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機神呼嵐デモンベイン

作者:ハイド
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第二部『The OMEN ~魔神降臨!大導師、マスターテリオン登場だゾ!~』
  第6話「誤解を招く言い方と変な妄想は程ほどに」

 
前書き
どうも、ハイドです。
今回は、マスターテリオンと神之介が初邂逅となります。
後、ちょいと下ネタありです。
それではどうぞ~。 

 
Side 神之介
-アーカムシティ 『黒い仔山羊公園』
「御免ねー、しんちゃん。他の依頼で忙しいのに来てくれて」
「ああ、大丈夫だゾ。気にしないで」
 現在オラは、近所のおばちゃんの依頼で、ここ『黒い仔山羊公園』でゴミ拾いをしている。・・・確かに、姫ちゃんとこの依頼も大事だが、だからと言っていつも受けているこういった依頼をむげに断るのも少し後味が悪い。
「よし、終わり・・・「おーい神之介ー。こんな所におったのか」!?」
「あら、誰かしら?しんちゃんの知り合い?」
 ゴミ拾いを終え、さぁ報酬を貰おう・・・ってな時にアルの声が聞こえてきた。・・・あの古本娘、家に居ろって言ったはずなんだが・・・。それにアルについておばちゃんが問いかけてきたし。下手に返事を返して、変な噂が流れてはまずい・・・。
「う、うん。し、親戚の子だゾ。預かってくれって頼まれたんだ。報酬はオラの銀行の口座に振り込んでくれるといいから・・・じゃ、そういう事で!!!」
「あ、ちょっとしんちゃん!?」
 問いかけにそんな風に答え、オラは逃げるようにアルを連れて立ち去った。

「テメェ・・・何でココに居やがるんだ!家にいろって言ったはずだけど!?」
 公園から遠く離れた場所・・・、そこで止まりアルに問いかける。
「何でって、魔導書は魔術師と共にいるのがあたりまえだと言ったろうに」
「おいおい、何度も言ったろ?オラはお前の主になれないって。ホントもう諦めろよ、ギブアップしてくれよ」
「だが断る、妾はティンダロスの猟犬よりもしつこいからの」
 こいつ・・・オラの言う事なんざ何処吹く風だ・・・。
「おティンティンの猟犬ってとかやだそれ卑猥」
「妾が何時、ティンを二回連呼したッ!?ティンダロスだ!ティンダロス!!!」
「ん~・・・良く分からんが・・・まぁ、どうでもいいや」
 ため息をつきながら黙って歩く。こうなったら持久戦だ、何か言っても無視を続ければあっちも諦めるだろう。そう結論付けて歩く。目指すはナイアさんの古書店。彼女を説得して早く別の魔導書を見つけなければ・・・、怒りでスーパー○イヤ人になった姫ちゃんに半殺しにされかねないあの時の姫ちゃんはみさえ並みにやばかった。
 まぁ、とりあえず古書店へと向かおうそうしよう。

-てな訳で、ナイアさんの古書店があるところへ向かったのだが・・・。
「アレ?」
 たどり着いたと思ったら・・・空き地があるだけ。あの古書店は全く見つからなかった。
「オラの見間違いかなぁ・・・」
 一応、何でも屋だからアーカムの地理感覚とかは自信あったんだが・・・。ちょっとショックである。
「何をしておるのだ?」
「お前には関係ねぇよ。・・・はぁ、あそこなら色々分かると思ったんだけど・・・」
 そんなオラの愚痴を聞き、アルはもしや・・・と言う。
「まだ魔導書を探しておるのか?やれやれ、あの小娘の我儘に付き合う事もなかろうに」
「しゃーねーだろうが。仕事なんだし、アレ見ただろ?姫ちゃんがスーパーサ○ヤ人になったの。あれ、下手すりゃみさえ並みかそれ以上のオーラだゾ。ファイ○ルフラッシュやビックバン○タックだって撃てちゃうゾ。後、みさえってのはオラの母ちゃんね」
「神之介、時間を浪費するのはよせ。時間は刻一刻と迫ってきておるのだぞ」
 この野郎・・・さっきから自分理論で話を進めやがって・・・うんざりした顔でアルに反論する。
「しらねーよ、ンなもん。オラは自分の事で精一杯なんだゾ。お前だってオラに拘るのは時間の無駄じゃないの?オラじゃなくてもっと、使命感や正義感に燃えた人をマスターにするのをオススメするゾ」
「汝を見つけたのだって、奇跡に近いものだ。他の素質のある人間なんてホイホイ見つかる訳なかろう。『書』を持たず、魔術の素質があり邪悪に染まってない人間等汝ぐらいなものだ」
「いや~、それほどでも~。と言いたいけど、しんさんはそんな立派なもんじゃないからね」
 ・・・魔術の世界から逃げたんだからさ。と胸中で付け加えておく。そんなオラの言葉を、アルはふふっと笑いながら続ける。
「謙遜する事はないぞ。汝は妾が思ったよりも強い人間に見えるがな」
「何を根拠にンな事言ってんだよ。とにかく、オラは忙しいから他を当たってくれよ」
「諦めんと言ったではないか」
 ・・・頑固だなぁ。
「あっそ、じゃあ勝手にすれば~?」
 ため息混じりにそう答え、オラは魔導書探しを続行した。

