外部お知らせ先が現われた。パーティ一行はギョッとしたが「これも魔王の罠だな」とリーダーが気を引き締めた。
「ふむふむ?」
学歴の高い魔導士のアーザスが立札を読んだ。
「運営者からのお知らせを外部サイトから配信しています。暁にアクセス不能状態に陥ったときでも運営者からのお知らせを確認できます。どうやらお告げのようね」
ハイエルフのハイエルダールが声を潜める。
「暁? こんな地下迷宮に昼も夜もあるもんか。黄昏がアクセス不能になったら誰に連絡するんだ。昼は?」
「これはきっと神様の“魔王”が、神さまの行いを邪魔したんでしょ。夜はこのダンジョンの中で最も危険な場所なのよ。ダンジョンは人間も魔族も絶対的な壁で隔てられているわ。人間や魔族は皆魔王を倒さなければ入れないから。だから“魔王”を倒すまで待ちましょ、神様よ」
「なるほど。君は本当にいろいろなこと知っているね。私は魔王の脅威というか“ダンジョン=魔王”という概念を勝手に作り上げているわけだ」
「魔王の脅威はいろいろあるわ。どんな魔法を使えるか、どんな戦い方をしてくるか。神様はよくわかってるね」
「そのとおりだ。魔王とはその全てを支配する魔王だ。世界の最果てからは追い出したいが、この魔城があれば世界を支配できる。ここで人間や魔族の脅威を排除して、そして人間が支配しようと思えば世界を支配できるんだ。この世界の支配者は君じゃない。君を取り調べすることになった人間だよ」
「君が世界を支配する?」
リーダーは首をかしげた。
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