暁 〜小説投稿サイト〜
仮想空間の歌う少年
5練習曲ーalla marcia(行進曲風に)
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僕達は筋力パラメータをフルに使いボス部屋から全力で逃げ出した。

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「はあはあ、もう追って来れないだろう…というか出れないか…」

迷宮区の安全地帯まで走ると僕は座りこんだ。もう!疲れたよ…
向こうを見るとキリトとアスナが笑い合っていた。楽しそうだな〜

「あ、もうこんな時間!お昼にしましょう!スノーもどう?」
「僕はいいや、お腹あまり空かないんだ。」
「スノーは戦闘中、食べ物は食べられないんだ。」
「戦闘してないよね…」
「気分の問題なんだ…ごめんなさい…」
「まあ、いいわ食べましょう。」

キリトが「マヨネーズだ!醤油だ!」とか言ってる。美味しそうだな…だけど食欲がわかない。なんだ僕の体。そんな食事タイムが終わると趣味の悪い…いや、ナウいバンダナを巻いた武者クラインとそのギルドメンバー『風林火山』が安全地帯に来た。

「おお、スノーじゃないか!」
「やあ、クライン。まだ生きてたの?流石!G並みの生命力だね!」
「お前さん相変わらず鬼だな…」

あれ?おかしいな…僕的には褒め言葉なのに…
そんな事言ってると、キリトもやってきた。

「おう、クラインまだ生きていたか。」
「お前ら俺へのあつかい酷くない??」

さらにそんな事してるとアスナもこっちに来た。

「こんにちは、クラインさんご無沙汰してます。」
「…」

あれ?クライン?フリーズ?どうしたの?

「くく、クラインでで、す!24歳独身…」

僕はすぐさまクラインの後ろに行き大鎌の刃を目線の前にさらす。

「私スノーさん。今あなたの後ろにいるの♪」
「あれ、スノーさん?歌いながらってことは、このまま俺が惨殺される感じですか?」

クラインが冷や汗を出しながら尋ねた。
僕は明るくしかし感情がこもってない声で歌った。

「ほら、後ろの正面だ〜れだ?♪」
「…すみませんでした。」

俺たちを中心に笑いが漏れる。そうしているとさらにガチャガチャと音を鳴らしながら重そうな鎧をつけた集団がやってきた。
その集団は僕達のいる安全地帯まで来るとリーダーらしき人が「休憩!」と命令していた。

「あれ、軍じゃねえか?」

クラインが僕に囁いてきた。アインクラッド解放軍だっけ?このゲームを組織的にクリアしようとしてた集団だったけど…

「そう…みたいだね。でも確かどっかの層で壊滅的な打撃を受けて組織の強化を中心に方針を変えたんじゃ…?」
「私、そういえばギルドの集会で聞いたわ。最近、攻略に参加してないから軍の内部で不満が出てきてて近いうちに少数精鋭で最前線に来るって…」

そんな事を話しているとリーダーらしき人が僕達のところに来た。

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