-何でも屋&少女探索中・・・。

「み・・・見つからねぇ・・・」
「だから時間の浪費だと言ったろうに」
 日が西に沈む街中をとぼとぼと、歩くオラ。あの後、裏路地にある怪しげな店に何件か足を運んだものの、収穫は全くゼロだった。もうそろそろ日も暮れるころなので、今日はココまでにしておこう。・・・後の問題は、
「今日の晩飯・・・どうすっかなぁ・・・」
 そう晩飯である。オラには3つの選択肢がある。その3つはこれだ。
A:食材を買って、家で料理をする。
B:レストランで食事を取る。
C:ライカさんのところでメシをたかる。
 まぁ、オラ自身一人暮らしである為自炊は出来るし、覇道からの依頼料を貰って金はあるのだが、今から買いに行くのも面倒なのでAは却下。ならば、Bはと言うと・・・何となくお金がもったいないので却下・・・。となると・・・、
「やっぱライカさんにメシをたかったほうがいいな」
「誰だ?ライカって」
「オラの知り合いのシスターだゾ。作るメシ美味いしー、美人だしー、ボンキュッボンなんだよね。っと、そうと決まれば出発しんこーナスのぬか漬けー」
 アルにライカさんについて説明して、オラ達はライカさんの教会へと向かった。

