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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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諦めましょう

<ラダトーム>

「よくぞ戻った勇者アルルとその一行…そして勇者オルテガよ!」
目の前には満面の笑みのラルス1世が玉座に座っている。
リュカは何時もの事ながら、アルル等も今回は傅くことなく疲れた表情で立ち呆けている。
何故ならアルル達が謁見の間へ到達するまでに、かなりの騒ぎが巻き起こったからだ。


アリアハンに帰れなくなり、致し方なくラダトームの町に凱旋したアルル達…
特にイヤイヤ町の入口を潜ったオルテガに、ラダトームの町民達が一斉に群がってきた!
長きに渡る暗闇の世界から、急激に太陽が輝く世界へと豹変したアレフガルド。
その事態に大魔王討伐へ向かった一行が、その役目を全うした事を知り、それがオルテガやアルル達である事は直ぐに知れ渡った。
そんな中、颯爽(町民等視点)と凱旋してきた勇者一向に、感謝と尊敬の気持ちを含んで、皆が群がってきたのだ。

入口付近から一向に動けないアルル達…
すると今度は城から近衛騎士隊が現れた。
勇者一行凱旋の報を受けた国王が、何時まで経っても自分の前に現れない彼等に業を煮やし、直属の近衛騎士隊を派遣し事態の進展を計った。
すると辛うじて人集りを遠ざける事が出来、アルル一行のラダトーム城への道が開かれたのだ。
町の入口から城までのメイン通りを、大勢の人々が両サイドに垣根を作る形で…

それはまるで一大パレードだった!
ラダトーム中の人々が、世界を平和にした勇者達の姿を一目見ようとメイン通りへ押し寄せる。
勇者と呼ばれるアルル・オルテガ・ティミーには、大魔王を倒したのは自分であるという実感など微塵もなく、ただ恥ずかしいだけの凱旋パレード…
楽しんでいるのはリュカとマリーとラーミアだけ…
後の者は居たたまれず俯いて歩いている。(なお、オルテガは別の理由で)

城にたどり着きホッとしたのも束の間…
今度は城勤めのメイド等が大挙して押し寄せ、アルルやアメリアを押し退けオルテガに群がって泣き喜びだした。
間違いなくオルテガが手を出した女性等なのだろう…
押し退けられた(アメリア)は、その女集りを憎らしい目で睨み拳を握り締める。

「アメリアさん…(ごにょごにょ………)」
そんな彼女にソッと耳打ちしたのはビアンカ。
彼女からのアドバイス(?)を聞くなり、(アルル)の手を取り…そして盾にするかの様に自分の前方に付き出して、夫へ群がる女集りへ突入する!

(アルル)を使い女集りを突破したアメリアは、周囲に見せつける様にオルテガへ熱烈な口吻を披露した。
そう…オルテガの妻は私だ!と言う様に。
これはビアンカが夫を他の女に奪われない様に、普段から行っている行動であり、アメリアへ耳打ちしたアドバイスの結果でもある。
なお、盾にされた(アルル)は結構ボロボロである…



そんな数々の苦難を突破し、ようやく辿り着いたラルス1世の目の前…
勇者オルテガにとっての最後の難関が待ち構えていた。

「よくぞ戻った勇者アルルとその一行…そして勇者オルテガよ!」
帰還の報を聞いてからかなりの時間が経過したにも拘わらず、満面の笑みで迎え入れるラルス1世。
傍らにはまだ目立っていないお腹を愛おしそうにさするローリア姫の姿も…

「よ、よう…大魔王を倒して…も、戻って来たぜ!」
オルテガはラルス1世と向かい合い、右手を軽く上げ引きつった笑顔で帰還を告げる。
「オルテガ様…ご無事で何よりですぅ!」
瞳を潤ませたローリアが可愛らしくオルテガの無事を喜んでいる。

「あ~…うん…き、聞いたよ…その…お、お腹の子供の事…」
「はい!私、オルテガ様の子供を授かりました!私…嬉しくって…」
居たたまれないオルテガとは対照的に、歓喜で涙を流すローリア姫…
誰もが胃が痛くなる思いで佇んでいる…リュカ・ラングストン・マリーとラーミアは別だが…

