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転生赤龍帝のマフィアな生活

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十五話:色々と厄介事

 
前書き
今回はユニちゃんの登場します。
それではどうぞ。










 

 
Sideバジル


「バジル、私の処女を貰ってちょうだい。至急頼むわ。」

……………は?取りあえず目をこすってもう一度親方様を見ます。

「良かった、夢ですね。」
「待ちなさい、せめて目を開けて私を見なさい。」
「サムライは心の目で見ることが出来ますので。」
「じゃあ、あなたは今、何と話してるの?」
「幻聴ですね、最近疲れていましたので。」
「いい加減、現実を見なさい!!!」

はあ……また厄介事ですか……最近一誠殿と親方様の意見の食い違いなどで拙者が板挟みになる毎日ですが、ここまでの厄介事は久しぶりです。今度胃薬でも買ってきましょうか?
まあ、その話は今は置いておくとして親方様の様子が最近おかしいのは気づいていました。
部室でも何やら思いつめたような表情をしていましたし。朱乃殿によれば授業中も全く身が入ってなかったらしいです。

「もう一度言うわ、私の処女を貰ってちょうだい。」
「いやでござる。」
「バジル……日本には『据え膳食わぬは男の恥』と言う言葉があるのよ?」
「拙者、生まれも育ちもイタリアですので。」
「バジル………そんなに私、魅力がないのかしら?」

少し涙目で俯く親方様に少しドキリとしてしまう。親方様はそのまましょんぼりとしたまま拙者の布団の端に座ってきました。因みに拙者の部屋は畳です。折角日本に来たのだからと言う理由で部屋は和風にして貰っています。

「親方様、親方様は十分に魅力のある方だと思います。ただ、そういうことをするのはお互いに信頼しあった人達がするものだと思いましたので断ったまでです。」
「……私では不満がある…て、わけじゃないのね?」
「はい、親方様は美しい方ですよ。」
「っ!!……ありがとうね、バジル。」

少し、頬を赤らめホッと胸を撫で下ろす、親方様。
それにしても……親方様をここまで追い詰めている厄介事とは一体…?

「親方様、なぜこのような行動に走ってしまわれたのですか?」
「そ、それは…………。」
「何か悩みや問題があるなら遠慮なく言ってください。拙者は親方様の眷属なのですから、必ず親方様のお役に立って見せますので。」
「バジル………あなたを私の眷属にして本当によかったわ。」
「ありがとうございます。それで…一体どのようなことが?」
「ええ……実は―――」

親方様がそこまで言った瞬間、床が光出し、そこから一人の女性が現れました。
銀髪にメイド服といったとてもきれいな人です。

「……随分と早い到着ね、グレイフィア。」
「……この様な馬鹿な真似はお止めください。リアス様。」
「こんなことでもしないと、誰も私の言うことになんか耳を貸さないでしょう?」
「えっと……親方様、この方は?」
「………こんな下賤な輩に操をささげるということをサーゼクス様や旦那さまが知れば悲しまれますよ?」

下賤ですか……まあ、悪魔としては下級ですし、そういうことなんですかね?
少し…ムッとしますけど。

「私の貞操は私のものよ、勝手に決めないで頂戴。………それと私の可愛い下僕を下賤何て言わないで頂戴、グレイフィアでも許さないわよ。」
「そうですか……先程は失礼しました。私はグレモリー家に使えるグレイフィアと申します。」
「……バジルです。」
「この方がリアス様が『兵士』を八個使い転生させた方ですか?」

「ええ、たった一人の私の『兵士』よ。」
「そうですか、確かに強い力をお持ちのようですね。」
「とにかく、一度私の根城に戻りましょう。そこで話を聞くわ、朱乃も同伴でいいかしら?」
「はい、『女王』が『王』の傍らにいるのはなんら可笑しいことではないですので。」

するとグレイフィア殿は部屋の床に銀色の魔法陣を展開させました。
そして親方様が拙者に近づいてきます。

「バジル……迷惑かけてごめんなさいね。それとこれは私のことを心配してくれたお礼よ。」

拙者の髪をかきあげおでこにキスをする親方様………え!!?

