第T章:剣の世界の魔法使い
神聖剣VS二刀流(前編)
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「火吹きコーン十コル!!火吹きコーン十コルだよー!」
「黒エール冷えてるよ!!今なら大安売りだよ!!」
解放されたばかりのアインクラッド第七十五層主街区《コリニア》は、古代ローマ風の街並みだった。何よりも目を引くのは中央のコロッセオだ。そしてその周りには、ちょっと信じられないくらいの数の屋台が顔を出していた。その数、ゆうに100を超える。
「なんだ……これは……」
「まさか、ヒースクリフさんはこれが狙いだったのでしょうか……?」
シェリーナは絶句する。すると、横でアスナが苦笑いを浮かべた。
「いや〜たぶんこれは会計のダイゼンさんの仕業だね。あの人こういうのになるとすごくしっかりするから……あ、ダイゼンさん」
すると噂をすれば影。《血盟騎士団》の制服がこれほどまでに似合わない人間はほかにはいるまいと確信できるほど腹の付き出た男が現れた。
「いや〜オオキニオオキニ。キリトはんのおかげでえろう儲けさせてもらっとりますわ。これですな。週一でやってもらえると助かりますわ」
「誰がやるか!!」
キリトの叫びを半ば無視する形で、はっはっはっは、と大きな笑い声をあげて、ダイゼンは去って行った。
「……何であんな人がKoBに……?」
「さぁ……」
シェリーナの疑問に、アスナも苦笑する。
「……逃げよう、アスナ、シェリーナ。二十層あたりのド田舎で畑を耕そう」
「いいですね。憧れます」
「私はそれでもいいけど……きっとキリト君が全アインクラッドから恨まれちゃうよ」
「激しく同意します」
いつの間にか、シェリーナとアスナの呼吸はぴったり合っていた。キリトはそれに気づき、ふっと笑みを浮かべる。
「?……どうかしましたか?」
「いや。……さて、そろそろ行くか」
コロッセオの上では、空花火が上がっていた。
***
コロッセオ内では、すでにオッズの相場等が設けられていた。今後、公開デュエルなどが行われて、プレイヤー達の娯楽になるのだろうな、とシェリーナは予測する。観客席に出ると、すでに大勢のプレイヤー達が詰めかけていた。なかにはバリバリ初期装備のものもいる。
ポップコーン(のような何か)を片手に席を探していたシェリーナは、その中になじんだスキンヘッドと野武士面を見つけた。
「エギルさん、クラインさん」
「お、シェリーナじゃねぇか」
「よう!久しぶりだな!!」
コロッセオの入口で買ったと思われる泡盛りのビール(らしきもの)を持った商人エギルと、ギルド《風林火山》のリーダー、クラインはシェリーナに気付くと片手をあげて答えた。
エギルはもちろんの事、クラインとも長い付き合いだ。キリトのこの世界最初の友人であり、何かとキリトを気遣う
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