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世にも不幸な物語
第一部:幻想郷入り
第一章『幻想郷入り』
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って、五千歳位だったよな」
「たしかそうだよ。そんでもって自称十七歳って言っているから」
「え、そうなの?」
 輝の疑問に闇風が答えた。
「そうだよ。ま、しょうがないよ、オバチャンだからゆかりんは」
 そう言うと風と零は笑い出した。
 輝は、二人を見て苦笑いをした。
「失礼ね」
「「「!?」」」
 突然声がした。
 声のした方を向くと、さっきまで輝の隣にいた女性が輝たちの前に立っていた。
 輝は一瞬思考が停止した。
 なぜこの女性がいきなり話しに入ってきたのかが解からない。
 輝が困惑しつつ風と零を見たら、二人とも硬直し汗が出ていた。
 そして闇風が恐る恐る尋ねるように女性にいった。
「も、もしかして八雲紫・・・さん?」
「そうよ」
 紫らしき人物は満面の笑みで答えた。
 その答えを聞いた二人はいっきに青ざめ、そして、
「「すいませんでした!」」
 二人はいきよいよく謝罪した。しかもジャンピング土下座をして!
「え、え!?」
 輝はますます訳が解からなくなってきた。
 なぜ二人が謝罪したのか解からない、しかもジャンピング土下座をしてまで謝罪する理由が解からない。
「いいわよ別に、許してあげる」
 電車が来た。
 電車が近づいて電車の騒音でうるさい筈なのに、なぜか紫という人物の声はハッキリと聞こえる。
「あなた達、見ていて面白いからいい所に連れて行ってあげる♪」
 紫はなにかを企んでいる様な顔で言った。
 輝は恐怖を感じていた。
 いい所ってどこだよ、と言いたいが動揺と混乱が入り混じり、声が出なかった。
 電車が停止した。
 電車が停止したと同時に輝たちの足元から何かが動いた気配があった。
 足元を見ると、地面が裂けかけていて、裂け目を見ると無数の目がこっちを見ていた。
 風と零も足元を見ていた。そして二人同時に呟いた。
「「落ちたな」」
「・・・・・はぁ!!?」
 電車のドアが開くと同時に地面の裂け目も開いた。
 そして、
「なぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
 三人は落ちていった。
 輝は紫が笑顔で手を振っているのを見ながら落ちていったのだった。

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