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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第六十六話 Zero Virus Maze-Purple Cyber Maze-

 
前書き
シャドーデビルと戦うルインを信じて先に進むエックスとゼロ。
 

 
シャドーデビルをルインに任せて先を進むエックスとゼロ。
イーグルGの盾をゼロが両断し、エックスがプラズマチャージショットで破壊する。
イーグルGは破壊されたと同時に粒子化し、消えた。
どうやらこれはイレギュラーに似せたデータのようだ。
ここのイレギュラーはソニアのようなプログラム生命体に近い。
そしてゼロウィルスやイレギュラーの猛攻に晒されながらもエックスとゼロは確実に進んでいた。
ファルコンアーマーの機動力を活かし、ゼロウィルスとイレギュラーをかわしながら、奥へと進んでいく。
零空間のイレギュラーはデータのために倒したところで直ぐに蘇る。
一々相手にしている暇はないために。
今この瞬間にもゼロウィルスは地上に蔓延しようとしているのだ。
ただでさえシグマウィルスで致命的なダメージを負っている地球にはキツイ。
しかし、この零空間のエリアは見覚えがあった。
エックス達自身にある記憶を色濃く呼び起こす光景が広がっていた。

ゼロ「ここは…シグマパレス…か?」

今を遡る事数年前。
最初にシグマが反乱を起こした際に根城にしていた要塞・シグマパレス。
その内部に何時しかエックス達は立っていたのであった。

エックス「…成る程、ここは確かにシグマパレスだな」

エックス達にとっては忘れようにも忘れられない場所だ。
何しろエックスにとっては恋人であり、ゼロにとっては大切な後輩であるルインを1度はこの場所で失っているのだから。

エックス「でも…今はあの時の出来事を繰り返すつもりはない…」

ゼロ「ああ、行くぞエックス。シグマの奴を引きずり出してやる」

次々に襲い掛かってくるイレギュラーを倒しながら前へ前へと突き進むエックスとゼロ。
オリジナルのシグマパレスを髣髴とさせる堅牢な防衛網が敷かれてはいたが、あの時よりも格段にパワーアップしているエックス達の前では形骸も同然だ。
しばらく奥に進むと付近の壁が徐々に変貌していく。

エックス「こいつは…」

その姿は、この付近の場所のモデルとなったシグマパレスで戦った防衛システムの1つを髣髴とさせる。
侵入者撃退用のトラップとして生み出された壁画型セキュリティシステム・ランダバンダを。
ランダバンダの強化型のランダバンダ・Wの不気味な顔面を模した壁肌が無感情にエックスとゼロを見据えている。
エックスにしてみれば実に不快だった。
シグマパレスを模した建物にランダバンダ。
即ち…再び大切な存在を失うと言う未来を暗示しているように見えた。
否が応にもエックスにかつてのシグマパレスの戦いを意図的に想起させているように思えてならなかったのである。

エックス「ゼロ、こいつは俺に任せて先を急ぐんだ」

ゼロ「エックス?」

エックス「こいつとは最初の大戦で戦ったことがある。それにこいつの攻撃は少し特殊でね。アーマーを切り換えることが出来る俺の方が優位に戦えるはずだ。ゼロはシグマを頼む。俺もこいつを倒したらすぐに追い掛ける!!」

ゼロ「分かった…」

親友の言葉を信じてゼロは先に進む。

エックス「さて…どう来る?」

ファルコンアーマーから全アーマーで特にバランスに優れているレプリカフォースアーマーに切り換えるとバスターをチャージする。
パワーアップパーツはアルティメットバスターではなくハイパーチャージに変更していた。
アルティメットバスターはチャージなしでフルチャージショットが放てるという驚異的な性能を誇るが、小回りが利かないという弱点がある。
ハイパーチャージはチャージに要する時間を半減させるだけでなく、通常弾や一段階チャージショットも放てるためアルティメットバスターよりも小回りが利く利点がある。
レッドアイが放たれ、凄まじい勢いで回転する。

エックス「させるか!!プラズマチャージショット!!」

弾丸を放つ前にプラズマチャージショットを放ち、直撃させる。
ランダバンダ・Wは次にブルーアイを射出する。
エックスは青い目玉の体当たりをかわしながらXブレードの斬撃を見舞う。
青い目玉に僅かな亀裂が入る。
次にランダバンダ・Wにグリーンアイが浮かぶとエックスに向けて凄まじい勢いで弾丸を発射していく。

