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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth5-Bアムルの守護騎士団〜Glauben OrdeN〜
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外に逃がさないためのもので間違いない。そんな中、拡声の魔導でも使っているのか大きな声が平原に響き渡った。

『俺はイリュリア騎士団が一、地駆けし疾狼騎士団(フォーアライター・オルデン)の団長、ファルコ・アイブリンガーだ。よろしくっ♪ さて、聞こえるかい? 騎士オーディン。あんた達を苦しめている毒の解毒剤が欲しければ、森の中で待ち構えている俺たちから力づくで奪え、って事で頼むよ。まぁ動ければ、の話になってしまうけどさ。もちろん代理としてそこの女騎士たちでもいいんだぜ』

その軽い物言いに苛立ちを覚える。ファルコと言う敵性騎士団の将の声に続いて、

『聞こえるかしら? ヌンマー・ヌル・ヌル・ヌル・ゼクス。イリュリアを裏切るなんて本当に馬鹿な妹ね。姉は呆れてものも言えないわ』

「この声・・・ヌル・ヌル・ヌル・フュンフ・・・!?」

口調が大人びている幼い女の子の声が平原に響いた。その声を聞いたアギトちゃんは明らかに怯えて震えだした。

「アギトちゃん・・・?」

『あなたの大切なロードを失いたくないのなら来なさい。引導を渡してあげるわ。融合騎としての格の違いを見せてあげる。だから逃げないように。いいわね、ゼクス』

“0006”だとか“0005”というのは、たぶんだけど融合騎としての開発順。アギトちゃんと五番の子の短いやり取りで、ある程度の事情が判った。どういった経緯かは判らないけれど、イリュリアの融合騎だったアギトちゃんがオーディンさんの下に付いたのね。それが五番の子にとって許せない裏切り行為だって事になっている、と。

「あのフュンフが来てる・・・」

挑戦状じみた声はそれで終わりだった。アギトちゃんは変わらず顔を青くしている。声が途絶えて、聞こえてくるのはシグナム達が敵を斬り払う金属音と悲鳴だけ。私はみんなに『解毒剤をお願い! 一向に治らないのっ!』と思念通話を通す。
治癒魔法だけじゃ進行を抑えるだけが精いっぱい。解毒剤を奪うのが確かな道だわ。息を呑む気配。すぐに『了解した。お前はそれ以上の毒の進行を防ぐ事に力を注げ』シグナムから返事。

『待っててオーディンっ。すぐに解毒剤を持ってくるから!』

『ザフィーラは念のためにオーディンとシャマルの護衛に付け。アギト。お前はどうする? 共に来るか? お前の姉と言う者から誘われているが・・・』

『あたしは・・・』

少しばかり迷いを見せたアギトちゃんだったけど、オーディンさんの苦しむ姿を見てキッと表情を変えた。そして私を見て、「マイスターをお願いします」とお辞儀して、『あたしも行くっ』とシグナム達の元へ飛んで行った。
シグナムとヴィータちゃんとアギトちゃんが森の中に入って行くのを確認して、私はオーディンさんの毒の進行を防ぐために治癒魔法を使い続けて
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