まるっきり霊力のなかった私が オヤジさんのくれたお札を手に取ったとたん…
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ピリッ
『…!?霊気圧?!』
「どうした?ねーちゃん」
『てっちゃん 今 何か感じなかった?』
「何かって?」
「俺は何も…」
『オヤジさんは!?』
胸騒ぎがして オヤジさんの元へ駆け寄る。
「ヒヒヒ…どうやら現れたようじゃの…お前たち。ちょっとオフィス街まで行ってこい」
「「「?」」」
頭にクエスチョンマークを浮かべる三人悪を 私は店の外へ連れ出した。
『(出来るかどうかは分からないけれど…)』
私は獅子王を取り出した。そして刀を抜き…
『乱紅蓮!!』
突如強い風が吹き 三人は目を瞑った。
そして目を開けると…
「うわー!!!すげェ!!!」
「なんだこれ…」
「デカイ…」
『(良かった…呼び出せた…)この子は乱紅蓮。鵺よ。さぁ ほら 三人とも掴まって』
乱紅蓮の胴体に三人を掴ませ しっかり握ったのを確認した私は オフィス街が並ぶ場所まで乱紅蓮を飛ばした。
「俺たち飛んでる〜!!!」
「ぎゃあぁあ怖いよぅ!!!」
「リョーチン下は見るなよ」
賑やかにオフィス街に降り立った私たちは 違和感を覚えた。人が一人も居ないのだ。何で?どうして?
一歩踏み出そうとしたとき ビルのガラスが一斉に粉々になって降ってきた。
『三人とも こっちに!!!』
慌てて乱紅蓮の腹の下に三人を追いやり 私も同じく乱紅蓮の下へ潜りガラスを防いだ。
割れるガラスが無くなったところで 私たちは乱紅蓮の腹の下から立ち上がった。
『何なの…?』
その時。
「ねーちゃん!!人が居る!!」
「あわわわわ…でもなんか変だよぅ…」
「ゾンビ…?」
椎名の言う通りだった。ぞろぞろと 狂気の目を光らせて かろうじて人と呼べるシルエットを浮かべて こっちに来る。
『…!!カテゴリーD…』
リョーチンは結界を張り てっちゃんと椎名は札を構えた。
私は また出来るかどうか分からないけれど 刀を一振りして叫んだ。
『乱紅蓮 咆哮波!!!』
キィン と光が走り 死霊を焼き尽くしていく。
「スッゲェ…」
「てっちゃん!感心してる場合じゃないよ!!」
彼らも言霊を唱え 死霊に雷を落としたり風で吹っ飛ばしたりしている。
私も負けずに 乱紅蓮が焼きそびれた死霊たちを 獅子王で斬っていく。
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