暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第十四話
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
ショウキside

《プネウマの花》を、首尾よく手に入れた俺とシリカは、シリカが俺の抱っこを拒否した(当たり前だ)ことで、一本道を歩いて帰ることとなった。

そして、意気揚々と帰ろうとした俺たちの前にあるのは、さっき放置したモンスターたちがうじゃうじゃとはびこっている図だった。

どいつもこいつも、うねうねと触手を伸ばして、俺たちを待ち構えている。

「…うわぁ…」

シリカがそんな声を上げるが、これは仕方がない。

人生、楽ばっかりは出来ないんだな。

「シリカ。こんだけいたら、流石にお前をおぶって向こうまで走るのは無理だ。」

「ですよね…」

当然、そんなことはシリカも分かっているようだ。

転移結晶を使っても良いんだが…そうすると、向こうで待ち構えているだろう、《タイタンズハンド》を素通りしてしまう。

…てか、俺たちが転移結晶を使うっていう可能性を考えてないのか、《タイタンズハンド》よ。

「じゃ、俺が先に行くから、シリカは隙を見て脱出してくれ。」

「え?先に行くって…」

「《縮地》」

シリカの呟きを背に、俺は高速移動術《縮地》にて、敵陣に突撃する。


SAOでは、現実で出来ることは大体出来る。

…そうしなければ、モンスターたちにはやられ放題だし、ゲーム内で過ごすことなど不可能だからだが…


そんなSAOの無駄なハイスペックのおかげで、俺は戦える。

ソードスキルと、戦闘用のスキルが使えない俺にとって、現実で学んだ剣術が生命線だ。

その中でも、高速移動術《縮地》は、モンスターが相手でも、プレイヤーが相手でも有効なため、多用している。

高速移動術《縮地》。

特殊な足の動きにより、走っている者の動きが消えるぐらいの速度で走る技だ。

まあ、この歩く花のように、視覚に頼らない相手には、消えたように見えても意味が無いことと、あんまり長距離は走れないこと、ずっと連続で出来ないことが弱点だ。

《縮地》にて移動した後、速攻でアイテムストレージを開き、《角笛》というアイテムを取りだす。

外見は見た目通りであり、ただの角笛だ。

吹くと、周囲のモンスターの注意を、少し引きつける効果を持つ。

本当は、レベルアップの為に敵を引きつけるように吹いたりするらしいが…まあ、レベルの概念が形だけである俺には関係がない。

ピューッッ!

美しく吹く、なんてことは考えず、思いっきり吹くと、歩く花が大量にこちらを向く。

…怖っ。

「シリカー!今のうちにさっさと逃げろよー!」

遠くの方にいるシリカは、少し躊躇したものの、敏捷値の許す限り走り出した。

「さてと…」

俺も俺で逃げないとな。

角笛をアイテムストレ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