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究極変態スナイパーブリーフ13PART2

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第一章

               究極変態スナイパーブリーフ13PART2
 その日男達は密室で話していた。
 年配の男がだ、若い男に言った。
「ことは隠密にだ」
「進まなければなりませんね」
「あの連中は絶対に秘密を握っている」
「捏造記事の真実をですね」
「あの報道は間違いなく捏造だ」
「あの新聞社の」
「浅墓新聞はあの記事を意図的に事実を捻じ曲げ捏造して書いた」
 年配の男は確信を以て答えた。
「それは間違いない」
「そうですね、しかしです」
「それは間違いないにしてもだな」
「その証拠がです」
 それが問題だというのだ。
「見付かりません」
「記事を書いた記者、餓村だがな」
 年配の男はこの名前を出した。
「あいつを掴ませて吐かせるか」
「そうしてですね」
「捏造の揺るがない証拠を掴む必要がある」
「あいつが持っていますか」
「後はだ」
「後は?」
「浅墓新聞の資料室にあるのかもな」
 記事が捏造である揺るがない証拠が、というのだ。
「あそこにな」
「本社の資料室にですね」
「しかしその証拠を手に入れることはな」
「浅墓に潜り込まないと手に入れられませんね」
「それは難しい」
 到底、というのだ。
「だがそれを手に入れないとだ」
「あの新聞の息の根を止められませんか」
「浅墓は戦後長い間我が国の獅子身中の虫だった」 
 数多くの世論のミスリードと捏造記事を出して多くの者を惑わし内政と外交に悪影響を及ぼしてきた。そして国家と国民を貶めてきたのだ。
「これ以上のさばらせるとな」
「まだ多くの害を為しますね」
「記事を撤回した今こそだ」
「捏造の証拠を手に入れて」
「餓村も捕まえて事実を吐かせてだ」
「倒産、解体に追い込むべきですね」
 つまりだ、その餓村の身柄の確保と捏造の証拠の確保が必要だというのだ。
「ここは」
「そうですね、ではその二つを実行に移しましょう」
 若い男は年配の男に言った。
「是非」
「その通りだ、それでだ」
 年配の男は若い男に応えて彼に言った。
「その二つを同時に実行する為にな」
「我々は何をすべきでしょうか」
「いや、我々は動かない」
 年配の男は若い男にこうも言った。
「政府はな」
「そうですか、我々はですか」
「政府は動けない、若し政府が新聞社にそこまでしたと公になるとな」
「国家権力のマスメディアへの弾圧と言われますね」
「そう言われても厄介だ」
 逆に彼等が糾弾される、それでというのだ。
「だからだ」
「それで、ですか」
「人を雇うことにした」
「人をですか」
「ブリーフ13を知っているか」
 年配の男が出したのはコードネームだった。
「この名前を」
「ブリーフ13、確か」
「そうだ、世界を股にかける凄腕のスナイパーでありエージェントだ」
「その彼を雇ってですか」
「餓村の身柄の確保、そしてだ」
「捏造の証拠もですね」
「この二つの確保を頼む」
 その男ブリーフ13にというのだ。 
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