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ハイスクールD×D 雷帝への道程

作者:ユキアン
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オレはロリコンじゃない!!




旅を始めてから早5年の月日が流れた。色々な事があったが詳しい話は割愛させてもらおう。とりあえず一つずつ説明していこう。



まずはレーティングゲームについてだ。旅を始めた1年後、オレはレーティングゲームに正式に参加し、全ての大会で優勝をもぎ取り、レーティングゲーム史上最も禁止行為を課せられた男として有名になった。最初の頃はともかく、ある程度対策をとられた時に対抗する為の手品まがいの技や、ルール上の不利を覆す為にルールの隙間を突いていた行動が大会が終わる毎に禁止行為としてオレだけに課せられた。理由はオレが強すぎる為だ。ルールの隙間を突かなくても力づくでどうとでも出来ると上に判断されてしまったからだ。まあハンデと考えれば妥当なので気にはしていない。ランクの方は着々と上がっているので今年の大会も優勝すれば来年の頭辺りには最上位ランカーへの挑戦権が得られるだろう。その為にもスクランブルフラッグの様な直接戦闘のないレーティングゲームの練習をしておかなければ。



続いて眷属の話に移ろう。この五年間で新たに二人が眷属、家族に加わった。共に両親を失い、復讐に燃えている。オレは、復讐には肯定的な意見を持つ。だが、返り討ちや無差別は許さない。だから、確実に仇を特定した上でそいつを殺せる位の力を身につけるまで復讐を禁じ、鍛える事を条件に眷属に加えた。

一人目はグレイ・フルバスター。人間の魔術師の間で造形魔法と呼ばれる系統の中で、静の氷の造形魔法を使う少年だ。グレイの復讐の相手は判明している。デリオラと呼ばれる怪物だ。こいつに殺されかけた所をグレイの師匠で育ての親であるウルが自分の命をかけて氷中に封印した。グレイの目の前で。そして復讐を誓ったグレイの前にオレが現れた。雪山に氷の彫刻家が居ると聞いて興味を持ったオレがたまたま通りかかり保護したのだ。その後、オレがデリオラに勝てると判断するまでは絶対にデリオラに挑まないという条件のもと兵士2個で悪魔に転生させた。

現在は修行の為に冥界の雪山にパンツ一枚で放り出している。グレイの使う静の氷の造形魔法を鍛える為には氷や寒さを自分で理解するのが一番だと、ウルが言っていたそうなので人間界よりも環境が厳しい冥界の雪山に連れて行ってやったのだ。今頃死んでいなければ良いんだがな。


二人目はハムリオ・ムジカ。銀術士の家系に産まれた少年だ。ムジカの復讐の相手は今の所不明だ。偶然にも友人の家に泊まっていたハムリオが自宅に戻ると、そこには焼き払われた自宅と、自宅から運び出されていくバラバラになった焼死体を見せつけられた。その後、ハムリオは両親の師であるオレの知り合いの銀術士の元に預けられた。その銀術士からの依頼でオレの元にやってきたハムリオは悪魔に転生する事を願い出た。銀術で復讐を果たす為に。そして、銀術士の力を絶やさない為に。

ハムリオが両親に教えられた限りでは自分たちを除けば、7人しか残っておらず、その7人全員が年老いた者しか居ないそうだ。その7人の中で最も若いのがオレの知る銀術士だ。だが、その銀術士も癌が見つかり、それも末期に近いそうだ。その為にオレに預けられたのだ。オレは銀術士からの依頼もあり、ハムリオ自身を気に入った事もありグレイと同じ様に兵士2個で悪魔に転生させた。



