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MUVLUVにチート転生者あらわる!?

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第三十一話

 
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悠斗side



1998年12月16日 宇宙要塞ソロモン



リリー・マルレーンで、秘密基地からソロモンに移動して、一月程がたった。現在ソロモンでは、チェンバロ作戦(月攻略作戦)に向けて、準備が進められている。
現在俺は、ソロモンにて 将官クラス会議を行っている。出席者は、ちなみに出席者は、俺、エギーユ・デラーズ中将、ユーリー・ハスラー少将、ユーリ・ケラーネ少将、ノイエン・ビッター少将、ノルド・ランゲル少将、コンスコン准将、トワニング准将、ラコック大佐、フォン・ヘルシング大佐、ギニアス・サハリン大佐、シャア・アズナブル大佐、ノリス・パッカード大佐と、なっている。

「全員の出席を確認した。これより、月攻略の会議を始める。ホシノ・ルリ少佐、説明を頼む」

「はい。かしこまりました」

デラーズ閣下の第一声により、会議が始まった。ホシノ少佐が、中央モニターの正面に出てきた。

「此れから、説明をさせて頂くホシノ・ルリ少佐です。よろしく。では、現在の月の状況を説明させて頂きます」

中央モニターに月の映像と、ハイヴの位置と規模が映し出された。

「モニターを御覧ください。現在月にあるハイヴの規模は、最も小さくてフェイズ6。最も大きいのは、月のオリジナルハイヴ、サクロボスコハイヴのフェイズ9です」

「なに?そこまで大きいのか!」

「小さくてフェイズ6!?地球上のオリジナルハイヴクラスではないか!」

各将軍から声が上がる。 事前に知らされていたと言っても、やはり実物を映像で見せられたりすれば、驚くのも無理はない。

「皆さんお静かに」

会議室のざわめきが治まり、静かになった。

「では、続けます。今回の月攻略作戦の最大目標になる、サクロボスコハイヴの大きさですが、地表構造物の大きさが3,000m。地下茎構造物の水平到達範囲は300㎞。最大深度は、8000mとなっております」

「な!かなりの大きさですな」

「これは、かなりの大きさですな」

再び会議室がざわめく。会議に参加した者達が、彼方此方で話をする。此処までの規模になっているとは、思っていなかったようだ。

「皆の者、静粛にな」

デラーズ中将の一声で、再び会議室が静かになる。ホシノ少佐が、説明を再開した。

「現在の月のハイヴの規模を考えますと、正攻法で攻めれば物量に押されてしまいます。そこで、今作戦には秘密兵器が投入されます」

中央モニターの映像が変わり、秘密兵器が映し出された。

「こ、これは!」

「まさか!」

「この、ソロモンを焼き払った!」

「「「ソーラ・システム!」」」

各将軍や大佐達から、声が上がる。今回月攻略作戦に使用される秘密兵器の一つだ。

「はい。ソーラ・システムです。本作戦には、これが投入されます。ミラーパネルの展開を最大限広げた結果、月の半分を射程内に納める事が出来ます」

ホシノ少佐の説明を、出席者達が真剣な表情で聞く。俺は、ボールペンを指で回しながら聞いていた。また、中央モニターの映像が切り替わった。緑色の大型兵器が映し出される。

「な!?この機体は!」

「ド、ドズル閣下の最後に搭乗された機体ではないか!」

「はい。MAー08、ビグ・ザムです。ソーラ・システムの射程外の、ハイヴ攻略部隊に配備されます。本機の弱点であった、活動時間の問題は解決されてあり、フル稼働で戦闘を続けても、1週間はエネルギー切れにはなりません。また、フェイズシフト装甲とIフィールド(レーザーなんか効かない)が装備されております。武器のメガ粒子砲の威力も格段に強化されてあります。正面の大型メガ粒子砲の威力は、一撃で深さ2,000m、直径50mの大穴を開ける事が出来ます。左右に有るメガ粒子砲は、半径3000mの射程を誇ります。まあ、大型化しすぎて、全長が100m越えてしまいましたけど」