「それじゃあ、また明日部室で会いましょう。」
「は、はい!!」

顔を真っ赤にする拙者を残して魔法陣に入り、グレイフィア殿と一緒に消えて行く親方様………。

「……でこが熱いです…。」

それにしても一体なぜ親方様はあのような暴挙に出たのでしょうか?親方様の実家絡みというのはまず間違いないでしょうが、結論に至るまでの情報が少なすぎます。

「まあ……明日になれば分かりますよね。」

今日はもう遅いので寝ましょう。そう考え布団に入りなおす。
……この時はまさかあんなことが起こるなんて思ってもいませんでした。




Sideoutバジル


「坊ちゃま、ご主人様からのお手紙が届いています。」
「父さんが?……見せろ。」
「はい。」

父さんから手紙?いつもの近況報告にしてはやけに嫌な予感がするな……まあ見てみるか。
封を開けると同時に父さんの死炎印が現れる。これは…この手紙が相当に重要だと言うことを指示している……一体何が?

『一誠へ、この手紙が着くころには既にそちらに付いているかも知れないが一誠を訪ねてくるであろう、女の子を迎え入れてくれないかい?―――』

女の子?一体誰なんだ?
ピンポーン!!

「あ、お客様ですね、少々お待ち下さいね。」
『その女の子の名前は―――』
「初めまして、ユニと申します。」
『ユニ、ジッリョネロファミリーの次期ボスだよ。』




「どうぞ、粗茶です。」
「ありがとうございます……美味しいです!!!」
「あら、ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。」
「羊羹食べる…?美味しいよ。」
「ありがとうございます!!」
「ユニさんはイタリアから来られたんですか?」
「はい、私がいた所は都市からは離れているんですが自然豊かでいいところなんです。」

終始和やかな雰囲気でユニとの顔合わせを行う我が家の女性陣、男である俺は少し入りづらい空気になっているがまあいいだろう。それにしてもユニはいい笑顔をするな……何と言うか周りを幸せにするような……そんな気がするな。

「あ!!そう言えば、イッセーさんに報告してませんでした!!!」
「何だ?アーシア。」
「ラッセー、出てきてください。」

そう言ってアーシアが呼び出したのは青色の小さなドラゴン、あれは………何だっけ?

蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)だ、相棒。)
(流石はカストカゲだな。やはりトカゲのことはトカゲが一番詳しいな。)
(相棒の前ではいかなるドラゴンも威厳を保てんな……この調子ではいつか夢幻すらトカゲ扱いされそうだな。)

夢幻?まあいい、今はアーシアの話を聞いてやらないとな。

「イッセーさんが天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)と戦っているときに私の所に非難して来てそのまま使い魔になってくれたんです!!」
「やるじゃねえか。」
蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)は心の清いものにしか心を開かないのだがな、それだけアーシアの心が清らかと言うことだろう。)

確かに、アーシア程心の清らかな奴はそうそういないだろう。偶に人を吹き飛ばすこともあるが、まあ、あれは大体相手が悪い。基本は誰にでも優しい奴だからなアーシアは。

「イッセーさんの名前と雷から取ってラッセーって付けたんです!!!」
「そうか……。」
「私も…お兄ちゃんの名前からとれば良かったかな…?……フクロウだから付けづらい。」
「ふふ、楽しい家ですね。一誠さん。」
「ふん……。」

別に俺がはそうは思ってねえよ。
まあ、つまらないということはねえけどな。

「やっぱり、坊ちゃまは素直じゃないです。」
「うん…。」
「あうう……私もそう思います。」
「るせえっ!!!」

寄ってたかって俺をいじめんじゃねえよ!!!俺は自分の心に素直に生きてるだけだ!!!俺は素直だ!!!そうだったと言ったらそうだ!!!!!本当だからな!!?

((((((いじめて下さってありがとうございます!!!!!))))))

(てめえらは黙ってろ!!!!!)

これじゃあ俺が苛められて喜ぶような変態に見えるだろうが!!!!!

「ふふふ、あの頃から変わっていませんね……一誠さん。」
「あの頃?」
「いえ、何でもありません。」

…?会ったことあったか?

「そう言えば、まだどういった理由でいらっしゃったのか聞いてませんでしたね?」
「一誠さんから聞いていませんでしたか?九代目様の手紙に書いてあった通り私は一誠さんの―――許嫁です。」

ユニがそう言い放った瞬間空気が凍った……許嫁?……俺の?