次は黒歌と白音の事だな。二人はオレと一緒に京都にある妖怪屋敷に世話になりながら、人間の学校に通いつつ仙術や妖術の訓練を始めた。最低限身を守れる位に強くなって欲しい。あと、将来は美人になりそうなので男のあしらい方も教えられているらしい。そっちの方は教育係の雪女が勝手に教えているだけなのでオレも詳しい事は知らないし、知りたくもない。それから友達の方も少しずつ増えていて、今では親友とも言えるのが3、4人位居るみたいだ。それでも屋敷ではオレにべったりなのは変わらない。

戦闘に関しては黒歌は遠近両方を妖術と仙術と魔法を組み合わせて戦える万能型、白音は近距離型で殆どの力を肉体強化につぎ込んでいる。この二人が戦うと白音に近づかれない様にしながら逃げ切れれば黒歌の勝利になる。黒歌が全力で白音に攻撃してもそれを撥ね除けれる位に白音は頑丈になっている。今ならたぶん、オレの本気のザケルガでも1発は耐えれるだろう。



最後はオレ自身の事か。魔力量が更に増えた事と、『金色のガッシュ』に出てくる魔物の術の使える種類が増えた位だな。肉体強化系とかは結構簡単だったんだが、肉体変化は殆ど出来ない。多少筋肉を膨張させれる位だ。火や氷、風などを飛ばすタイプの攻撃呪文もディオガ級までなら使える様になったが魔力の消費量が馬鹿にならない。しかも鬪気系と思われる術、ウォンレイのバウレン系統は全く使えない。オレ達の使う魔力は現象に変化する事で初めて力を持つ所為だ。だから衝撃に変換して形だけなら真似をする事は出来るが、やはり魔力消費量が跳ね上がる。

あとは、チェリシュが使っていたグラード・コファルの様な道具を産み出して扱うタイプの術は似た様な形の道具を用意しておいた方が威力も上がり、魔力の消費を抑える事が出来る。もちろん改良はしてある。ライフルとスコープは出来るだけ良い物を用意して撃ち出すのはザケルガ、ミラーサイトは入り口を3つに出口を9つ、時速20kmほどで移動も出来る様にした。あまりに便利で万能すぎるためにレーティングゲームで禁止にされてしまった。


えっ、対悪魔関係はどうしたかって?
……上位ランカーの王の数人と眷属とは友好関係を築けたさ。中堅のランカーにもちらほらと。もう、ぼっちじゃない。まあ全員年上なんだけどな。うん、同年代の奴はやはりどうしても畏怖の目でオレを見てくる。嫉妬や憎悪もぶつけられる。もうそれは諦めた。このまま同年代から孤立する覚悟を決めてしまえば楽な物だ。楽な物だったんだけどなぁ。どうしてこうなった?



今、オレは親父から送られてきた手紙を読んで現実逃避をしたくなっている。手紙にはオレの婚約者が決まったと書かれている。まあ、オレも悪魔の貴族として生きて来ている以上、そういうことも覚悟はしていたさ。覚悟はしていたんだが、相手が問題だ。相手の名はリアス・グレモリー。サーゼクス・ルシファー様の妹で次期グレモリー家当主。オレもベル家の次期当主なのだが婚約など可能なのかと思っていたのだが、先日弟が産まれたらしい。名前はガッシュ。オレとは違い、普通に産まれて親父と同じ金色の髪を受け継いで産まれてきた弟だ。

弟が産まれた事自体は嬉しい事だ。嬉しい事なんだが、何処かやるせない。明らかにオレが婿入りするしかない状況だからな。まあ良いけど。弟のガッシュが不自由無く暮らせるならそれで良いさ。『金色のガッシュ』の原作とは逆になったんだと思えば良いだけさ。

話を戻してリアス・グレモリーとの婚約なのだが、個人的には勘弁して欲しい所だ。貴族らしい教育を受けてきていないのでどちらかと言えば前世の人間での倫理観や道徳観の方が強いので恋愛結婚推奨なのだ。だが、貴族としては政略結婚は必要になってくるので恋愛結婚は諦めろとも知識としては存在するので折れても良いとは思っている。思っているのだが、リアス・グレモリーは黒歌の一つ年下なのだ。オレの現在の年齢は18、つまりリアス・グレモリーは10歳なのだ。悪魔の寿命は長いからもっと年齢を重ねれば気にならないのだが、今の年齢だとオレはロリコンの烙印を押されかねない。

