話数その3 分からない
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学生にとって、休み明けの朝は辛いものであり、ついついベッドから出るのが遅れたりするものである。
「……んぁ」
それは男―――灰原晋にとっても同じであり、晋は欠伸をしながらダルそうにゆっくりと起き上がり、ゆっくりと自分の通う学校―――駒王学園の制服を着ていく。
そして、昨日の夜に自分で作って置いておいた握り飯のうち一つを口に放り込み、うち二つをバッグの中に入れる。
晋は口を動かしながら玄関へと向かい、くつをはいて立ち上がった後、玄関から出てブラブラと体を揺らして歩き始めた。
(そういえば……昨日殺された奴が居たなぁ……学校で話題になったりしてな)
人が死んだというのに怖がりもせず悲しみもせず、やがてどうでもよくなったのか考えるのを止めた。が、しかし、次の瞬間に目に入ってきた物により、強引にでも考えを戻さざるを得なくなる。その目に入ってきた物とは―――
(おいおい……あいつは昨日殺された奴じゃねぇかよ……)
そう、昨日殺された筈の少年の姿だった。身体にあった穴は無く、昨日の事が嘘のように歩いている。
(……まさか、あいつも俺と同じなのかねぇ…?)
疑惑の視線を向けるが、そんな事をしても解決しないとすぐに目線を外す。
(ま……ジーックリと見させてもらいますかねぇ……)
晋は大きな欠伸を一つした後、自分の教室へと歩を進めた。
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時刻は正午過ぎ。 晋はクラスではなく屋上に居た。
晋は血色の悪い顔や筋肉はあまりないのに高い身長、言動の不気味さからクラスメイト達は遠ざかる一方であり、本人も一人の方が好きな為、こうして休み時間を利用し一人になる事が多い。
と、普段は誰も来ない筈の屋上に、かちゃりとドアが開く音が響く。
晋がダルそうにそちらを見やると、そこには生徒会長である三年の女子生徒・支取 蒼那が、此方へ歩いてくるのが見えた。
「貴方が灰原晋君……であっていますか?」
「……んぁ、そうだが」
「あなたが持って来ている物をすぐに此方に預けなさい。校則違反です」
「……あ〜……クラスの奴らか?」
「そうです」
駒王学園は特別校則が厳しい訳では無いが、それでも違反物を持ってきている場合は没収される。……ケータイやゲームなら可愛いものだが、常習犯の中にはエロ本を持ってきている者も居ると言う。
「……校則なら仕方ねぇわな……ほらよ」
特に逆らう意思など見せず、晋は持って来ていた“ある物”を支取へと投げる。 溜息をつきながらも受けとめようとした支取は、しかし“ある物”を見た瞬間に身を引いた。そのため、その“
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