-ライカの教会。

「ほっほーい。ライカさーん、ごはーん」
「うわーい、何かここでご飯食べるのがさも当たり前のようになってるよー。神之介ちゃんは何時になったら真人間になってくれるのでしょうか?」
 入ってすぐにライカさんの毒舌のお出迎え。ああ、耳が痛いぞ・・・。
「うおーい、しんさんは元から真人間ですよー」
「只、近所さんのお手伝いしているだけのニートが何を言いますかッ!そういえば、この子誰かしら?ひょっとして、話に聞いていた神之介ちゃんの妹さん?名前は確か・・・山茶花ちゃんだったかしら?」
「ひまわりな、オラの妹の名前。あと、妹でもありません。つーか髪の色とか瞳の色とかが違うでしょーが。・・・まぁ、何つーかアレだよ。・・・えーと」
 ライカさんにツッコミを入れつつ、何ていおうか思案する。ライカさんのことだ。下手に発言すれば変な想像をするに決まっている。そんな、オラの考えを他所に・・・、
「妾は神之介の所有物だ」
 やらかしましたよ、この古本娘。ピシっと、空気が凍りつく音が聞こえた。ライカさんはガタガタと顔を真っ赤にしながら震えている。・・・ああ、こりゃ完全に勘違いされているな・・・。
「し・・・しししししししししし神之介ちゃん!?前々からそうじゃないかと思ってたけどもしかして・・・」
「ら、ライカさん!?ちょっと待って!?マジで待って!!!違うからね!色々と間違ってるからね!!おいィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!アルぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!そう言う誤解を招く言い方してんじゃ・・・」
「ご・・・ごめんなさぁい、ご主人様ぁ・・・またお仕置きされてしまうのでしょうかぁ・・・」
 ガタガタ震えながらオラを見るライカさんをなだめつつ、アルに詰め寄ろうかしたら、このアルの態度である。コレアレか?オラの人格を確実に奈落へと陥れようとしてんのか!?オイ!
ズザザザザザザッ!!!
 そんなアルのようすを見てか、ライカさんは物凄い勢いでオラから離れる。物凄くおびえた目つきで。
「し・・・神之介ちゃんが遂に本性を・・・」
「おいィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!何、真に受けてんのォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!?つか本性って何!?」
 オラがライカさんにンな突っ込みをしていると、がきんちょ共が帰ってきた。
「ただいまー」
「ライカ姉ちゃんごはんー」
「・・・(てくてく)」
「ッ!ダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!皆こっちに来ちゃダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
 ライカさんはそのまま玄関へと走ると、オラからがきんちょ達を守るかのように抱きしめた。
「ダメよ!皆、今の神之介ちゃんはドSなの!鬼畜なの!ロリコンな上にバイなの!猟奇犯罪者なの!!!」
「うおい!何、がきんちょ達に変な事吹き込んでんの!?」
 ツッコミを入れるオラを置き去りにライカさんは叫びまくる。
「『やらないか?』と甘い言葉でトイレに誘い込まれたら最後・・・。瞳から生気が失われるまでズッコンバッコンするのは序の口ッ!暗い地下室に閉じ込めて、スパンキングにダーク♂潮干狩り!果てはダーク♂おくりびとで苦痛を快楽を与え【余りにAVなすぎるのと長すぎるので中略】とかでほぼイキました☆とかV○N様とかも思わず裸足で逃げ出しそうな神之介ちゃんの脳内は俺は男だろうが女だろうが迷わず喰っちまうんだぜ?みたいなエロエロガチムチナンセンスなの!い・・・嫌ァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!お願い、神之介ちゃん!この子達だけは・・・この子達だけは見逃してあげて!!!」
「オラの事普段からそんな風に見てたんかい!つーか、シスター辞めて小説家になれよ。ソッチ専門のよォ」
「な、何ですって!?シスターをいじめるのも好みですって!?・・・わ、分かったわ!私の体一つでどうにかなるのならッ!!!」
「ンな事誰も言ってねーよ!ってかライカさんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!?あんた何脱いでんだァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!?暴走してんじゃねェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!」
 変な事を口走るわ、何を勘違いしたのか知らないが全裸になろうとするわで、オラの胃はストレスでマッハ。さらに追い討ちをかけるような出来事がっ。
「しんのすけー、ろりこんー」
「ほもー」
「・・・(ガクガクブルブル)」
「猟奇殺人者ー」
「おいィィイィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!?何処でンな言葉覚えたのォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!?後、そこの銀髪娘ッ!何諸悪の根源が一緒になって指差してんだァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!?」
 がきんちょ共&アルからのキツい一言で思わずなきそうになる。何でや!?何でここまで言われなアカンのや!?
「さ、皆ご飯にしましょ」
「「「「はーい」」」」
 いつの間にか料理を運んできたライカさんに返事をしたがきんちょ共とアルは大人しく椅子に着席した。
 ・・・とりあえず、人格やら尊厳やらを陥れられ、悔しいので一言。
「不幸だァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!?」