「な?!たった、一機で機動要塞に匹敵するではないですか!!」

ビグ・ザムの性能に驚く、金髪マスクの大佐。唾が俺に飛んでくるのは、勘弁して欲しいです。

「しかし、活動時間の問題が解決したと言っても、1週間が限界ですか」

隣に座っている、ユーリ・ケラーネ少将が発言する。

「問題ありません。これは、あくまでも強化パーツを装備していない状態での、スペック情報ですから。現在は強化パーツの無限エネルギー回復装置を装備させている最中ですからエネルギー切れになることは、ありません」

「そうですか。なら問題ありませんね」

ユーリ・ケラーネ少将の懸念も解消されたので、会議は進む。

「次は、各エースパイロットに支給する機体について、説明させて頂きます。まず、ザクⅡRー2型を配備されているパイロットは、宇宙様に改造してそのまま、使用する事になります」

ホシノ少佐の説明の内容を言うと、ジョニー・ライデン少佐、ギャビー・ハザード中佐、ロバート・ギリアム大尉、エリオット・レム中佐達、4名は新型機は授与されない事になるな。
そんなことを考えながら、説明を聞く。

「また、ザクⅡRー1型を授与されているパイロットの中には、エース専用リック・ドムより、Rー1型の方が良いとの声も有るので、パイロットの意思を尊重する事になりました」

この場合、シン・マツナガ少佐はRー1型に乗り続ける事になるな。彼は、リック・ドムに乗らなかったからな。

「エース専用リック・ドムのスペック情報は、こうなっています」

中央モニターに、リック・ドムのスペック表が映し出される。

「ドムの弱点で有る、宇宙空間での活動時間の問題を改善してあります。不動准将による、魔改造が行われており、ジェネレーターの出力不足等が改善されております。また、一部のパイロットには試験的にビームバズーカを配備します。ビームバズーカが配備されないパイロットには、通常のジャイアント・バズを装備してもらいます。また胸部拡散ビーム砲、つまり目潰しのビーム砲は、有人にこそ有効ですが、BETAには効果が有りませんので、改造によってジェネレーター出力の増加に成功しましたので、追加装備として胸部拡散メガ粒子砲を装備させました。また、ヒート・サーベルは不動准将のグフ・カスタムと同じレベルの物を使用します」

「なに!ドムにビーム兵器を装備させるのか!」

「よもや、これ程の機体を授与されるとわ。羨ましい限りですな」

シャア・アズナブル大佐が驚きの声を上げ、ノリス・パッカード大佐は、感慨深そうに頷く。やはり、現場のパイロット達はビーム兵器使用したかったのだな。
まあ、作れるのに作らなかったのは、俺が躊躇してたからなんだけどな。 ただ、このドムの弱点はザクⅡRー2型に負けないくらい、コストが掛かる機体なんだよな。はっきり言えば、量産には適してない。多分50機作れば良い方だな。

「悠斗よ。このリック・ドムは、どのくらい配備するのだ?」

「はい。デラーズ閣下。凡そ50機程を予定しています」

デラーズ閣下の質問に答える。因みに、声をかけられる前にペン回しは止めていた。

「随分少ないではないか?」

「確かに、少々少ない気がしますね」

「デラーズ閣下やギニアス大佐の言う通り、機体数は少ないです。しかし、この機体は量産には適していないのです」

「何故かね?」

「まず、機体その物のコストが異常に高いのです。次に乗れるパイロットが、少ないのです。機体テストの為に、ランバ・ラル少佐にテストしてもらった所、ランバ・ラル少佐からは、「余りにも、ピキー過ぎる。だが、良い機体」と、言われました。正直他のテストパイロット達からも、同様の意見が届いておりますので、エースパイロット達には丁度良いのですが、一般パイロットには少々荷が重い為、大量生産しない事にしました」