「坊ちゃまの……」
「…許嫁」
「ですか?」
「な…何だと?」
「えっと……手紙は読まれましたか?」

読みかけのまま放置していた手紙をすぐさま手に取り目を凝らす、後ろには自分達も何とか見ようと我が家の女性陣が押しかけている。

『一誠には教えていなかったんのだけど実は一誠が四歳の頃にジッリョネロファミリーの現ボス、アリア殿と話して一誠とユニちゃんは許嫁になっているんだよ。因みにユニちゃんの方はかなり乗り気みたいだよ。それと、これはボンゴレ九代目からの命令だよ――――』

そこまで読んで手紙を引きちぎった。

「あんの糞ジジイイイイイッッ!!!!!」
「ほ、本当に…」
「お兄ちゃんに…」
「許嫁が…いたんですね……。」

あの糞ジジイ!!!いつの間にこんな物用意してやがったんだ!!!??
しかも命令だと!!?俺が人から命令されることをこの世で一番嫌っていることだと知っていて書いたのか!!!??気に入らねえ!!!!!許嫁がいたことなんかどうでもいい!!!命令されたことが気に入らねえ!!!!!俺は絶対に従わねえぞ!!!!!例え父親であってもだ!!!!!

「ミランダ、イタリアに飛ぶ準備をしろ。」
「ぼ、坊ちゃま何をしに行かれるのですか?」
「ちょっとクーデター起こしてくる。」
「お待ちください!!!クーデターは流石に不味いです!!!!!」
「止めるんじゃねえ!!……俺はやらねえといけねえんだ!!!」

今ならXANXUSがなぜクーデターを起こしたのかが分かる気がするぞ…!!

「お兄ちゃん…パパとママを傷つけちゃダメ!!」
「良く分かりませんけど、人を傷つけちゃダメです!!!イッセーさん。」
「坊ちゃま、まだ話し合いの手が残されているんです!!!早まらないで下さい!!!」
「くそがっ!!!」

何と言われようが俺は行くぞ!!!俺は誰の指図も受けねえ!!!
俺を従えたきゃ―――力で従わせてみろ!!!!!

「「「っ!!?」」」

傷つけないようにではあるが魔力を解放して三人に離れる様に暗に示す。
すまないな……。

「あの一誠さん……私が許嫁というのがそんなに気にいらないのでしょうか?」

悲しそうに目を伏せてそう尋ねてくるユニ……そうか…そうだよな、はたから見てたらユニの事が嫌いだから嫌がってるように見えるな……そういうわけでイラついてるんじゃないんだけどな。

「てめえがどうこうじゃねえんだよ……俺は命令されたことにムカついてんだ!!!だから、てめえが嫌ってわけじゃねえんだ。むしろ………てめえのことはき、嫌いじゃねえ!!!」
「え?」
「に、二度は言わねえ!!!」

ああ、顔が熱い!!!空調効かせろよな!!!!!

「解説しますと坊ちゃまはユニ様のことが好きだと言ってらっしゃるのですよ。」
「そこまでは言ってねえよ!!!!!」
「一誠さん…あの…その…あ、ありがとうございます。」

顔を真っ赤にして俯くユニ……べ、別に可愛いなんて思ってなんかないぞ!!!

「ちっ……興がそがれた。クーデターは無しだ。」

だからと言って父さんの命令を飲む気はない。あくまで方法を変えたにすぎない。
それに苛立ちが収まったわけじゃねえんだ。俺の人生中でも三本の指に入る位にはイラついている。この先一か月はこの苛立ちは収まらないだろう。もしこれからさらに俺をイラつかせることが起こったらどうなるかは俺にも分からない。

取りあえず俺をイラつかせた奴は間違いなくカッ消すだろうな―――灰すら残さずにな!!!




~おまけ~


「お休み…お兄ちゃん。」
「お休みなさい、イッセーさん。」
「お休みなさいね、一誠さん。」
「…………………おい、なんでてめえら揃いも揃って枕を持ってさも当然のように俺の部屋にいるんだ?」

「有幻覚の練習してたらベッドが爆発したから…。」
「あうう…感謝の正拳突きをしていたらいつの間にかお布団から羽がいっぱい出てたんです。」
「すみません、私、一人だと眠れないんです。」

「だからと言って俺の部屋に集合してんじゃねえ!!!後、クロームとアーシアはベッドの上でそんなことすんじゃねえよ!!!??」
「お兄ちゃん…私…もう眠いの……。」
「ふああ……すいません、私も……イッセーしゃん。」
「すみません、私も移動で疲れたので……隣で眠らせてもらいます、一誠さん。」
「もう勝手にしやがれ!!!」


~おしまい~

 
 

 
後書き
今の一誠をさらに怒らせるような奴なんているのかな?(´・ω・) 
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