つぶやき

マキサ
 
お久しぶりです。
 皆様、お久しぶりです。最後に小説を更新してから実に六年越しの活動報告になります。
 まずは謝罪を。この六年間、小説更新はおろか、生存報告すらせず音信不通でいた事。ご心配された方々、大変申し訳ありませんでした。
 なぜここまで音沙汰もなかったか。単純な私用での忙しさもそうですが……小説の加筆修正を細々と、延々と行っていました。

 六年前、まだ更新停止する前、読者の期待に応えようと頑張ってました。しかしどれだけ文章力を向上させても、文章量を増やしても、極力原作の流れを変えない程度にオリジナル要素を入れても、あまり良い評価を得られませんでした。
 しまいには話を投稿していくにつれて『主人公に味気ない』、『作者と主人公の意識が混同している』等といった指摘、ダメ出しを言われるだけとなりました。
 確かにそう言われても仕方ないとは思っています。時折載せていた挿絵ではいかにも主人公っぽい容姿にしてるものの、文章ではあえて主人公を地味っぽくしていますし、思いを込めて書いてるせいか作者である私の感情が主人公に反映されている時も多々あります。

 そもそもなぜこのような作風にしたのかと申しますと、私がその昔、かれこれ十年くらい前に書いた処女作ともいえる二次小説が原因であるからです。
 原作設定を平然と無視し、人によっては拒絶反応を抱くチート要素を入れ、何の理由もなく、笑顔を見せたり頭撫でるだけで簡単にハーレム形成していく。文章も台詞もまるで薄く、台詞前に名前を書いていた事もあってまるでドラマの台本そのもので、あまり読者に好まれない要素をたくさん含んだ作品でした。当然のようにバッシングが相次ぎましたし、それに乗じて荒らしもたくさん来ました。

 それらの反省を踏まえて、絶対にしないと誓い、次の作品に取り掛かりました。原作を極力ぶち壊さないように原作に沿った内容にしつつも所々差異があるようにし、主人公もチートじみた強さではなく、むしろ最初は弱すぎて戦えない所から徐々に強くなるという、少年漫画風にしてみました。文章も読者に注意されながらもその量も増やしていき、話の流れやキャラ崩壊させないよう自分なりに丁寧にやったつもりなのですが……上述の通り、良い評価は得られませんでした。
 読者が求めているのは一体何か、読者はどういう文章や展開が好みなのか、読者から送られてきた感想を何度も見直し、色々と模索し、自分の納得のいく限界まで現時点で更新されている全ての話を修正しよう。次の話はその後だ、と思い、修正作業に入りました。

 しかし、何回も何十回もこの作業をしていく中で、本当は一体どういうストーリーを書きたかったのか、どういう展開にしたかったのか、まるで分からなくなってしまいました。
 チートもダメですし、ハーレムもダメ。原作通りであってもなくてもダメ。話が長すぎても短すぎてもダメ。文章もちゃんとした物でないとダメ。ダメダメ尽くし。悉く選択肢を奪われていくような、自分の考えを否定されていく気分でした。
 どんなに駄目だしを受けてもその読者の意見を尊重しないといけないうえに、例え気に入らないコメントであっても反論してはいけない。怒らせてはいけない。感想の返事を疎かにしてはいけない、逆にすぐに返事をしても『早すぎ。ちゃんと読んでんのか?』という感じに火に油を注いでしまう。
 本編のネタバレ等は避けようと言葉を濁した返事をしても、憤りを覚えている読者を落ち着かせようとしても結果的に火に油を注いでしまう事もしばしば。

 はたしてこれは『私が構想を練って書いた小説』なのか『その読者が思い描いた内容を代理で書いた小説』なのか。そう思ってしまうくらい分からなくなってしまいましたし、何を書いても否定されるだけではないか、という恐怖、もとい軽くトラウマにすらなってしまいました。
 そして何より……今まで書いてて楽しかった創作活動が、いつしか楽しくなくなり、今ではもう自分の思い描いていた作品も書こうと思ってもブレーキがかかってすぐに書けなくなってしまいます。
 単純なスランプならばまだ良かったと思います。しかし脱出しようとあらゆる方法を模索してもまるで効果はありませんでした。
 読者様からの感想も、少しでも良い作品にしようとアドバイスを貰ってるんだ、と思いながら受け止めて頑張ったのですが、何だか、もう力尽きたというべきなのか、もう限界なんじゃないかと思う程です。

 なのでいきなりで誠に勝手ではありますが、筆を置かせていただきたいと思います。同時に現在進行形で更新が停止している『魔法少女リリカルなのは extra』を削除しようか検討しています。
 物語の続きの代わりとして、と言ってはなんですが、この小説のプロローグにあたる部分を新たに短編として投稿しようと思います。
 なぜプロローグのみなのかといえば、その先から修正していく中で滅茶苦茶になったり、途中から折れた為、あまり見せたくないという誠に身勝手な理由からです。何より、このプロローグの文章が作者である私の力量の限界でもあります。

 本当はこのような事を書きたくありませんでした。この事を報告するのも非常に迷った程ですが、本当に申し訳ないですが、読者の皆様のご期待に応える事がもうできそうにないのは確かです。
 非常に長くなってしまいましたが、これで活動報告を終了したいと思います。久しぶりの生存報告というべき活動報告が、このような事で申し訳ありません。そしてこの小説をお気に入りとして登録していただいた皆様、本当にありがとうございました。 
マキサ
 
コメントありがとうございます。
 名無(なむ)様、再びのコメントありがとうございます。
 コメントが消えていたのはそういう事だったのですね。理解しました。私も誰かに文を送る時は同じように悩みますのでお気持ちはわかります。

 断筆は本当に悩みました。自分はまだ頑張れるはずだと気持ちを奮い立たせても、このつぶやきに書いた通りですので。
 読者の意見を聞き受け入れ続けた結果はこうなってしまいましたが、おかげで文章量や描写を増やす事ができたので、決して全てが悪い思い出ではないと思いたいです。
 ただ、読者の意見を最優先にしすぎるとこんな事になるんだという事は覚えておいてください。名無(なむ)様の仰る通り、自分の好きなように書くからこそ楽しく続けられるし、その中で人々から名作と呼ばれる物は生まれるんだと思います。
 二次小説であろうとその小説の物語も展開も、全ては作者の頭の中にしかありません。例えストーリーや作者の対応が気に入らなかったからといって、感情に任せて自分の考えを押し付けてはいけないという事を、読者として気を付けないといけないなと思います。

 ともあれ今はお言葉通り、休ませていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 
名無(なむ)
 
お返事ありがとうございます
気を使わせてしまいましたね。

自分のコメントを消したのは、マキサさんの呟きに書くべき内容は果たしてこれで良いのだろうか的外れなことを書いていないだろうかと悩んだからです。

私も別のサイトで話を書いている時に読者の方ではないのですが苦情が入ったことが有りました。

その時は急いで完結させましたが今までで一番心が折られたコメントでしたね(苦笑)
_(^^;)ゞ

私はマキサさんが長い間トラウマやイップスのようになるまで悩みに悩み抜いた末で断筆を決めたことを支持しますよ。

マキサさんほど読者の意見を受け入れて頑張ろうとする作者さんを見たことが無いですし、もう十分やり切ったでしょうから。

執筆本当にお疲れ様でした。

ゆっくりと休んで下さい。