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ソードアート・オンライン~紅き疾風の短剣使い~

作者:ジント2
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プロローグ

 
前書き
ハーメルンからここに移転しました。
これからも応援よろしくお願いします。 

 
振り下ろされた片刃曲刀(シミター)がオレの体を捉えた。

視界左上の細い横線が半分を切り、青の安全域(ブルー)から黄色の注意域(イエロー)に切り替わる。

横線――――HPバーと呼ばれるそれは、オレの命の残量を可視化したもの。

HPをゼロにする訳にはいかないこの世界においては、イエロー表示になった時点で全速力で逃げるか高価な転移結晶を使って撤退するのが常識だ。

だか、オレはその常識を無視し、逃げるのではなく目の前にいるトカゲ男―――――レベル82のモンスター《リザードマンロード》が再び攻撃モーションに入るより早く地面を蹴りリザードマンに密着する。

深緑色にぬめぬめした鱗状の皮膚と長い腕、トカゲの頭と尻尾をもった怪物。

何度見ても無駄にリアルだなと思いつつ、右手に持った短剣(ダガー)で敵の心臓―――――クリティカルポイントに突き刺し、そのまま捻る。

「・・・・いい加減に死ねよ」

この世界における戦闘を決定づける最大要素たる《ソードスキル》を使用してはいないが、筋力値による補正と武器の性能、すでに与えていたダメージが合わさった結果、リザードマン頭の上に表示されていたHPバーが一ドットも残さずに消え去った。

断末魔を上げながら真後ろに仰け反り、ガラスを砕いたような音と共にポリゴンとなって爆散するのを見届けたオレは、視界中央の加算経験値とドロップアイテムを一瞥してから腰のポーチから小さな瓶――――――ハイポーションを取り出し一気飲みした。

「・・・・・うえ」

緑茶にレモンジュースを混ぜたような独特な味のこれは、正直に言ってオレの口に合わない。

だが高価な回復結晶を使う訳にもいかないし、普通の飲料系アイテムの回復量などたかが知れているので仕方ないだろう。

口の中の味を誤魔化すために大きく深呼吸してから時間を確認する。

視界右下にある時刻表示は、もう午後二時を回っていた。

とりあえず今日はこのくらいにして早めに街に戻るか。

「・・・・あ~疲れた」

暗い迷宮区を歩きながらぽつりと呟く。

70層に入ってからモンスターの動きにイレギュラーが混じるようになってきたため一回の戦闘における体力と集中力の消耗が大きくなっている。今回の戦闘で相手の攻撃を喰らったのも連戦による疲れによるものだ。

――――いい加減一人で攻略するのも潮時か。

そんなことを考えながら、オレは思い出す。

二年前、このVRMMO、『ソードアート・オンライン』が始まった時のことを。
 
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