暁 〜小説投稿サイト〜
龍が如く‐未来想う者たち‐
秋山 駿
第一章 崩壊する生活
第三話 謎の男
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花ちゃん。ちょっと痛い」
「ご、ごめんなさい!!ちょっとパニックになっちゃって」


目頭に涙を浮かべた姿に罪悪感を覚え、精一杯の笑顔を見せて何とか安心させようとした。
それと同時に、本気で心配してくれる相手がいることを嬉しく感じる。


「東城会の喜瀬、奴は絶対何かを知ってる。今は奴を追うしかない、か」
「社長?」
「ごめん、花ちゃんはもうこれ以上追わなくて大丈夫。こっから先は危険だし、一旦神室町から離れて……」


そう言いかけた瞬間、頭のタオルが勢いよく押し付けられ、それ以上言葉が続けられなかった。


「何、馬鹿な事言ってるんですか!!私が居なかったら、この会社はどうなるんです!?」
「あー、だから一旦店を閉めて……」
「だったら、秋山さんが守ってください。私は絶対出て行きませんからね!!」


ムキになって話す様子が目の前に見えており、その姿につい安堵の溜め息が漏れる。
こうなると彼女はテコでも動かない、無理にでもそうさせると反撃を食らいかねない。
護身術の腕前は、秋山以上に一流なのだ。


「わかった、だけど危なかったらすぐ神室町から逃げるんだ。わかったね?」


痛みが残る身体を無理矢理動かして立ち上がり、そう告げる。
ようやく笑顔を取り戻した花ちゃんは、タオルをギュッと握りしめ大きく頷く。
東城会の喜瀬晃司、一先ずの目的を見つけ心の中で少しでも調査が進展した事に喜んでいたが、逆にとてつもなく悪い予感もしていた。


雨上がりの神室町は、昨日と変わらず多くの人で賑わっていた。
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