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ガールズ&パンツァー もう一人の転校生

作者:stk
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代表?

『続いて、戦車道、全国選抜大会の出場権を獲得した学校が決まりました。まずは北海道代表、プラウダ高等学校。東北代表、国立白河女子高等学校。北関東代表、県立大洗女子学園、南関東代表、聖グロリアーナ女学院。東海代表、修善寺女子高等学校。北陸代表、ルール女子工業高校。北近畿代表、広島歴史高等学校。南近畿代表、京都歴史高等学校。山陰代表、島根中央高等学校。山陽代表、下関高等学校。北四国、ヴェネツィア高校。南四国代表、香川高等学校。北九州代表、サンダース大付属高校。南九州代表、黒森峰女学院。となりました。』
この番組は何を言っているの?
大会出場停止の黒森峰が南九州代表なんて、私はテレビの前で1人考えていました。
はやはなにも感じていないようだけどこれは以外とおかしなことなんだよ。
それにしても連盟は何を考えてるよ!
「梨華。そんな怖い顔して、どおしたの?」
「えっ?そう?」
気付かなかった。
私はいま、そんな顔をしているんだ。
でもそうなるかもね。
だってこれはおかしすぎる。
「はや、はやはおかしいと思わないの?」
「なにが?」
本当にわからないのかな?
それともとぼけているの?
「黒森峰は全ての大会において出場停止のはずなのに、代表になっているんだよ」
「それはわかるけど、南九州の強豪って言ったらあそこ(黒森峰)しかないからじゃない?」
たしかに。
「それに間違ってると思うなら私たちの手で倒せばいいと思うけど?」
それもそうだね。
はやの言う通り、間違っているなら私たちの手で倒せばなんのこともないじゃん!
「梨華。今まで聞いたことなかったけど、どうして黒森峰をそこまで嫌うの?」
黒森峰を嫌っているわけではないけど、周りから見ればそう写るのも仕方がない。
でも嫌いなわけではない。
ただ単に苦手なだけ。
「はやもいつか分かるよ」
「梨華。少しくらいヒントがあってもいいんじゃないの?」
「経験が教えてくれるよ」
こう言うのは誰かに教わるより自分で経験するのが一番だよ。
「そんなことよりはや、次の対戦相手の情報は無いの?」
たしか、対戦相手はルール工業だったはず。
そこまで強い相手ではなかったはずだけど。
多治見が負けるのは予想できていたけどね。
でもあんなにあっさりと負けるとは思わなかったよ。



試合が始まり、多治見大附属高校はフラッグ車を物陰に隠したのだが、他の戦車が攻撃しているところに回り込もうとしたルール工業の戦車がフラッグ車を発見。
砲棟を回転させて反撃しようとしたが、塀にあたり回らず、そのまま砲弾をくらい行動不能になり試合終了。
いつもの多治見大付属高校ならこうもあっさりと負けることはなかったかもしれない。



「私から見るとルール工業はミスというミスはなく、作戦をほぼ完璧にこなしているということなので結構手強くなっているのかと思います」
「なるほど。それだとどうやって相手にミスさせるかが重要だね。そのあたりはなにか考えある?」
私の考えを言ってもいいのだけど、それだけだとつまらない。
なら、はやの意見も聞いてみようかなと思ったんだ。
「私なら二車行動を行い敵の情報を集めたあとに、敵を撹乱し、誘導。一気に方をつけます。その際に相手の作戦を考慮し、敵戦車を残りの戦車で包囲します」
包囲作戦か。
たしかに強豪以外ならば通用するかもしれない。
でも、今のルール工業は波に乗っているから通用しないだろう。
でも今回ははやの作戦で行くんじゃないかな。
なぜかって、それはね、戦車に乗っている経験が少ない人が多いからだよ。
経験が長ければ長いほど高度の作戦を実行できるけど、まだ大洗のメンバーでは頼りない。
それなら簡単かつ分かりやすいこの作戦を行うだろう。
「まぁ、それでいいも思うよ。いまはね」
「今はですか。梨華はどう考えているのですか?」
私の考えを聞くの?
教えてもいいけど、これも先程と同じで
「経験が教えてくれるよ」
「またですか!」
そろそろ自分でも考えて、もっと高度な作戦を考えてみてよ。
私なら、まずはフラッグ車を安全なところまで避難させておいてから、無線傍受を行い、相手の作戦がわかる次第、各車に報告し、その上で的確な指示を出す。
もちろんフラッグ車単体を残すわけにもいかないので、1両を付けとく。
包囲などはしてこないと思われるから、こちらは居場所のバレないように物影から攻撃する。
その隙に1両をフラッグ車探索に向かわせ、単体なら撃破を命令し、複数ならば合流したから一気に方をつける。
こうすると思う。
それには数多くの経験と機動力が必要だから、今の大洗では到底無理な話だけどね。
でも、私の考えをいる間にはこれくらいできるようになってほしい。
とくにみほを含むアンコウチームにはね。
でないと来年の楽しみがないしね。
なぜかって、そりゃ~決まってるでしょ。
私たちが来年戦いたいからだよ。
それ以上でもそれ以下でもない。
やっと好敵手になれる逸材が集まったんだから来年こそは楽しませてもらいたい。
「それで、次の試合はみほの指示を聞くのですか?」
「そうすると思う?」
「私としては、たまにはいいのではないかと思うのですが」
まだまだ甘いね。
「答えはノーだよ。はやも気付いてよ」
まだまだ従うには至っていない。
私からしてみればだけどね。
そのくらいになるのを待っているよ。 
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