-それから、数十分かして・・・。

「ふぅん、神之介ちゃんも大変だったのねぇ」
「まーね、分かってくれた?」
 オラはこれまでの出来事を語り、両刀ロリコン調教犯なんていう不名誉なレッテルを貼られずに済んだ。当然、デモンベインに乗り込んで破壊ロボとどつき合いをしたり、町を一部クレーターにしてしまったのは伏せておいた。言っても信じてもらえないからね。
「けど、神之介ちゃん。あの子、随分神之介ちゃんになついてるっぽいからあまり邪険にするのもどうかと思うんだけど」
 ・・・あれ?
「あのー、ライカさん。僕の話ちゃんと聞いてくれてたんでせうか?」
「勿論よ、ああいう年頃は何かと難しいのよ。だからちゃんと見てあげないと」
「あのなぁ・・・、嗚呼見えても、人間じゃなくてアブドゥル・アルハザードって電波受信したキチ○イが書いた魔導書の精霊なんだぜ?年頃でもないし、ましてや齢千年を越すばば・・・」
ドォン!
 言い終わる前にアルが放ったであろう魔力弾を顔面に喰らい、黒こげとなるオラ。
「でも、そのモハ○ド・アブドゥルさんだっけ?彼女のお父さん。もう随分と前に亡くなられてるんでしょう?」
「アブドゥル・アルハザードね。つーか、それ炎のスタ○ド使いだから全然違うから。・・・まぁ、紀元前のずっと昔にだけどな」
「だからきっと、彼女も大変だと思うのよね。だから優しく接してあげなきゃ」
 ・・・誰一人オラの話をまともに聞いちゃくれないゾ。
「神之介ちゃんが忙しいならこの教会で預かってもかまわないし。ほら、新しいお友達が出来るから喜んでるわよ」
 ライカさんの言葉に視線を向けてみると・・・、
「なぁ、それは何なのだ?」
「これ~?『したいごっこ』って遊びだよー」
「しんのすけが教えてくれた遊びの一つなんだ」
「ほう、中々興味深いのぅ」
 アルががきんちょ共と死体ごっこをして遊んでいるのが見えた。・・・何で死体ごっこ?と言うのはおいといて。談笑しながら遊んでいるアルの姿は、まるで背伸びしてお姉ちゃんぶっている女の子のように見えて、ちょっと微笑ましい。
「止めといたほうがいいと思うゾ。教育上に良くないと思う」
「大丈夫よ、大体神之介ちゃんだって半分私が養っているようなものじゃない。ライカお姉ちゃんに任せなさい」
「はっはっは、反論してーけど半分事実だから反論できねーよちくせう」
 春日部の父ちゃん、母ちゃん、ひまわり・・・。落ち込む事もあるけれどオラは元気です。
「ねーねー、ライカお姉ちゃん」
「何かしら、コリン」
 そこへ、がきんちょの一人コリンがライカさんに声をかけてきた。
「『てーそーのきき』ってなーに?」
ずででっ!
 コリンの言葉にオラとライカさんはずっこける。
「・・・い、一体、何処からそんな言葉を・・・?」
「あの子、きのうの夜、しんのすけの部屋で寝てる時の話だって」
 そういって、コリンはアルを指差す。一方のライカさんは顔を真っ赤にしてオラを見ていた。
「し、神之介ちゃんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!や、やっぱりそうなのねェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!?」
「アルぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!てめぇ!ミスカトニック大学に寄付して平和な世界作りに貢献させてやろうかァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!?」
「わー、しんのすけが怒ったー」
「きゃー、汚されるー。助けてママー」
「てめぇ等ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
 アルって言う異分子はいたけど、オラがいて、ライカさんがいて、がきんちょ達がいて・・・何も変わらない平穏な日々。いつもの暮らし、オラが大好きないつもの平穏の日々だった。
 ・・・そう、黄昏とともにアイツが現れるまでは。
コツン・・・コツン・・・。
「ッ!!?」
 教会の外から聞こえる靴音にオラはえもいわれぬ程の悪寒に晒された。まるで、北極に全裸で放り出されたようなそんな感覚が、なんとも致命的で名伏しがたい絶望と共にオラの体を覆っていく。そして・・・、
ギィィィィィィィィィィィィ・・・。
 ドアが開くと共に、その絶望は現れた。・・・それは少年だった。美しい黄金の髪、そして黄金の瞳を持つ少年。誰もがそいつを見つめていた。目をそらす事は出来ない。そらしたら何をされるか分からない。少年が無言のままゆらりと動く。・・・一体何をする気だ!?そう思い、悪寒に耐えながら身構える。次の瞬間・・・、
バタリ・・・。
 少年が何故か倒れた。そして、か細い声で一言。
「め・・・飯・・・」
 沈黙。先ほどまでシリアスだった空気が一瞬で台無しになった。・・・とりあえずこの少年どうしよう。そう思いライカさんに目で訴える。
「とりあえず・・・作っておきましょうか」
「あ、出来ればうどんをお願いします」
「図々しいなオイ!」
 ライカさんの言葉に図々しくリクエストした少年にオラはとりあえずツッコミを入れた。

