十三 運命論者
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ているわけでもない。だというのにぞわりと鳥肌が立つほどの緊張感がその場に張り詰め、ナルトの全身から静かに滲み出る威圧感が、彼らの足を床に縫い付けていた。それでいて、そんな状況にいながらも、二人はナルトの青い瞳から目を離せない。
万感を秘めた彼の瞳の奥では、断固たる決意の炎が、ちらちらと燃え上がっていた。
「夢は実現させるものだ。空想ではなく、理想で終わらせるつもりもない。俺は諦めない。決して。夢を実現させるまでは―――――――」
そこで言葉を途切れさせ、再びナルトは瞑目する。途端、ピンと張り詰めていた空気が緩み、威圧や緊張が掻き消えた。
ほっと息をついた君麻呂と多由也は、ナルトにそれ以上問い掛けることが出来なかった。
暫し逡巡した後で、多由也がぽつりと呟く。
「―――やっぱ似てねぇよ」
彼女の一言を耳にして、ようやくいつもの表情に戻ったナルトが口元に微笑を湛えた。
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