五話 差別(ディワァレンス)
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科学技術国立高等学校(かがくぎじゅつこくりつこうとうがっこう)。
巨大な敷地と施設を持つ日本トップクラスの能力専門学校。
能力の成績で学校の価値や権利がつく。
実力主義のこの世界に生きるために力をつける。
広翔はこの学校の現状について知ってはいなかった。
実力主義の本当の現状を。
・・・・・
「じゃ、後でね。」
姉と杏里は委員会の業務のために行ってしまった。
忙しそうにしている姉と全くのんびりしている広翔では違った。
入学式の準備と打ち合わせで色々と気を使うようだ。
「・・・」
校舎からも中庭からも音がしない。見渡した限りではどこにも人が見当たらない。
入学式まで1時間ちょっとだが実感が湧いていなかった。
広翔はしばらくそこに立ち止まっていた。
SCD(スクールデバイス)を見てどこに行こうか迷っていたが、とりあえずのんびりしようとカフェルームに行くことに決めた。
学校の施設場所はSCD(スクールデバイス)の案内図で確認出来る。
○
カフェルームはC棟の4階でそのフロアの5分の3くらいの面積を占めている。
自習をする生徒などが多くいる居場所であり、テスト前になると沢山の生徒がいるらしい。
営業時間は朝の7:00から夜の9:00までと長い営業時間を持っている。
夜などは先生達などが立ち寄る愛想しい場所である。
・・・
カフェルームは静かで端のほうで男子生徒が自習してるくらいだった。
ファーストフード的なテーブルの配置の雰囲気だったのは少し趣はあった。
ただ座っているのはまずいとのでレジで一様コーヒーを1つ頼んだ。
席に座った広翔はのんびりとSCDをいじりながらコーヒーを飲んでいた。
SCDには色々と学校の情報が配信され、入学式のプログラムや時間などがきっちりと配信されている。
『隣、座っていいですか…?』
急に青い髪をした女の子が腰をかがめて話しかけて来た。右手には同じくSCDを持っている。
『1年生…ですよね…?』
連続して半確信の様子で引き気味な声で尋ねて来た。
その女の子の雰囲気はしっとりと不思議なオーラみたいな感じだ。
「そうですけど、何か?」
広翔は簡単に答え、冷静に質問を返した。
面倒くさかったので冷たい感じを出した。
[お、さっそく一年はっけーん!!]
と今度はもう一人の女の子が青髪の子に飛びついてきた。
その子の自然な口調は馴れ馴れしい感じ。
広翔にはなりふり構わず話しかけてくるこの2人には疑問があるが…コミュニケーション能力としてはいい点なんだろうか。
[私は一年の木村エレナ!! エレナでいいから同じ学年同士よろしく!!]
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