ただでさえ黒歌や白音を可愛がり過ぎて妖怪屋敷では光源氏などと裏でおちょくられているのに。これ以上ネタを増やされてたまるかと声を大にして言いたいのだが、悲しいかな、オレは権力を持たない一上級悪魔でしかないのだ。なので話が広まらない様に婚約の話はオレの胸の内に納めておくしか無いのだ。それにしても、やはり顔を見せに行かなければならないのか?ここはやはり先人に教えを乞うのが一番だろう。

式髪を送って時間を作って貰えないかと相談して訪れたのは冥界にあるとあるTV局、そこに勤めているローウェル・フェニックスが今回の相談相手だ。

「ふぅ~ん、よくこんな縁談がまとまったな。年齢はともかく次期当主と思われる者同士とかあまり聞いた事が無いな」

「やはりか。まあ、ウチの方に弟が産まれたからな。オレとは違ってまともで親父に似た弟が」

「……お前の噂は聞いた事があるし、噂の出所がお前の親父さん達からって言うのも知っているけど、お前を手放す方が勿体ない気がするんだけど」

「そう言ってくれる奴は少ないんだよ。眷属を除いたら両手の指で数えれる位しか居ない」

「ちょっと話してみれば普通どころか気安い奴だって分かるのにな」

ローウェルが笑いながら紅茶を口にする。ローウェルとの出会いは去年のレーティングゲームの大会での事だった。そしてその大会で唯一、オレを追いつめた王。それがローウェルだった。オレへの対策は一切考えずに、最初から全力全開で総力戦を仕掛けてきたのだ。チームが一丸となって襲ってくるのではなく、個人ごとに最高のパフォーマンスが出来るのなら味方ごと攻撃するという行為にオレも一時押され、敗北の一歩手前まで追いつめられ、自分で課していた雷とマント以外は使わないと言う制約を破らせた。

その試合後にローウェルの方からオレに会いに来てリベンジの宣言に来たのだ。その真直ぐな心にオレは笑ってしまい、そこから魔力を一切使わない男同士の殴り合いに発展した。一発殴って言葉を交わし、一発殴られて言葉を交わしていき、罵詈雑言から賞讃に変わり、最後には久々に楽しめたと言い合いながら拳を交差させた。悪魔生で初めて親友が出来た瞬間だ。

「これでも人間界では客商売をしているからな。愛想良くした方が客は多くなる。もちろん、質も大事だがな」

「へぇ、何をやってるんだ?」

「ラーメンの屋台を引っ張ってる。そこそこ有名だぞ。雑誌にも何回か載ったからな」

「悪魔の貴族がやるラーメン屋か、中々笑えるな」

「これで眷属を養いながら食っていけるだけの稼ぎはあるんだぞ。基本質素に暮らしているからな。食事も山に入って狩りをすれば殆ど金がかからないし」

「おいおい、レーティングゲームで荒稼ぎしてる奴の言うことじゃないな。何に使ってるんだ?」

「ああ、人間界の方で孤児院を開いている。神器の所為で迫害された子供とか、ハーフの子供とかを優先して保護している。これが意外と金がかかってな。まあ、オレが好きでやっている事だから構わないんだけどな」

