【ゼロの使い魔】編
017 少女自覚
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・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
「まぁ、いいか。……それと、似合ってるよルイズ。とても綺麗だ」
これは社交辞令でも、言わされている訳でも何でも無くて、純然たる事実である。……初めて見るルイズの正装は目一杯にドレスアップされているし、気立ての良さが所作の一つ一つから滲み出ていて、同じくテラスに居た周りの男達の目線独り占めにしている。
「何を当たり前の事を言ってるのよ。私が綺麗って事なんて、夜には双月が空に昇ると同じ様な事よ」
「ははは、常識レベルって事か。……さぁ、ミス? 貴女のエスコートと云う大儀を、不肖このサイト・ヒラガに任せていただけないでしょうか?」
「ふふ。……ええ、しっかりとエスコートしなさいよね?」
冗談混じりにルイズへと恭しく礼をすると、ルイズはクスリと笑い徐に手を差し出して来た。俺はそんなルイズの手を取って、俺の所為でルイズに風邪を引かせる訳にはいかないのでダンスホールへとルイズと一緒に戻って行った。
SIDE END
SIDE ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
「ははは、常識レベルって事か。……さぁ、ミス? 貴女のエスコートと云う大儀を、不肖、このサイト・ヒラガに任せていただけないでしょうか?」
「ふふ。……ええ、しっかりとエスコートしなさいよね?」
サイトがいきなり態度を変えた事に思わず苦笑してしまう。……本気じゃないにしても、サイトが私に対してちゃんとした──見てくれだけとは云え、礼儀を見せたのはこれが初めてかもしれない。
(それにしても……)
「何でそんなダンスが上手いのよ」
「ルイズに合わせているだけだよ。……それに初めて会った夜にも言っただろ? 俺に出来ない事はあまり無い」
私とサイトがステップを踏むたび、周りに居た舞踏会の参加客は感嘆の声や息を漏らす。……エスコートついでに1曲だけサイトと踊る事になったのだが、サイトは私に合わせている≠ニ言うだけで謙遜しているが、逆に言えば私に合わせられる°Z量が有るという訳だ。私は一流の講師の教えでそれなりに努力して現在の技量を持っているが、サイトはそれに難なく合わせてくる──否、私がサイトにリードされる事すらもある。
(サイト・ヒラガ…か)
「ん? どうしたどうかしたか、ルイズ」
色々な感情≠ナ私がサイトの顔をじっくりていると、私の視線に気が付いたのか、怪訝な表情で訊ねてくる。
「……何でも無いわ」
「ははは、変なルイズだ」
私はサイトを誤魔化そうと、いつものツンとした態度で返してしまったが、サイトはそれを咎める事も無くただ──ただただ困った笑みを浮かべるだけだった。
(……あ)
そん
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