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渦巻く滄海 紅き空 【上】
十 先見の明
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にするサクラの様子を見て、カカシはふっと目を細める。自分が担当する少女達の姿を見て、今まで張り詰めていた緊張がようやく解されていく。
思わず傍にいたナルの頭をぽんっと撫でて、彼は目尻を下げた。
「ま、大丈夫だ。今病院でぐっすりだ」
但し暗部の護衛付きだけど、と内心つけ加えるカカシ。サスケの無事を聞いてあからさまにほっとしているサクラを視界の端に捉えながら、彼は先ほどまで自分が置かれていた危急存亡の危機を思い出していた。


予選第一試合後、カカシは呪印を封じるため【封邪法印】の術をサスケに掛けていた。無事【封邪法印】にて呪印を封じ、気絶したサスケを見下ろしながら一先ず安堵の息を吐いている時、彼が現れたのだ。


元木ノ葉の忍びであり、伝説の三忍の一人――大蛇丸が。




カカシを歯牙にもかけず、蛇のような瞳孔でサスケを見つめる大蛇丸。
「いずれ彼は必ず私を求める…力を求めてね…」
目的の為なら“どんな邪悪な力であろうとも求める心”。サスケがその資質を持つと見透かした大蛇丸はそう言い捨てる。
そして殺気だけで自分の死をイメージさせられたカカシを可笑しそうに一瞥すると、彼は踵を返した。だが寸前にカカシが言った「刺し違える事くらい出来る」という言葉を、今思い出したかのように装いながら一度足を止める大蛇丸。
そうして最後に一言付け加えたのだ。

「それに、君が私を殺すんだって?やってみれば?出来ればだけど…。―――私を殺せるとしたらそれはあの子だけ…」








「え―では…これから第三回戦を始めます」

何時の間にか闘技場中央では二人の子どもが対峙していた。どうやら次試合の対戦者が選出されたらしい。その一方が音忍である事に気づいたカカシは視線を電光掲示板に向ける。そこには『ザク・アブミ』VS『あぶらめシノ』と表示されていた。
音忍のザクという名を見てカカシはひっそりと眉根を寄せた。大蛇丸が言っていた言葉がずっと胸中で引っ掛かっているのだ。


音隠れの里が自分の里だと打ち明かした大蛇丸。彼は駒が必要だと言った。
サスケは優秀な手駒であり、今闘技場で闘っている者は一人を除いて捨て駒だと大蛇丸は明言した。加えて最後の一言から、もしや音忍の子ども達の中に大蛇丸も一目置くような力量の持ち主がいるのではないか、という考えがカカシの脳裏を一瞬だけ掠める。だがその考えを打ち払うように彼は自嘲した。

(馬鹿か…俺は。仮にも三忍の一人である大蛇丸以上の力を持つ子どもなど…)
ありえない。そう呟きながらも、カカシは音忍ザクの動向を探るように見つめていた。







「ザクか…大蛇丸様にこれ以上失態を晒せないと必死だな、おい」
同じ音忍であるザク・アブミと木ノ葉の忍び油女シノの
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