがああああっ!!!!!」

ああ……もういい、こういう時は―――カッ消す!!!!!

「てめえら纏めて―――カッ消えろ!!!」
「「「「ぎゃあああっ!!?」」」」
「ボス!?なぜ俺まで!!?」

雷の炎で電流を流して気絶させる。焼き鳥(ドカス)にやろうかと考えている技の劣化版だ。死ねないようにしてある。

「あの…皆さん大丈夫でしょうか?」
「死なないようにやった、しばらくすれば目は覚ますだろ。」
「そうですか……あ、そう言えば、どうしてここにいるのかをまだ答えてませんでしたね。」
「そういや、そうだな。」

別に今更気にすることでもない気がするんだが……まあ、いいか。

「理由は―――会いたかったから…ただそれだけです。」

ほんのり頬を染め満面の笑顔でそう言ってくるユニ。
………やっぱり、ユニの笑顔は綺麗だな。

「ふふ、顔、赤いですよ?」
「っ!!?あ、暑かっただけだ!!!」
「はい、そうですね。」

(相棒は本当に素直じゃないな。)
(カッ消えろ!!!)
(ぬおおおおおっ!!!??)
(((((来たああああああああっ!!!!!!)))))

くそっ……イライラする、この苛立ちは全て焼き鳥(ドカス)に百倍にしてぶつけよう、そうだそれがいい。うん。
 
 

 
後書き
ツンデレ主人公を攻略するために足繁く通うヒロイン……あれ?何か間違ってるのか? 
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