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仮想空間の歌う少年

作者:ケンケン4
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12ーsugary scene

 
前書き
タイトルの意味は『甘い場面』
…察して下さい。
それでも問題ないぜ!という方はどうぞ! 

 
「イップス⁉︎」

ログアウトして雪宮病院にきた僕と同じくログアウトして僕と待ち合わせた詩乃は僕が歌を歌えなくなった原因について父さんから診断を受けていた。

「ああ、おそらくこれはイップスだろうな。…佳。イップスの要因は何か分かるか?」

原因?確か…
僕は勉強した知識を披露する。

「えっと…イップスは主にテニス、ゴルフなどで極度の緊張状態によって自分の身体能力を出せない状態…じゃなかったけ?」
「そうだな。」

父さんが腕組みしながら話す。

「おそらくこれは…ゲーム内にあったプレーヤーに恐怖を抱き。それが原因で極度の緊張状態におちいったんだろうな。そして歌を歌おうとしても緊張状態…つまり自分の歌声を忘れてしまっているという事だろう。」
「なるほど…」

僕はある程度納得したが。詩乃が父さんに質問する。

「どうすれば…佳の歌声は戻りますか?」
「簡単だ。…緊張状態を解放すればいい。様はリラックスだ。分かるか?」
「…自分ではリラックスしてるつもりなんだけどな…」

僕はため息をつくと父さんは笑いながら。

「自分では気づかないものさ…と、さてもう出ていいよ。」

僕達は診断室から出て行こうとするが。

「ああ。詩乃ちゃんはちょっと待ってくれ。」
「…?」
「しーの!外で待ってるね。」

そうしてさっさと出て行く佳。
バタン。
とドアが閉じると佳のお父さんが話し始めた。

「さて、今後の佳の状態だが…詩乃ちゃんによって変わってくると思う。」
「私によって?」

私が?佳に?

「さっきの問診で分かったんだが…佳は詩乃ちゃんの事をとても大切にしてるみたいなんだ。…そしてとても信頼している。」
「…」

私は何も言わずただ聞いている。

「女の子にこう言うのはおかしいが…佳を頼む。あいつは今、助けが必要だ。
どうやら二重人格は詩乃ちゃんのおかげで『僕』に統一できたが今回のイップスも詩乃ちゃんが重要になってくるだろう…
だから。頼む。」

佳のお父さんは真面目な顔で私に話していた。しかも最後には頭を下げて。いつもはニコニコしている人なのに…
私は小さく頷き。

「私に出来ることなら…!」
「それと…」

佳のお父さんは私の肩に手を置き。

「詩乃ちゃんもあまり無理はするなよ。発作はまだ続くんだから。」
「はい。」

私は少し身震いしながらも病室を後にした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「終わった?」
「ええ。」

僕は詩乃が来るのを待ち。僕は待ち人を来るのを確認して僕達は病院を後に、出発した。

「君の声が聞こえる帰り道♪僕はきみをみていたんだ♪」
「…詩乃?」

なんか詩乃が歌を歌い始めた。…なに?この歌?

ー君の声は遠くて。それでも近くてー

ーそれでも君が好きなのはー

ーこの想いが強いのなら、僕は傷ついても大丈夫ー

「この歌。佳好きだったわよね?…佳の様に甘くはないけどね。」
「…」

うん。分かってる。この曲は僕の好きなバンドの1番好きな曲だ。

「へえ、覚えたんだ!」
「…だから。」

そっと僕の耳元に、内緒話をするように

「早く…一緒に歌える様になってね。」

僕は少し…いやとてもドキドキしたが、ギリギリ笑顔で。

「分かったよ。」
「…にやけてるわよ。笑顔で隠し切れてない。」
「あいたっ!」

詩乃はクスッと笑うとデコピンしてきた。僕はムスーとしながら。

「何?さっきの仕返し?」
「それはまた今度。これはこれ。あれはあれよ。」
「僕が言うのもおかしいけど…訳分からない。」
「佳が分からない様にしてるの。」
「ふーん…なら。」

僕はいきなり詩乃の手を握る。

「んじゃ、さっきのデコピンの仕返し!これで帰ろう!」
「えっ!」

少し詩乃が恥ずかしがってる。僕はさらに指と指を絡ませる。

「な、なんで⁉︎こ、恋人握りなのよ!」
「これはこれ。あれはあれ!だよ?」
「〜‼︎」

僕は今だに恥ずかしがってる詩乃を見て少しエスコートするように歩き始めた。

「ねえ、詩乃!」
「何?」

僕は少し…いや笑顔で。

「僕、今が…楽しい!」
「そうね…。」

夕焼け空がそんな手を繋いで帰る2人を照らしていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「BOB作戦会議。始めよう!」
「え?」

僕は今詩乃の部屋で勉強をしていた。もちろん詩乃といっしょに。
え?もちろん将来は医師になるつもりだよ?だって一応院長継がないといけないしね?目標は歌える医師!

「勉強はいいの?」

詩乃が心配そうに言ってくるが…

「大丈夫!僕の模試の成績偏差値オール60だよ?2年間勉強しないで。だから大丈夫だよ!」
「そういえば佳は昔から勉強しなくても偏差値良かったわよね…」
「目に焼き付ける蛇がいるのかな?」
「は?」
「いや、何でもない。それより…」

僕はごほん。と咳払い一つすると。

「今回はアレだよね?30人の中から頂点を決めるというサバイバル形式の大会だよ!」
「知ってるわよ。」
「だったら僕と詩乃が組んで倒せば。かなり楽に倒せるという訳だよ!以上!作戦終わり!」

僕はいつもの笑みで詩乃を見る。だけど詩乃は少し顔が暗くなり。

「私は…」
「『あの世界で頂点に立てば今の弱い自分から強くなれる。だから佳の申し出は遠慮しておくわ。』
…って言うよね?」
「…」

詩乃は驚いた顔をするが僕はため息を少しつき。

「あのね。確かに詩乃は銃であの男を撃ったけど殺したのは僕だよ(・・・・・・・・)?だから僕も共犯者なんだよ?だから…」

僕は一つ間をおいて。

僕達(・・)が強くなれば良いんだよ?僕も強くなりたいんだよ?」
「佳…」
「それに…その…あれ!付き合ってるんだから…その…もうちょっと…僕に頼れ…というか…。」

ありゃ?言葉にできない。少し顔が熱い。

「ふふっ。」

詩乃は少し笑うと僕に、

「頼りにしてるわよ。…そんなおどおどでも。」
「なんだと!」
「ほら?勉強続けるわよ?」
「あ、ちなみに詩乃。その三角関数の問題sin60°じゃなくてcos60°でやった方がやりやすいよ?遠回りで数問まちがえてるよ?」
「ハイ。」

僕は今日何回目かになるため息をつくと同時に詩乃の勉強を見始めた。 
 

 
後書き
作者「さてさて…次は。」
スノー「次は?」
スノー&作者「「コラボ編‼︎でーす‼︎」」
スノー「本当に?今回は?」
作者「今回はね…紅い皇帝とそのヒロインさんとのコラボだよ?」
スノー「ということは…あの人!という訳で!」
スノー&作者「「次回もよろしくお願いします‼︎」」
 
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