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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth3そして結末への旅が始まった〜Per aspera ad astrA〜
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団《ツヴァイト》・第三騎士団(ドリット)と衝突するはずだ。しかしそうはならなかった。その三騎士団がたまたまラキシュ本都の政で戻っていたのだ。もちろんそんな情報がイリュリアに漏れないようになっていた。

(だというのに狙ったかのように侵攻してきた。情報が漏れていた・・・?)

偶然漏れたという失敗はまずあり得ない。優秀なイリュリアの間諜がラキシュに潜り込んでいたか。もしくは・・・

(何かの目的の為に意図的に情報を流した、か)

最悪の推測を出したクラウスはかぶりを振った。それで一体どのような利があるというのか。情報を漏らした者に。彼はもやもやとした嫌な気分のまま、馬の速度をさらに上げてラキシュ領に急いだ。

?―?―?―?―?―?―?

――シュトゥラ・ラキシュ領/ズュート平原

つい数時間前までは美しかった大平原。しかし今は見るも無残にボロボロで。焼けた草花。抉れた地面。それらは全て戦闘によって付けられたものだ。無残なのはそれらだけではない。そこらじゅうに転がっている甲冑に包まれた死体の山。
それらの死体には共通点がある。全員が全く同じデザインと灰色をした甲冑姿で、右肩の装甲には髑髏に大鎌がひとつ。そう、彼らは血染めの死神騎士団マサーカー・オルデンの後方支援部隊だった。野営地にてアムルへと援軍を送りだして待機していたところを・・・

第三(ドリット)および第二(ツヴァイト)の第5班から13班は残存兵を捜索し発見次第、討伐せよ」

そう指示を出す、白馬に乗るアオザイのような純白の衣服を着ている青年と、彼の周囲に数百人と居る騎士によって殲滅された。青年はさらに「第一(エーアスト)第二(ツヴァイト)の1班から4班は僕と一緒にアムルへ入り、我がラキシュ領を侵略しに来た者どもを根絶やしにするッ!」と、峰は真っ直ぐで刃は緩やかな流線型を描く剣・ファルシオンをアムルに向ける。すると騎士たちは「了解(ヤヴォール)!」とそれぞれ武器を空に突き上げ応じた

「急げ、すでに敵はアムルへ侵攻してるッ!」

青年が馬を駆り先頭を往く。続いて彼と共にアムルへ向かう騎士たちも徒歩や馬を駆り往く。

(待っていてくれ僕の可愛い小鳥(エリーゼ)・・・。君を手に入れるためだけに僕は・・・)

青年の端正な顔が醜く歪む。彼の名はヨーゼフ・シュミット。シュトゥラの現王デトレフより伯爵の地位を授かった、若き領主だ。

(ああ今行くよ。独りっきりになってるはずだから心細いだろう?)

美しい翡翠色の双眸が妖しい光を湛え、整った唇が釣り上がる、今の彼の顔を見れば、いかなる人間でもその邪悪さに気付いて側を離れるだろう。彼の思いはただ一つ。エリーゼ・フォン・シュテルンベルクを手中に収める。そのために彼は、人道を踏み外した外道を
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