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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語

作者:マルバ
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SAO編 主人公:マルバ
  ■第四十話までのあらすじ

 
前書き
あまりにも久しぶりの更新なので、今までの流れをさらっと確認できるようにあらすじを用意しました。 

 
■第一部 はじまり
 マルバは交通事故で右半身の自由を失い、その苦しみから逃れるように仮想世界に浸りこんだ。彼は仮想世界で自由に動く身体を手にしたものの、今度はSAOの世界に囚われてしまう。多くのプレイヤーが始まりの街にとどまる中で、彼は単身ソロプレイヤーとして迷宮攻略に乗り出した。

■第二部 ありふれた冒険譚
 チャクラム(投剣)と短剣の二刀流。一風変わった戦い方をするマルバだが、攻略組の中で目立った活躍はなく、ただ漫然と攻略を続ける日々を送っていた。それは相棒の使い魔『ユキ』を手にいれてからも変わることはなかった。攻略の一環として、攻略組を目指すギルド『月夜の黒猫団』に戦闘の手ほどきをしたりするものの、相変わらず彼はただ自分が攻略組であるためだけに攻略を続けるのだった。

■第三部 二人は出会い、そして
 マルバは武具の強化素材を取りに行った森で、使い魔を失った中層プレイヤーのシリカに出会う。ビーストテイマーであるマルバは、使い魔を失った彼女を放っておくことはできなかった。マルバはシリカに協力し、プネウマの花を取りに行く手助けをすることにした。
 マルバはシリカが自分の妹に似ていると言ったので、シリカは彼の妹のことが気になっていた。プネウマの花を取りに行く道中、彼にそのことを尋ねると、マルバは彼の妹『葵』について話し始めた。――自分のせいで兄に怪我を負わせてしまったと嘆く、かつては仲の良かった妹のことを。
 帰り道、オレンジギルド『タイタンズハント』との交戦で何もできなかったシリカは、強くなりたいと願った。マルバはその願いを叶えるためにあらゆる手を尽くした。ついにマルバとシリカのレベル差がほとんどなくなったとき、シリカは二人でパーティーを組むことを提案する。
 圏外村パニで行われた攻略会議。アスナは強硬策を提案するも、シリカの発言が原因で会議からの離反者が続出し、作戦変更を余儀なくされる。マルバたち離反者の一部はパーティーを組むことになる。一緒にパーティーを組むことにしたプレイヤーの一人は、あろうことか『アイリア』という名でSAOにログインしていたマルバの妹だった。マルバは思わず彼女から逃げ出してしまう。しかしもう一人の離反者『ミズキ』に説得され、彼女と向き合う勇気を奮い起こした。一方のアイリアはシリカと話し、落ち着きを取り戻す。二人はシリカとミズキのお陰で仲直りを果たした。
 マルバ・シリカ・アイリア・ミズキの四人はギルドを組むことにする。名前は『リトル・エネミーズ』。全員がビーストテイマーであることがその名の由来だ。何故かリーダーにさせられたマルバは、副リーダーのシリカと一緒に小さなギルドをなんとかやりくりすることになる。

■第四部 四人で紡ぐ物語
 レッドギルドに追い詰められ、マルバとシリカはやむを得ず二人のプレイヤーを殺してしまった。二人は自分たちがいつの間にか、何を犠牲にしようと互いを守る覚悟を決めていたことに気づく。アイリアはそんな二人の覚悟を理解できず苦しむが、彼女の使い魔『クロ』が一度死んだことをきっかけに、二人の覚悟を少し理解することとなる。
 彼ら四人の冒険は続く。キリトと共に七十四層のボスを撃破し、ヒースクリフとデュエルを繰り広げ。彼らはこんな冒険がまだまだ続くものだとばかり思っていたのだが……

■第五部 壊れゆく世界
 七十五層の斥候戦に参加したプレイヤーが一人を残して全滅した。卑怯にも他のプレイヤー全員を囮に使って生き残ったそのプレイヤーの名は……マルバ。彼は自分のためではなく、シリカのために生き延びたのだった。マルバはどちらかが先に死ぬことを恐れ、シリカに結婚を申し込む。かくして二人は永遠の誓いを交わした。
 第七十五層ボス『スカルリーパー』の強さを目の当たりにしたマルバは、一ヶ月ほど全プレイヤーがレベリングする時間を作ることをヒースクリフに提案した。こうして時間に余裕ができたため、マルバたちはリズベットからキリトとアスナの二人も結婚した話を聞き、みんなこぞって二人をからかいに行くことにした。しかしそうして軽い気持ちで訪ねたキリトとアスナのログハウスで、彼らは信じられない光景を目の当たりにする。HPバーを持たず、しかもかなり幼いプレイヤー『ユイ』。彼女を連れ、皆は始まりの街の教会へ向かう。
 シンカーが閉じ込められた狭い安全地帯に隠されたシステムコンソール。一見黒い石にしか見えないそれに触れたユイは全てを思い出した。ユイはこれまでどおりキリトとアスナの娘であることを望み、その望みは叶えられた。
 ユイたちが落ち着いたことを見計らって、ミズキはユイに仕事を頼んだ。それは、ミズキ自身のカウンセリング。交通事故で前向性健忘を患ったというミズキの話を聞くうち、マルバは衝撃的な事実に気づいてしまう。マルバの右半身が麻痺する原因となった交通事故……それを引き起こした軽トラックの運転手『翠川瑞樹』とは、今マルバが信頼を寄せる仲間である――ミズキ、その人だった。
 俺のせいでマルバはここSAOに閉じ込められた――そういって自分を責めるミズキは、かつて自分を責めていたマルバの妹『葵』、つまりアイリアに似ていた。マルバは、その時の葵に言いたくて言えなかったことを、言えなくてずっと後悔していたことを、ミズキにはしっかり伝えた。――自分はミズキを責めていないから、自分を責めるのは止めてほしいということ、ミズキとここで会えた喜びを否定しないで欲しいということを。


■登場人物一覧
 ○マルバ………主人公。交通事故の後遺症で右半身に麻痺を負う。怖いのが苦手。
 ○シリカ………言わずと知れた原作ヒロイン。
 ○アイリア……本名は葵。主人公マルバの妹。交通事故の時、マルバに命を助けられた。怖いのが苦手。
 ○ミズキ………本名は瑞樹。姓は翠川。マルバを軽トラックで撥ねた張本人。
 
 ◇ユキ…………マルバの相棒のウサギ。毛玉。
 ◇ピナ…………シリカの相棒の小竜。回復が得意。
 ◇クロ…………アイリアの相棒の子猫。出番が少ない。
 ◇フウカ………ミズキの相棒の鷹。状態異常回復係。出番最多。
 
 ●コーバッツ…シリカと因縁のあるプレイヤー。実はいいやつ。
 ●キリト………つよい。デュエルによるとマルバ<キリト<シリカ。
 ●アスナ………つよい。マルバとシリカとは攻略会議でぶつかりあったことがある。 
 

 
後書き
明日、新しい話を公開します。 
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