エックス「プラズマチャージショット!!」

プラズマチャージショットが弾丸を粉砕しつつ、グリーンアイに炸裂する。
着弾点にプラズマが発生し、グリーンアイの弾丸を粉砕しつつ追加ダメージを与える。
次の瞬間、壁が狭まる。
エックスは即座に壁に掴まる。
床に棘が張り巡らされていく。
そのあまりにも鋭利な棘はいくらアーマーで強化していても、たやすくエックスの身体を貫くだろう。
バスターをチャージしながら敵の出方を待つ。
次にランダバンダ・Wの口に相当する箇所からソルボーカが射出された。
エックスはホバリングで滞空しながらプラズマチャージショットを繰り出す。
ソルボーカーにプラズマチャージショットが直撃する。

エックス「はあっ!!」

プラズマチャージショットを受けて動きが鈍ったソルボーカにチャージブレードを喰らわせるとソルボーカを両断した。
次の瞬間、壁から針が出現する。

エックス「くっ!!?」

オリジナルにはない能力にエックスは驚愕するが、即座にレプリカフォースアーマーからファルコンアーマーに換装すると、射出されたレッドアイにスピアチャージショットを喰らわせる。
高い貫通力を誇るスピアチャージショットに貫かれたレッドアイは爆散する。

エックス「少し失敗したかな…」

どうやらソルボーカが壁のスイッチの役割を持っていたらしく、破壊されたことで壁が戻らなくなったようだ。
ファルコンアーマーのフリームーブはレプリカフォースアーマーのホバリングよりも長時間滞空出来るが限界は存在する。
フリームーブの制限時間が過ぎ、落下するが背部の翼のホバーで緩やかに落下していく。
しかしこのままでは棘に落下してしまう。

エックス「一か八かだ…!!」

ファルコンアーマーからパワーと防御力重視のガイアアーマーに切り換える。
その凄まじい重量は床に着地した瞬間、地響きを立てる。
エックスは全身に凄まじいエネルギーを燃え上がらせる。
そのアーマーの強度は鋭利な棘すら平地と変わらないと思わせるくらい問題ない。
ソルボーカとレッドアイは既に破壊した。
残りはブルーアイとグリーンアイのみ。
ブルーアイが射出され、エックスに向けて体当たりを繰り出す。
重量級のアーマーを纏い、動きが鈍くなったエックスは腕を交差させてガードする。
体当たりを受けても全くダメージを受けない。
その防御力にエックスは驚いたが、ブルーアイが戻る前にチャージし、エネルギーを纏った拳をブルーアイに叩き込む。

エックス「ガイアインパルス!!」

FXアーマーのメガトンクラッシュを元にした技であるためにその威力は凄まじく、ブルーアイは凄まじい勢いで吹き飛ばされ、壁に激突し、半壊状態となる。

エックス「ガイアチャージショット!!」

ガイアショットは他のチャージショットに比べエネルギーチャージの所要時間が短い。
つまり速射性に於いては数あるチャージショットの中でも特に優れた装備なのだ。
しかも至近距離で放たれたとあってはネックである弾速の遅さ、射程距離はまず影響しない。
ガイアチャージショットの連射をまともに受けたブルーアイは跡形もなく消滅した。
最後にグリーンアイが浮かび、エックスに向けて弾丸を放つ。
エックスはガイアショットを連射することで弾丸を防ぎ、棘が敷き詰められた壁を蹴り、掌に絶大なエネルギーを纏わせる。

エックス「ガイアショットブレイカー!!」

ガイアチャージショットの数倍の威力を誇るエネルギー弾を前方に発生させ、グリーンアイに喰らわせるとグリーンアイは塵も残さず消滅した。
沈黙したランダバンダ・Wにエックスは深く息を吐くと、ゼロを追い掛けようとしたが、背後からルインの反応がしたために振り返る。

ルイン「エックス!!」

エックス「ルイン、無事だったのか…」

ルイン「うん、手こずったけど何とか勝てたよ…ゼロは?」

エックス「ゼロは先に行った。俺達も早く追い掛けなければ……」

ルイン「そうだね…でも…」

エックスとルインが背後を見遣ると、大多数のイレギュラーがエックスとルインを狙っていた。

エックス「まずはあいつらを倒さなくてはゼロを追い掛けられない。」

ルイン「やろうエックス」

エックス「ああ」

2人がブレードとセイバーを構えてイレギュラーに向かっていく。
シャドーデビル、ランダバンダ・Wを撃破し、残る強敵はシグマのみ。 
 

 
後書き
ランダバンダ・W撃破。
ランダバンダはガイアアーマーで挑めば雑魚と化す。
その代わりステージ攻略が厳しくなるけど。 
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