さすがに予想外です。
[1/2]
[1]次 最後 [2]次話
テツヤ、お母さんね。再婚しようかと思っているんです。
最近帰りが遅くなることが多いと思ったら。そういうことだったんですね、と合点がいく。
素直におめでとうございますと言えば、嬉しそうに顔を綻ばせる母を見て、自分も嬉しくなった。
明日、顔合わせをしたいのだけど。大丈夫ですか。
駄目とは言えない。わかりました、と伝えると部活後に迎えに来ると言う。急な話で緊張もするが、母が幸せそうならまぁいいか、と納得した。
昨夜の話だ。
「今日はここまで!皆しっかり休むのよ!」
「「「お疲れ様でした!」」」
部活が終わり、後片付けの時間。あー疲れただの腹減っただのと話しながら着々と進めていく。
「すみません、先輩。今日はちょっと用事があるので、早目に抜けさせて頂きます。」
「あー、言ってたな。いいぞ、頑張ってこいよ」
「ありがとうございます」
片付けを他に任せ、帰宅の準備に入る。申し訳ないとは思ったが、致し方ない。その分準備と明日の片付けを頑張ろうと決意し、学校を後にする。
校門をくぐるとすぐに母の待つ車があったので乗り込み、母の再婚相手の待つレストランへ向かう。母によると、どうやら相手方にも同年代の息子がいるらしい。馴染めるだろうかと一抹の不安を抱えながら、とうとうその時はきた。
着いてみると、かなり高級そうなレストランだった。これ、大丈夫なんですか。もしかして相手はそんなにお金持ちなんですか。どこで知り合ったんですか。聞きたいことは山ほど浮かんだが、早く行きますよ、との声に従ってひたすら沈黙を貫いた。
「……まさか、再婚相手って」
正に予想外。お兄さんもびっくりです。目の前にいたのは端正な顔立ちに優しげな瞳の中年男性と、なんと霧崎第一高校の悪童・花宮真だったのだ。名前だけでも先に聞いておけばよかった。そうすれば今日の顔合わせに来ることもなかったのに。花宮も少し驚いた様子で目を見開いている。しかしなんとも素敵な、女性ならば一発でノックアウトするような笑顔で会釈された。
「ええ、紹介しますね。花宮さんです。とても素敵な方なの。ご子息の真さんもとても優秀な方で。ほら、ご挨拶を」
「…初めまして、母がお世話になっております。息子のテツヤです。……どうも、お久しぶりです花宮さん。」
「おや、知り合いだったのかい。初めまして、テツヤ君。ほら、真もご挨拶を」
「初めまして、黒子さん。テツヤ君、久しぶりだね。」
人好きのする笑顔で声をかけられると鳥肌がたった。あんなプレイをするくせに、本当に外面はいい男だ。にこにこと人懐こい笑みを湛えた彼は、父親譲りだろう端正な顔立ちも相俟って好青年にしか見えない。本当に狡いと思う。
なんとか適当に相槌を打ちながら、食事が終了した。話
[1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