-暫くして・・・。

「ふぅ、喰った喰った。外に出たのはいいが、道に迷った上に財布を忘れてしまってな。その為、何も喰えなくて困ってたのだ」
「お前馬鹿だろ?忘れたなら取りに戻ればいいじゃねーか」
 爪楊枝で歯を掃除しながら言う少年にオラはツッコミを入れる。・・・コイツ、ウェストとは別ベクトルの馬鹿だ。
「まぁ、元々外に出たのは貴公に会って挨拶する為なのだがな、野原神之介」
 ふ、と笑いながらオラを見る少年。再びあの悪寒がよみがえる。・・・震えが止まらない。冷や汗が頬を伝う。
 前のアホっぷりで忘れていたが・・・こいつは危険だ。オラの本能が警告する。逃げろと・・・だけど体は言う事を聞いてくれない。
「ちょ・・・ちょっと、神聖な教会で喧嘩は・・・」
「待て、女!そ奴に近づくな!!!」
 オラと少年の険悪な空気を察してかライカさんが止めに入る。・・・ダメだ!逃げろライカさん!!!オラがそういおうとした直後だった。
「邪魔だ」
「えっ?きゃあっ!!!」
 少年がそういうと共に、ライカさんに手を振るう。同時に魔力が炸裂し、ライカさんを吹っ飛ばした。ライカさんは礼拝堂の祭壇にぶつかると、そのまま倒れ動かなくなった。
「「「ライカお姉ちゃァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァん!!!!!」」」
 がきんちょ共の声が木霊する。
「ッ!・・・テメェッ!!!!」
 それと同時にはじかれるようにオラは少年を睨みつける。恐怖よりも怒りのほうが上回っていた。
「神之介!逃げろ!!!そいつは拙い・・・拙いのだ!!!」
 アルがそういうが、逃げるわけには行かない。・・・コイツだけは許せない。
「う・・・」
 ふと、ライカさんのうめき声が聞こえた。・・・どうやら生きているようだ。なら、今は目の前の少年に集中するのみ。そんな事を思っていると、少年はさもおかしそうに笑い出した。
「ふふ・・・ふははは」
「何がおかしいんだ・・・テメェ・・・」
 オラは少年を睨みつけながら怒りに声を荒げる。
「始めましてになるな、野原神之介よ。もっとも、余は貴公の事を貴公以上に知っているが」
「・・・何でオラの名を・・・!?」
 問いかけに答えず、少年はオラに手をかざす。かざした手に光が生まれる。
「神之介ッ!!!」
 アルがオラに向かって駆け出す。その間にも少年の手には光が光弾に変わっていた。
「不公平だから名乗っておこう。余はマスターテリオン。魔術の真理を求道するものなり。後、好物はうどんだ」
「何で好物を言ったんだよ!!?」
 少年、マスターテリオンの言葉にオラがツッコミを入れた瞬間、光弾が発射された。
「神之介ッ!!!!」
 光弾がはぜ、閃光が礼拝堂を染め上げる。
「何とか・・・間に合ったな」
「・・・ああ」
 閃光が引くと同時にオラはマギウス・スタイルとなっていた。翼を使って防御した為ダメージはない。安堵しつつ、オラはマスターテリオンを見る。
「マスターテリオン・・・」
 オラは呟きながら、その名の意味を考えた。
 大いなる獣!
 聖書の獣!
 七頭十角の獣!
 ・・・・・・・・・・アレ?このアホがマスターテリオン?財布を忘れて飯をたかるわ、自己紹介の時に何故か好物を言ったこのアホがマスターテリオン?
「マスターテリオンんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!?コイツがあのブラックロッジの大導師!!?」
 マスターテリオンを指差しながらシャウト。うんうんと何も答えず頷くアル。そんなオラ達のやりとりを見ながらマスターテリオンは大げさなしぐさで挨拶をする。
「以後、お見知りおきをマスター・オブ・ネクロノミコン。今日はアル・アジフが選んだ新たな術者を一目見たくてね、こうして伺わせてもらった」
 オラはちらりと背後を見る。そこには、倒れ付したライカさんと涙で顔をぐしゃぐしゃにしておびえているがきんちょ達が・・・。
「ただオラを見に来ただけってんなら。女の子に手を上げるのは人としてどうかと思うゾ・・・」
「女の子?ああ、先程のシスターか。それはすまなかった。余は地を這う虫けらに気をつけながら歩けるほど神経質ではないのでな」
 ・・・こいつ今何つった?
「・・・おい、もっぺん言ってみろ金髪野郎」
「?余は地を這う虫けらに気をつけながら歩けるほど神経質ではないと言ったが?」
-ブチッ!!!
「テメェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!」
 オラの中で何かがキレると同時に、吠えた。そして、弾丸のように飛び出しマスターテリオンの顔面に拳をぶつける。
「ガッ!?」
 それと同時にマスターテリオンは吹き飛び、壁を突き破る。・・・後で、直しておくとして・・・。とりあえず外へ出てマスターテリオンの後を追う。外を出た所で、倒れているマスターテリオンがいた。
「ククク・・・余の防御壁を破って傷を負わせるとはやるではないか」
 そういってムクリと起き上がると、口の端から流れる血を舐めとり、ニヤリと笑う。・・・こいつ、余裕こいてやがる・・・!
「るせぇよ・・・。テメェのその面、笑えねぇようにしてやらァ!!!」
 咆哮と共に、オラは拳を握り締めマスターテリオンへと向かっていった。

-そして、夕暮れの教会で戦いが始まる。

To Be Countenude・・・。 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか?
・・・正直言って、マスターテリオンがどっかの狂乱の貴公子になりかけてるような気がする・・・(汗)マステリファンに怒られないか不安なのデス(じゃあ何故やったし
っと、そんな事はさておき、次回は神之介VSマスターテリオンとの戦いです。乞うご期待。

それでは~(0w0)ノシ 
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