第2部:学祭1日目
第7話『再会』
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そろそろ、放課後ティータイムのライブの時間だ。
お化け屋敷の受付で、言葉は立ち上がる。
が、前にクラスの4人。
「桂―、私たち遊びたいんだけどさー、受け付け続けててくれない?」
「え、でも、きちんと決めた順番があるんですが……」
「あんた、クラス委員でしょ!?」
大声を張り上げられ、言葉は思わず縮こまる。
「じゃ、あとよろしく。あと、休憩室使う人がいたら、前の人がまだいるか確認ね」
「それにしても大成功だったねー。まさか卒倒する人が出てくるなんてさー」
4人は話をしながら去って行った。
「秋山さん、あんなに怖いの苦手なんだ……。あんなの序の口なんだけど……」
受付に取り残された言葉も独りごちる。
放課後ティータイムがお化け屋敷に来た時、言葉は裏の仕事にいそしんでいた。
その時に聞いた大きな悲鳴。
セットをかき分けて飛び出すと、泡を吹いて倒れている澪がいた。
「秋山さん!!」
傍らには、唯。2人で澪を、入口まで担いだ。
「ははは……こんにちは、ね…………」
唯は苦笑いしながら、言った。
「秋山さん、大丈夫ですか?」
言葉が声をかけると
「あー……桂か……。やっぱお化け屋敷、来るんじゃなかったぜ……」
「りっちゃん……あ、うちの部長ね。挑発にのっちゃってね、あげく最初のコーナーで気絶しちゃって……」
ぼやく澪に、唯が付け加えた。
「無事でよかったですよ……事故が起きたらどうなるものかと思いましたし…………」
肩をなでおろしたが、唯がそばにいるのが、なぜか妙に腹立たしく感じられた。
思わず、
「平沢さん……まだ誠君に近づくつもりですか……?」
詰ってしまう。
「そうだよ。だってマコちゃんのこと、好きだもん」
唯は開き直ったのか、妙に毅然とした態度。
澪は、「おろしてくれ」と言って2人から離れ、
「今は伊藤のことでどうこう言うのはよそう。あいつもいないんだし」
「はは……そうだね……」
唯は思わず、笑った。
言葉も、これ以上唯を責めるのをやめにした。
秋山さんのほうが自分より、何となく大人びていると前から思ってたけど、可愛いところあるなあ。
言葉はそんな思いを胸にしながら、一人お化け屋敷の番をすることになった。
とはいえ、やはりさびしい。
ふと、
「澤永さん?」
「いやあ、よかったあ!!」
中庭の楽屋で、唯は愛用のギターを抱きかかえながら叫んだ。
「まったく冷や冷やしますよ……」
「生徒会が預かってたからよかったものを……」
梓と律が、肩の荷を下ろしながら、言った。
「ほんと、ギー太がどうなっちゃうかと思ったよー」
「いや、それ以前にライブがどうなるか心配だったんですけど」
ギ
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