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ソードアート・オンライン 咎人が背負う運命

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罪の代価と代償

 
前書き
2人の少年少女の道は険しく虚しい。
それでも少年達は前に進み終わらせる。
仮想世界 ソードアート・オンラインを 

 
少年は罪を忘れ生きる事を恐れた。
自分の犯した罪が皆の記憶から消されて無になっても罪を忘れて生きるのは嫌だ。
前を向き振り返り立ち止まる。
それの繰り返しが俺の進む道だと俺は思う。

「当たれ!!」

少女の剣が俺の頬を掠める。
更に連続で鋭い突きを繰り返す。

「すいません。
ちょっと忙しいので攻撃を中止してもらえますか?」

鋭く速い突きを躱しながら普段通りに話す。
だが、目の前の少女は俺の言葉を無視し攻撃を続行する。
速く鋭い突きは全て俺を掠めHPを徐々に徐々に減らして行く。

「あの〜〜〜〜〜〜〜?
攻撃を中止してくれませんか?」

普段通りに話すが少女の行動は変わらない。
鋭く速い突きを繰り返すだけで俺の言葉は全て無視だ。
別に実力行使で目の前の少女を止める事は可能だが余計な戦闘は出来るだけ避けたい。
よって俺は剣を構えず少女の突きを躱すだけ。

「当たれ当たれ当たれ!!」

「当たってますよ。
全部、俺に当たってますよ」

少女は叫び荒れ狂う。
剣の突きは更に速く激しくなり回避が困難になる。
だが、全て俺を掠めるだけだ。

「避けるな!!」

少女は一歩後ろに下がり剣を力一杯に突き出す。
今迄の少女の攻撃の中で一番威力が高く避けにくいと俺は判断する。
俺は鞘から剣を引き抜き少女の突きを弾く。

「勝ち目が困難の対人戦は止めた方がいいよ。
死んだら現実の自分も死ぬんだから」

俺は忠告した。
仮想世界の死は現実世界の死でもある。
慎重に臆病に生きるのがこのゲームの基本だ。
だが、少女は止まらない。

「君は死にたいの?」

少し少女の動きが止まった。
一瞬止まった姿を見て疑問に思ったが少女は動き出し攻撃を続ける。
突きの威力が下がった。
俺の一言で威力は先程の攻撃に比べると半分以下だ。
だが、何故か剣の突きの速さは変わらず。
いや、前より数段早くなっている。

「俺は死にたくない。
だから攻撃を止めて俺に関わらないでくれ」

俺の心からの本音だ。
だが、少女は剣を振り突き止めない。

「お前が、、、、、殺した」

少女の声が俺の心を揺さぶる。
慣れている筈なのに少女の声が俺の中で何度も響く。

「お前が、、、、、、死ねば、、、終わる!」

俺は少女の攻撃を防ぐ事を止めた。
目の前の少女の攻撃を全て受け、俺は混乱した。

「死ね!死ね!死ね死ね!!!」

少女の怒涛の攻撃が俺の体を貫きHPを減らす。
腹を貫き足を貫き腕を貫き肩を斬り、少女の攻撃を全て受け入れた。
少女の突きは更に速く鋭い。
最初に不意打ちとして使った突きとは比べ物にならない速度の突きが俺を貫通する。

「お前が死ねば!!」

少女の攻撃が徐々に徐々に遅くなる。
先程は徐々に徐々に速くだったが今度は徐々に徐々に遅く。

「死んでよ!!!
化け物!!」

彼女の渾身の一撃が俺の喉を貫通した。
仮想世界の体なので痛みは感じないが喉に何か違和感を感じ気持ち悪い。
だが、俺は動かない。
動けないと言うのが正しいが。

「返してよ返してよ返してよ!!!!」

喉から剣を勢いよく引き抜き少女は攻撃を続行する。
少女の攻撃は無我夢中でとても人を殺す為に剣を振っているとは考えられなかった。
初めて剣を握った殺人鬼、それが少女に相応しい褒め言葉かな。

「死んでよ死んでよ死んでよ死んでよ死んでよ!!」

少女は倒れ込んだ。

「ごめん。
今は死ねない」

少女の攻撃で俺のHPは減った。
だが、減ったと言っても全体のHPの1%に満たないダメージ量が少女が俺に与えたダメージ量だ。
少女の攻撃で失ったHPは一瞬で満タンになり少女の労力は全て無駄となった。

「ば、ば、化け物。
お、お、お前は私が、、、、こ、ろ、、、す」

少女は最後まで剣を俺に突き立て黙り込んだ。
俺を殺す為に寝る時間を省いてレベル上げに専念したのだろう。
俺との交戦と疲れが重なり少女は眠りの世界にダイブした。

「俺を殺すなら攻略組を連れて来て一斉に攻撃しろ」

何度も言った言葉だ。
俺は殺されても文句が言えない大罪を犯している。
俺自身も罪を認め殺されても文句は言わないし言うつもりも無い。

「君が俺を殺しても俺は文句は言わない。
俺の犯した罪が、どれだけ深く重いのか俺が一番理解してる」

少女には俺を殺す権利が有る。
俺の罪が少女の大切な人を殺した。

「謝っても土下座しても許されない事は百も承知だ。
でも、謝らせてくれ」

名も知らない少女に俺は頭を下げる。
謝っても許されない。
解っているが俺が出来る唯一の事だ。


 
 

 
後書き
久しぶりの投稿です!!
感想が聞きたいのでコメント下さい!! 
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