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即断即決

作者:ネアンデルタール家元


「俺の剣を受けてみろ」鎧騎士ジリヒンは覇王ブゥカにじりじりと詰め寄った。「フゥーハハハ!虫けらの如き人間が私に挑むとはな」彼は孤立無援のジリヒンを嘲笑う。何しろこの国ではブゥカの呪詛で一日五万人がバッドステータスになる。貴族も兵士も覇王ブゥカの繰り出す魔物を退治しているが次から次へとキリがない。取りついた魔物を倒せばステータスは回復するのだがそれはHPを消費するので余力のない婦女子は死んでしまう。王の軍勢は疲弊し村人たちは門戸を閉ざしてブゥカの襲撃をやり過ごしている。そんな中、鎧騎士達は対抗策を編み出したのだ。モロゾフ角砂糖投げである。魔物の死骸
を漿液に漬け腐らかすと苦味のある大人の味になる。これにゾンビの香りとコクを混ぜて冷蔵庫で固めると深窓令嬢もゾッコンなスイーツになる。これを食うと精が吸い取られて3週間ほど高熱で寝込むが剣を握れば目から怪光線が発射される。これが角砂糖投げだ。「覚悟しろブゥカ」ジリヒンは眼力を放った。憤死する覇王。ここで目が覚めた。まだ角砂糖投げの修行中だ。ジリヒンは鼻の裏が猛烈に痒くなったので仁王立ちしてカニの横歩きをしたら海老反ったり如何わしいタコ踊りをした。すこぶる調子がいいのでこのまま試合開始で前後半90分間走りっぱなしになる。ブゥカはオフサイド判定でコンビニダイレクト自動車入店のためジリヒンイレブンはゴール前に人垣を作った。しかしブゥカがゴールを死守したため尻尾を伸縮させて笑いながら「これでは仕事にならない」と唸って今日中に打倒しようと京野菜を売りに行った。

「俺の角砂糖に感謝せよ、ブゥーク!」
ブゥカの足元に泥水が流れ込む。それを払い首が切断された男を「ブゥカ様~」といきなり女体が抱きかかえて立ち上がった。「ブゥー……ゴ……ゴ……ゴ……」
ブゥカを襲うのは血の滴る死体ではなく筋肉の赤い肉塊であった。



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タイトル更新日時
角砂糖モロゾフ投げだけのヒーロー 2021年 09月 06日 22時 22分 
血の海 2021年 09月 07日 06時 06分 
父の面影 2021年 09月 07日 06時 38分 

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