俺の説明を受けて、納得された表情になるデラーズ中将。流石に、ハイスペック過ぎる機体は、使いこなせなければ意味が無いからな。

「悠斗よ、子細は分かった。ならば、その生産数で良い。しかし、悠斗よ、貴殿の機体はどうするつもりだ?よもや、宇宙に来てまでグフ・カスタムとは、言うまいな?」

俺を心配してか、デラーズ中将が宇宙で使用する機体を訪ねてきた。流石の俺も、宇宙空間でグフ・カスタムには乗らないな。出席者全員の視線が、俺に集中する。正直、宇宙で使う機体は考えて有るから大丈夫だ。

「大丈夫です。宇宙で使う機体は決まってますから。それに、それを言ったら、ノリス・パッカード大佐もグフ・カスタムのパイロットですよ?まあ、大佐にはエース専用のリック・ドムに乗ってもいますが」

「おお!それもそうであったな。悠斗に一本取られたわ」

ハッハハと笑うデラーズ中将。いや、覚えておいて欲しいですね。元々、グフ・カスタムのパイロットはノリス・パッカード大佐なんですからね、元々彼の機体を量産して、乗っているだけですからね。

「それで悠斗よ、貴殿の機体は決まっておるのか?」

「はい。決まっています。『Ⅲ(スリー)』に乗るつもりです」

「Ⅲ(スリー)?三号機と言うことか?」

「解釈はお任せします。この機体は、今現在改造中ですのでデータを御見せすることは出来ませんが、月攻略作戦には御披露目出来ます。」

流石にまだ、完成していない機体を見せる訳にはいかないからな。まあ、強化パーツは付けるのが決まっているから良いけど。俺の説明に苦笑いするデラーズ閣下。まあ、無理に聞くつもりは無いようだ。

「分かった。ならば、月攻略作戦の時に見せてもらうぞ悠斗よ」

「はい。一騎当千の活躍をすることを、お約束致します」

互いにニヤリと笑う。その後、会議は攻略作戦の具体的な進行プランの内容に移行して行った。
因みに、ビグ・ザムの生産数は、5000機だそうだ。整備兵達が整備するだけで、過労死しまう恐れが有るため、強化パーツのナノスキン装甲を追加して、整備しなくて済むようにしました。



悠斗sideout



悠陽side



私は今、帝都城の執務室で仕事を行っております。例年なら私の誕生日は、盛大にお祝いするのですが、今年はBETAの日本進行を受けて、帝国領内に二つのハイヴが建設された影響で、中止となりました。私としても、帝国の危機に誕生祝いをしてもらうよりも、そのような行事に使う資金で民の為になるように使ってもらいたいです。

「悠陽殿下、休憩になされませんか?」

「従事長。もう、その様な時間ですか?」

「はい、悠陽殿下。ハイヴが出来てから、余り殿下には余裕が有りそうに見えませんから、少し執務を休みましょう」

私の側に来て、テキパキとお茶を煎れてくれる。私のは机の上の道具を片づける。私の前に、従事長が煎れてくれた日本茶が置かれる。

「どうぞ。粗茶ですが」

「いただきます」

従事長の煎れてくれたお茶を飲む。日本茶特有の香りが鼻腔に広がる。

「美味しいですね。流石、従事長が煎れてくれたお茶です」

「ありがとうございます。本来なら、今頃悠陽殿下の誕生を祝う式典が有ったのですが」

「良いのです。今の帝国の状況を鑑みれば致し方の無いことです」

コンコンコン

扉をノックする音がする。私と従事長は扉の方を見て声を掛ける。

「誰ですか?」

「は!月詠真耶でごさいます。悠陽殿下にお届け物が有ったため、持って参りました」

「どうぞ、入ってください」

扉を開けて真耶さんが、手に小包を持って入って来た。

「失礼します。悠陽殿下、不動悠斗准将よりお手紙と小包が、届いております」

中に入って来た真耶さんから、手紙を受けとる。手紙を開いて読んで見ると、悠斗兄様から誕生日のお祝いの言葉か書かれていました。

「なんと書かれていますのですか?」

「従事長。悠斗兄様ったら私の為に、わざわざプレゼントを送ってくださったのです」

「そうなのですか!ならば、開けた方が良いですね」

「真耶さん」

「は!」

「小包を開けてくれませんか?」

「畏まりました」

真耶さんが、手に持っていた小包を開ける。中から小さな小箱が出てきた。小箱を真耶さんが、手に取り私の前で開ける。中には指輪が入っていました。

「これは、また凄い指輪ですね~」

「あら?従事長は指輪に付いている宝石が、何なのか分かるのですか?」

非常に綺麗な緑色の宝石の様ですが、生憎私はこのような宝石とは、縁が無かったので分かりません。真耶さんを見ると、何やら怒っている感じがします。何か有ったのでしょうか?

