二話 無人機車(モノレール)
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広翔と加奈は14区の大通りにでた。
車の数は少ないが、何故か人混みが多い。学ランや制服を着ている中学生がよく見える。多分同じく入学式なのだろう。次々と駅の中に入って行く。
この街には電車という乗り物は存在しない。無人機車のモノレールが通っている。
学園エリアはすべてモノレールが通っている。
「満員電車」という言葉も死語になっており、 2分間に1度というテンポで駅に停車する。そのため、大勢いてもあまり問題はない。
30年前のように、最近は駆け込み乗車や、ホームに落ちることはまずなく、安全な空間に変わっている。
昔とは変わって、AIがモノレールを動かしているので、問題が起きても、円滑に運行できるようになった。遅延という言葉もなかなか聞かない。
一方に能力を応用したテロ事件や暴行事件が多発してしまっているのが現状である。
過去にも事件は沢山あった。超能力が世界に浸透した直後には、犯罪が3倍近く増えた。
世界大戦も起こり、大混乱を極めた。その中で生き残れたのは、日本が能力大国だったからだ。
なんとか秩序を保てるようになったのは、5,6年前くらいからだ。
改札で学生用パスポートを通し、階段を登った。 なぜか足が重い。
あの地獄のような中学生時代はもう終わったのだ。
次の高校では俺の過去を知る者は姉以外誰もいない。
もう他人を避ける必要はなくなった。だが、気持ちが重い。
時刻は7時30分
ホームで停車中の無人機車に乗車しようとすると、 改札の方から女の子が手を挙げてこちらに走ってくるのが人混みの中から見えた。
黄色の制服に緑色のブレザー、科学技術国立高等学校の制服。同じ学校の生徒のようだ。
「加奈ぁーー!」
と高い少女の声。
150前後の小型の女の子。茶髪のポニーテールがよく似合い、顔が小さい。中学1年生くらいの幼児体型だが、加奈を呼び捨てなので、きっと同級生なのだろう。広翔にとっては先輩だ。
「おはよ〜」
加奈に向かって言ったのだろうが、こちらも一応小さくお辞儀をした。
彼女はニコっと笑い、手のひらを向けてくれた。
その表情は穏やかで、純情可憐な笑顔だった。
「この子は? 彼氏さん?」
素なのか冗談なのかわからない。
そして、どうゆう顔をしたらいいかもわからない。
「杏里、これうちの弟だよ。」
呆れながら答えた。どいうやら冗談ではなかったようだ。
杏里の不思議そうな顔は晴れ、納得した。
「あぁ!!弟さんかぁ〜 イケてますなぁ〜」
(イケてる・・・?)
どこらへんがイケてるのか聞きたいが、冗談か本気か分からなかった。
イケてる、の意味もよく分からない。
「杏里にも妹がいんじゃん」
「えー だ
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