第五章
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流石に怖くなって緊張した、それでその中で。
どうしていいのかわからなくなってきていた、けれど。
私も緊張していた、それでも言いだしっぺだから。
ここで言おうと決意してだ、こう皆に言った。
「いいことじゃない、皆多いって」
「お客さんが多いことが?」
「いいことなの」
「そうよ、皆聴いてくれるのよ」
だからだとだ、皆に言った。
「こんないいことないじゃない」
「それじゃあ緊張せずに」
「思いきりやるだけなのね」
「今は」
「そうすればいいのね」
「そう、それだけじゃない」
こう皆に言った、笑顔で。
「だからね」
「このままなの」
「ステージに出てそれでなの」
「演奏すればいいのね」
「練習通り」
「皆に聴いてもらおう」
にこりと、わざとそうした笑顔を作って皆に言った。
「そうしようね」
「今はなのね」
「そうするといいのね」
「うん、歌おう」
そしてだった。
「それで演奏しよう」
「それね、じゃあ」
皆も私の言葉に応えてだった、そうして。
緊張をほぐしてくれてだった、こう私に応えてくれた。
「じゃあ気持ちよくよね」
「演奏して歌って」
「楽しもうね」
「このライブ」
「そうしよう、じゃあいいわね」
私は応えてだった、そのうえで。
十二人全員でステージに出た、すると観に来てくれていた皆が拍手で迎えてくれた。歓声も送ってくれた。
私達はその中でそれぞれの楽器のところに入った、そのうえで。
全員で演奏をして歌った、その演奏も歌も。
ほぐれてリラックスしていた、私達は楽しくライブを行えた。皆ライブの間ずっと熱狂してくれてそうしてだった。
それが終わって皆に頭を垂れると、皆言ってくれた。
「よかったわよ!」
「最高だったぜ!」
「最後の最後にいいもの観せてくれたな!」
「聴かせてもらったわよ!」
拍手と歓声が割れんばかりだった、そして。
私達はアンコールも受けてその曲も演奏してから舞台の裏に戻った。戻ってから私達はお互いにだった。
ハイタッチをし合って抱き合った、それが終わってから。
私がだ、皆に言った。
「また会おうね」
「そうね、またね」
「今度ね」
そう、永遠のお別れじゃなかった。そのことがもう皆完全にわかっていた。
だから今もだった、悲しさなんか何処にもなくて。
私達は笑顔でハイタッチをし合って抱き合ってだった、ライブを終えたことを喜びあった。
ステージも収めてお掃除もして学校の校門で笑顔で。
「またね!」
こう言い合って笑顔で別れた、また出会う日を楽しみにして。
GIVE ME FIVE 完
2014・3・31
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