「はい。この宝石はエメラルドです。しかも、天然石では初めて見ました」

「確かに。昨今は天然石を手に入れるのは並大抵の事では無いですから」

BETAの進行により、地球上で宝石の原石を掘り出せる場所は非常に限られており、宝石そのものが手に入り難いのです。悠斗兄様は、何処でこのような指輪を手にいれたのでしょうか?

「フフフ。悠斗め。覚えていなさい。悠陽殿下に指輪をプレゼントしていて、私には何もないのですから、覚悟していなさい!」

黒いオーラを全快にしている真耶さん。その後、従事長と二人で真耶さんを宥めるのに苦労するはめになってしまいました。因みに、指輪のサイズはピッタリでした。何故、計ってもいないのに悠斗兄様は、分かるのか不思議でなりませんでした。従事長から、宝石の意味を聞いたら希望と言われました。悠斗兄様は、私が帝国の希望と仰るのでしょうか?そんなことを考えながら、真耶さんを宥めるのでした。




悠陽sideout




???side



私は今、部屋で勉強に励んでいる。一時間程前までは、紅蓮醍三郎師匠に稽古を着けて頂いていた。本日は私の誕生日だ。師匠からは、お祝いの言葉を頂いた。祖父からも、同様にお祝いの言葉を頂いた。今日は、もう一人あの方の誕生日でもある。幼少の頃に別れてしまった、姉上の誕生日だ。いや、姉上ではない。煌武院家の方だ。現在の政威大将軍で有らせられる、悠陽殿下の誕生だ。私は幼少の頃、御剣家に養子に出されのだ。今は御剣を名乗り生活している。例え離ればなれになっていても、その心だけは共に在りたい。私はそう思っている。

コンコンコン

障子戸がノックされる。

「何方か?」

「月詠でこざいます。冥夜様」

「月詠か。入って良いぞ」

障子戸を開けて、月詠が中に入って来た。何やら、小包を持ってきた。

「失礼します冥夜様。不動悠斗様より、お手紙と小包が届いております」

「なに!悠斗兄上から手紙だと!」

「はい。此方になります」

月詠から、手紙を受けとり読む。悠斗兄上からの手紙は誕生日のお祝いの内容が記されていた。

「私は、幸せ者だな。非常に忙しい悠斗兄上から、わざわざお祝いの手紙を頂けるとは」

もう長年お会いになっていない、悠斗兄上の顔が浮かぶ。何時も私に優しかった。共に遊んだり稽古をした記憶は、楽しい思い出だ。

「月詠」

「はい、冥夜様」

「悠斗兄上がくれた、小包を開けて見よう」

「はい。畏まりました」

月詠が小包を開けてくれると、中から小箱が出てきた。それを更に開くと、中から指輪が出てきた。美しいスカイブルーのような色をした宝石が付いている。

「これは何の宝石何でしょうか?」

「うむ。手紙にはアクアマリンと書いて有った。宝石の意味は勇敢と書いてあったな」

きっと悠斗兄上は、私に勇敢な心を持つ武士になって欲しいのだな。ならば、更に精進有るのみだ!

「悠斗。今度会ったら、徹底的に問い詰めてやる。冥夜様にプレゼントが有って、私には手紙すらない理由をね」

「つ、月詠?如何した?」

「いえ何でもありませんよ。オホホ。では、失礼させて頂きます冥夜様」

「うむ。ご苦労であった」

月詠が部屋を出ていった。私は、悠斗兄上より頂いた指輪を嵌めてみた所、何故か丁度よく嵌まった。その事を、不思議に思いつつ指輪を外して丁寧に仕舞い、勉強を再開するのだった。




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