「そ、その事で…大切なお話があるんだよね!うん…あるんだよ!!」
「皆まで言うなオルテガ…王位継承者の父親になるのだ…我が王家の一員として迎えようぞ!」
もうオルテガとローリアを結婚させる気マンマンのラルス1世。
孫の名前も考えてそうだ…

「お、王家の一員!?ば、バカ言うな…俺は平民だ!王族になる気も貴族になる気もサラサラ無い!何より俺には妻がいる。心の底から愛しているアメリアがいるんだ!子供の父親にはなるが、夫にはなれない………申し訳ないローリア…」
ローリアに対しては気を使いながらも、ラルス1世に対しては自身の気持ちをハッキリ突き付けた。

「ふ、ふざけるな!ワシの娘を孕ませておいて、その責任を取らないと言うのか!?」
「そ、そうなりまス…」
「そんな事が許されると思っているのか!?」
「……し、知るか!さっきも言ったろ…俺は既に結婚してんの!ほら、愛しの妻…アメリアだ!」
当然の如くキレるラルス1世に、逆ギレするオルテガは側にいる妻を見せつけ自慢する。

「俺は彼女と結婚してて、娘もいる!そんな2人を守りたいから、単身大魔王討伐に旅立ったんだよ!もう差し違えるつもりで挑んだワケ…だから生きて還るつもりは無かったんだ…」
(アメリア)を抱き締め、そしてやはり側にいた(アルル)も抱き締め、自らを犠牲にするつもりであった事を告白する。

「娘が仲間を引き連れて俺を追ってきてくれなければ、間違いなくゾーマの城で死んでいただろう…そんな俺に責任を取るつもりなどある訳ねーだろ!死ぬ前に美女達と、やりまくってただけなんだから!」
折角前半は良さ気な話で進んでいたのに、後半は完璧に軽蔑物の本音を語るオルテガ殿。
もうリュカ・ラングストン・マリーの笑いが止まらない。

「私からもお願いします。勇者オルテガは決死の覚悟で挑んだのです…ですから、その覚悟の為のやむを得ない事だったと思って、諦めては頂けませんか?」
話に割り込んできたのはルビス。
約束通り何とか口添えをしようと頑張っている。

「な、何だお前は!?関係ない者が口出しするでない!」
彼女の正体を知らないラルス1世は、この状況と相俟って些か横柄な態度で女神へと接する。
「わ、私はルビス…この世界を創造した精霊神ルビスです!」
本当はイヤなんだろうが、今回の事態を収束させる為にワザと身分をひけらかす様に自己紹介をする。

「ル、ルビス……? せ、精霊神ルビス…様!?」
その名を聞いて動揺するラルス1世…周囲の家臣等もざわついている。
「ほ、本当にルビス様ですか!?本物の精霊神ルビス様で在られますか!?」
「はい。大魔王ゾーマの力で石像に封印されておりましたが、アルルの活躍により救出されました。それ以後は彼女等と共に、大魔王ゾーマを討伐する旅へ赴いておりました」
国王を始め、皆がルビスの前に恭しく頭を垂れる…が、

「ルビス様…申し訳ございません、いくらルビス様の命令でも、これだけは認める訳には参りません!事は国家の威信に関わる事…跡取りの親が夫婦でないなどと…あってはならない事なのです!」
流石に神の命令でも受け入れられない様だ…と言うより、何人もこの件に口出しは認めない様子だ。

「はい残念ティミー君!お前の作戦は失敗した様だよ」
これまで、この事態を笑いながら見学していたリュカだったが、ルビスのお願い作戦が失敗したと見るや、息子の浅はかさを楽しむ様に口を出してきた。
「くっ…では父さんならどうするんですか!?」
「僕?…そんなの簡単。プランBに移行するだけだよ!」

「「「プランB?」」」



 
 

 
後書き
プランBは私の友人Bとは関係ありません。 
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