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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth5-Bアムルの守護騎士団〜Glauben OrdeN〜
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戦場である森林の中にぽっかり空いている平原から離れた深い深い森の中。
迷彩服のような騎士甲冑を着こんだ幾人もの騎士が、毒ガスに悶え苦しむ防衛騎士団やオーディン、彼らに攻撃を仕掛けている毒ガス無効化の魔導を騎士甲冑に付加している地駆けし疾狼騎士団フォーアライター・オルデンの先遣隊らを眺めて歓喜していた。

「どれだけ強くても空戦を封じられて、すぐに対処出来ない毒ガスの症状による魔導封じ。いくら単独で騎士団を潰す事が出来ても、根が人間である事には変わりない。俺の読み通りだ♪」

フォーアライター・オルデンの騎士団長であるファルコ・アイブリンガーが嬉しそうにそう漏らす。騎士甲冑だけでなく顔にも迷彩柄がペイントされ、四肢に装着されている鉤爪の付いた籠手と具足にも迷彩柄がペイントされていた。他の騎士も似たようなものだ。だから完全に自然の姿に溶け込み、パッと見では彼らを発見できないだろう。

「団長。情報に無い未確認戦力が先遣隊を討っていますが、何者でしょう?」

1人の騎士がそう尋ね、団長ファルコは「さぁな。とりあえず敵なのは違いないんだけど、なんで毒ガスを喰らってないのか不思議だよな」と小首を傾げる。シグナムら守護騎士が次々と先遣隊騎士たちを討伐していっているその様には、戦士である者にこそ理解できる強さがあった。

「あの子、本当に裏切り者になっているのね。ホント役立たずのガラクタ(クルム)なんだから」

この中で一番小さな存在が呟く。30cm程の少女で、肩紐の無い迷彩柄のタンクトップにホットパンツ、ブーツという格好で、髪は綺麗な翡翠色のショートカット。ココアブラウンの鋭い双眸は、守護騎士と共に戦う小さな少女、アギトに向けられていた。
視線に込められた感情は様々。怒りや呆れなどと言った、肯定的なものは何一つとしてないものばかり。彼女は、イリュリア技術部によって開発された融合騎のプロトタイプ0005。0006であったアギトの一個上の姉に当たる融合騎だ。

「そう言うなよフュンフ。結構扱いが酷かったんだろ、あの子。なら優しくされりゃそっちに行くさ」

「関係ないわ。私たちはイリュリアの融合騎なのよ? どんな扱いを受けようが忠誠を貫かなければならないんだから」

ファルコに五番目(フュンフ)と呼ばれた融合騎が「フンッ」と鼻を鳴らす。

「やれやれ。っと、そろそろ仕掛けに行くか。『各騎、俺たちで悪魔オーディンを討つぞ。先遣隊の犠牲を無駄にしないようにな・・・!』行くぞ、フュンフ」

「ええ。六番目(いもうと)の不始末は、姉である私が片付けるわ」

森林の中に散っている団員から、思念通話で『了解(ヤヴォール)』と返ってくる。それを合図として、ファルコがオーディンらに告げる。解毒剤が欲しければ、森の中で待ち構えてい
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