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SOLITUDE

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第三章

「とてもね」
「そうなんだ」
「けれど私のことがわかったのね」
「ある程度だけれど」
「そうなのね」
「ストーカーみたいだと思ったけれど」
 彼はこのことは後ろめたそうに言った。
「それでもね」
「いいわ、それは」
「いいんだ」
「ええ、気にしないで」
 あえてどうして調べろとは言わなかった、もっとも私にしてもストーカーをされて気持ちのいいことではないけれど。
 それでも彼の本当の気持ちがわかった、それでだった。
 私は微笑んで彼に告げた。
「今日はオフよね」
「うん、だから来たんだ」
「私もよ。それならね」
「それなら?」
「来てくれるかしら」
 私は微笑んで彼に告げた。
「今から私の部屋にね」
「じゃあまた」
「二人で楽しみましょう、とっておきのお酒もあるわ」
 ナポレオンのいいものが。もっと言えばスイーツもある。朝から飲むことは気が引けるけれど今はいいと思った。
 それでだ、彼にこう言ったのだ。
「二人で飲んでね。それにね」
「それに?」
「私の名前と仕事だけよね、わかったことは」
「うん、そうだけれど」
「もっと。教えてあげるわ」
 彼に微笑みを向けて告げた。
「私のことをね」
「そうしてくれるんだ」
「そうよ、じゃあ今からね」
「君の部屋に行って」
「二人でまたね」
 夜の様に。私はこの言葉はあえて言わなかった。
「過ごしましょう、時間を」
「じゃあ二人で」
 彼が言うと私の方から手を差し出した、そうして。
 私は彼と一緒にマンションに入った、そしてまた二人の時間を過ごした。二人きりで過ごす時間はこれまで以上に楽しかった。お互いのことを知っていく時間は。


SORITUDE   完


                            2013・12・1 
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