つぶやき

黒猫大ちゃん
 
『蒼き夢の果てに』内に於けるカトレアさんの病気の原因について。
 それで、原作小説内では原因がよく判らなかったカトレアさんの病気、なのですが……。
 其処に至る前に重要なのは、ゼロ魔原作世界の医療技術のレベルが判らない点でしょうか。

 地球世界の中世の一般的な医療技術は、お世辞にも高い物では無かったのですが、この世界には魔法が有ります。
 原作小説内では死者を操ったり、逆に蘇らせたりと、とてもでは有りませんが地球世界の医療では到達出来ていない事が出来て居ます。

 まして、内臓などの疾患や脳腫瘍。それに血液関係の病なら、その問題が有る箇所のリンパの流れや、血液の流れが阻害されている事が水の系統魔法使いには判るはずです、多分。
 血液自体に問題がある場合でも判るでしょう。もしかすると土の系統魔法使いでも判るかも知れない。

 更に、万能の薬らしき水の秘薬が有ります。これの原理は判りませんが、おそらく、故障している箇所を自ら見つけ出し、その故障している箇所の修理を行うナノマシンのような物だと、私は考えて居ます。
 ……と言うか、私の作品内の『水の秘薬』とは、そう言う代物。魔法のアイテムと言うよりも、むしろ超科学の医療器具と言うべき代物だと言う心算で描写して居ます。

 それで、普通に考えるとこんな物を使われると、どんな病もたちどころに治りますよね。古いSF小説のミクロの決死圏に出て来る潜航艇が複数、身体の中の故障個所を修理して行くのですから。

 では、精神的な物だった場合はどうか。

 これも、水の系統魔法使いには病の原因が判る可能性が有ります。
 強制の魔法を上手く使えば、おそらく精神的な疾患なども、かなり改善されると思います。それが、人道的にどうか、……と言う問題は残りますが。

 故に、ヴァリエール家に訪れていた水の系統魔法使いが無能でない限りは、水の秘薬と水の系統魔法使いだけで普通の医学的知識で治る病なら簡単に治るはずだと私は考えたのです。

 さて困ったぞ。これでは、カトレアさんは病弱な深窓の令嬢などではなくなって仕舞う。
 もっとも、ここまで違う世界を創り上げて来たのですから、今更、カトレアさんを病弱なキャラにしなければならない理由など存在しないのですが。

 それで、原作小説内の彼女の病気の設定は……。
 万能……かどうかはさて置き、水の秘薬は効果なし。
 トリステイン……だけとは限らないレベルで高名な医者や水の系統魔法使いも匙を投げた。

 先ず、水の秘薬が万能の薬でない設定にして、一般的な難病設定。
 これは無理。私の作品内の水の秘薬は、一般的な難病ならば、適正量を投薬すれば、どんな病も完治可能な設定。寿命が尽きていない限りは。

 では、ルイズの両親やエレオノールが無能で、偽医者や口先ばかり達者な実力のないメイジを信用した。
 これもダメ。私の物語では、原作のキャラの能力を上げるのはオッケーだけど、出来るだけ原作よりも無能な人間にはしない、と言う枷を嵌めて有ります。
 同じ理由で、ハルケギニア世界すべての高名な医者や水の魔法使いが無能、と言う設定もダメ。

 ……と言う訳で、お医者さまには絶対に判らない理由。つまり、何らかの呪いと言う原因を採用したのです。少なくとも、ハルケギニアの人間に魂魄が傷付けられた、などと言う事は判らないでしょう。現代日本人でも無理でしょうしね。

 但し、その『呪い』に関しても、第89話内のタバサの台詞から、かなり捻りを入れた状態と成って居るのは確かなのですが。

 故に、主人公がその呪いを解決。具体的にはカトレアさんの魂魄を奪った吸魂鬼を退治して、彼女を無事に解放。その後、ハーレム要員として取り込む事を期待した読者さまが居られると非常に申し訳ないのですが……。
 この事件は根が相当に深い事件です。簡単に解決などしません。

 但し、何時かは。少なくともエンディングまでには解決させる、と言う事でも有るのですが。
 それでは、今回はこの辺りで。次回は何に成るかな。

 ……庚申塚かな?