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作者: 万枚太郎
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私は、司波達也。 日本有数の大企業の1つ。 【Four Leaves Technology(フォア・リーブス・テクノロジー)社】の副社長兼開発エンジニアだ。 我が社は、日用品から工業用品まで様々な分野に置けて高い実績を誇っている企業だ。 だがそれは、本家である四葉家の隠れ蓑企業に過ぎない。 四葉家とは【日本国対暗部用暗部組織】更識家と並ぶ、もう1つの【日本国対暗部用暗部組織】である。 日本を守護するが更識家なら、世界各国又は暗部組織に対して攻撃するのが四葉家であり【盾の更識家と剣の四葉家】としてされている。 ▽ そして私は今、数日前の家出少年達の件について報告する為に、本家である四葉家に訪れた。 「お久し振りでごさいます、達也様。奥の執務室にて真夜様がお待ちしております」 「お元気そうで何よりです、葉山さん」 四葉家に仕える執事長の葉山さんに出迎えられ、四葉家当主が待つ執務室へと案内される。 「失礼致します、真夜様。達也様をお連れ致しました」 「そう。通して下さいな」 入室の許可が出ると、葉山さんは扉を開けた。 「お久し振りです、母上。今日は御忙しい中、時間を割いて頂きありがとうございます」 「お久し振りね?達也さん。取り敢えず、此方でお話を伺いましょう。葉山さん、お茶の用意をして下さる?」 「畏まりました、真夜様」 当主の母上に促されて近くのソファーに座ると、対面側に母上が座ると同時に葉山さんが紅茶の入ったティーカップを置く。 「さて、今日はどう言った御用件かしら達也さん?」 「はい。実は、数日前に幼い2人の家出少年を発見し保護しました」 「2人の家出少年?2人は兄弟なのかしら?」 「いいえ。2人は友人同士で、其々家族はおろか世間から酷い扱いを受けていました。そして此方が、それに関する調査報告書になります」 私は、彼等から聞き出した情報を元に彼等の身辺調査を行い、その調査結果を母上に報告した。 「織斑一夏君と五反田弾君ですか…………。何と嘆かわしのでしょう………」 「織斑一夏と呼ばれる少年は、あの世界最強(ブリュンヒルデ)と呼ばれる織斑千冬の弟の1人で、五反田弾と呼ばれる少年は一般家庭の子供です」 「そう、一夏君は織斑千冬の弟ですか…………。それで、この達をどうするのですか?」 「はい、織斑一夏君は司波家の養子として迎え、五反田弾君は七草家の養子として迎え様かと思います」 「そう………深雪さんと真由美さんは供に子供を産めない身体ですからね………」 「えぇ、2人とも若くして子宮癌で子宮を全摘出してしまいましたし……何より2人は私の大切な妻達です。既に深雪は一夏君を気に入っており、真由美は弾君を気に入っている様子でしたので」 そう私には2人の妻が居る。 昔から、四葉家には重婚が認められている。 何を隠そう私は四葉家次期当主である為、私には可愛い妻が2人いるのだ。 そして司波家は四葉家の分家であり、七草家は四葉家に仕える従者の家系の1つ。 妻の七草真由美は私の幼馴染みで、司波深雪は元義妹だった人だ。 義妹と驚くかも知れないが、私は目の前に居る【四葉真夜】の息子で、深雪は既に他界した司波深夜の娘。 母の四葉真夜と司波深夜は姉妹であり、深雪同様に若くして子宮癌を患い、子供が産めない身体と成った為に姉妹は、四葉家の科学技術の総力を駆使して産まれた【完全調整体】云わば、試験官ベビーが私達なのだ。 しかも将来的に、結婚出来る様にしていたらしい。 流石の私も、これには驚いた。 「それよりも此方の2人の診断書を見て貰えますか?」 私は2人の健康診断書が入った封筒を差し出した。 母は、無言で封筒を受け取り開封して診断書に眼を通す。 「2人供、特に異常は無い様に思えますが………あら?」 「お気付きになられましたか?2人供、遺伝子操作された【コーディネーター】の子供です。しかも、一夏君は更に高位の遺伝子操作された【スーパーコーディネーター】の様です」 「もしかして、一夏君は元より姉の織斑千冬と兄の織斑秋久もコーディネーターと言う事に成るわね?」 当主である母は、そう呟く。 「残念ながら織斑千冬は、【コーディネーター】と言うより【調整体】と言った方が良いでしょう。そして織斑秋久は、一夏君のクローン体で失敗作です。そして母上、織斑明彦と織斑春江の2人をご存知ですよね?」 「………まさかっ!?昔、第四研究所に所属していた!?」 「えぇ、遺伝子工学の権威であった織斑明彦教授と妹の織斑春江准教授それが彼等の両親です。今は消息不明ですが。そして織斑千冬は、四葉家の秘匿技術とされた【調整体】の技術を応用し作られた子供です。そして更にその技術を進化させ【コーディネーター技術】を確立させた後、成功体である一夏君を禁断のクローン技術を応用したのが織斑秋久です。ですが、織斑秋久は失敗作の様でした」 「どう言う事ですか?」 「成長力ですね。織斑秋久は超早熟型で、世間からすれば天才又は神童と呼ばれる類いです。現に現在彼はそう呼ばれている様ですが、あと数年もすれば成長は止まり平均的より少し高い位の人間に成ると思われます。それに対し一夏は、成長スピードは早いものの底が知れないと言った感じですかね?超早熟型の兄と比べられれば【落ちこぼれ】と言われるのも納得いきます」 「良く短期間でそれだけ調べ上げたものね。流石は達也さんと言った処かしら?それで、弾君の方はどうなのかしら?」 「彼の場合は、五反田夫妻が不妊治療の際に担当医師が勝手に、世界で使用禁止された【コーディネーター技術】を施したものと思われます。現に、彼の妹は普通の人間です」 一通り説明を終えた私は紅茶を啜り一息入れた。 「解りました。2人に関しては達也さんに一任しましょう。後日、2人を連れてらっしゃい。初孫達に逢いたいわ」 「了解致しました、母上」 ▽ 本家の四葉家から戻った私は、知人でF.L.T社の顧問弁護士の【藤林響子】に連絡を入れた。 『もしもし、藤林です』 「御忙しい所申し訳ありません、響子さん。司波達也です」 『あら、達也君。お久し振り、急にどうしたの?』 「えぇ、実は響子さんに早急な案件を1つお願いしたいのですが宜しいでしょうか?」 『えぇ、もちろん。達也君の頼みなら引き受けるわ!』 「ありがとうございます。実は2人の子供と養子縁組みを考えています。響子さんには法的手続きをお願いしたい」 そう言ながら私は、自身のPCから二人の資料を響子さん宛にメールした。 『片方は少し厄介ね。あの織斑千冬が相手…………下手すれば【女性権利団体】が絡んで来る可能性がある』 「えぇ、ですので響子さんにお願いした次第です」 『解りました!早急に必要な書類を作成し後日お伺い致します』 「宜しくお願いしたします」 それから2日後、私は響子さんと供に織斑家と五反田家に向かうのであった。
 
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