「あまり引っ張るなよ。後ろばかり、下ばかり見てると転けるぞ」

「忠告ありがとう。それで話は戻るが、オレはこの話を手紙で伝えられた情報しか知らないんだが、どう動けば良いと思う?」

「その前にゼオンって確かパーティー関連に、社交界に出た事って無いよな」

「無いな。6歳から人間界を放浪しているからな」

オレの言葉にローウェルは絶句してカップを落とす。

「マジで?」

「マジで。親父に最初に渡された300万円だけでラーメン屋を開いて日本全国を6年程歩いたな。懐かしい」

「……逞しい6歳児だな。いや、それは良い。いや、よくない。お前今年で19だろう」

「そうだな、あと2ヶ月程で誕生日だ」

「普通、貴族に産まれてきていてその年齢なのに未だに社交界デビューしていないのなんて私生児位だ。だが、お前は直系の長男。何かミスでもすれば家の恥になる。まさか、それを狙って今頃婚約者に?だがそうだとしても相手がグレモリー家か、些か勿体ない気もするな」

「たぶん、どっちに転んでもおいしいと考えているんだろう。家の恥になれば切り捨てても問題無いし、上手くグレモリー家に婿入りすれば縁ができるからな」

「そっちか。なるほど、それなら納得がいくがそれでもデメリットの方がでかいぞ」

「それでも親父達はオレの事をどうにか出来るなら実行するんだよ。こっちも縁を切れるなら切りたいんだけどな」

「このまま行けば来年か再来年には最上級悪魔になれる息子を切り捨てたいとか仲が悪いにも程があるだろうが」

「気にするな。産まれてからずっとそんな感じだ。それよりまた話がズレてる」

「すまん。とりあえずだが、お前はどうしたいんだ?それを先にはっきりさせていないと面倒な事になるからな」

「そうだな、家の名を穢す様な事はしたくない。だが、ロリコン扱いは本気で勘弁して貰いたい」

「ロリコン扱いに関しては気にしなくても大丈夫だぞ。8歳程度の歳の差なら、確かシトリー家の次期当主の婚約者もそうだったはずだ」

「うん?シトリー家の次期当主は確かリアス・グレモリーと同期だったはずだろう。ということは婚約者はオレの同期か」

「そうなるな。詳しい情報は知らないけど、そこそこ名家だったはずだ。他にも優秀な嬢は幼い頃から年上との婚約は普通だからな。別に婚約だけでロリコン扱いされる事は無い。だけどなぁ、お前だと眷属に二人も幼女が居るからなぁ、そっちの方で言われそうだな」

「そこはこれからも隠していけば良いだけの話だ。実際、オレの眷属を知っているのはお前とお前の眷属とサーゼクス・ルシファー様とグレイフィア様と他数名位だ」

「なら大丈夫だろう。社交界の方はオレを教えていた家庭教師を紹介してやる。あの人に任せておけば問題は無いだろう。問題なのは、ゼオン、お前、女の扱いに自信は?」

「無いな。客としての付き合い方ならともかく、婚約者とかの扱いを知るわけないだろう」

「だろうな。オレも結婚した今でも女は理解しきれん。弟は、あ~、お前と同期になるんだが眷属全員を女で固めてハーレムなんか築いてやがる。正直理解出来ねえ」

「人間界でハーレムは男の夢だとか聞いた事はあるが、楽しいのか?」

「オレは勘弁。それにオレの連れは独占欲が強くてな、ちょっとでも他の女に目を移すと本気で殺す気の魔法が飛んでくる。こればかりはフェニックスの不死性を怨むな」

「それは大変そうだな」

「ああ。だけどやっぱり二人きりの時に甘えてくる姿を見るとこうぐっとクルんだよ。普段の扱いを許してしまう位に」

「そう言う物なのか?あまりそう言う自分を想像出来んな」

「まあ何時かは分かるだろう。オレも政略結婚だったけど、だからと言ってそこに愛が芽生えない訳じゃないしな。これで何回脱線したか分からないが、オレからのアドバイスだ。よく聞け」

「ああ、頼む」

その後、ローウェルの体験談から理解した女の思考パターンを幾つか教えて貰い、二ヶ月程ローウェルから紹介して貰った家庭教師の元で社交界でのマナーや必須技能の習得に努める事になった。
 
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