暁 〜小説投稿サイト〜
箱庭に流れる旋律
笛吹き、登場する
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 さて、今僕達は“造物主たちの決闘”が始まるのを運営側の特別席で待っている。
 僕やリリちゃんは、僕がここからBGMを歌う関係で、他の“ノーネーム”のメンバーは一般席が空いていなかったのでサンドラちゃんが取り計らってくれたのだ。
 ちなみに、僕が歌うのはゲーム開始前の予定だったのだが、“音響操作(ソニック)”を常に使える状態にしておけば、不審者をすぐに見つけられるかもしれないという希望的観測により、BGMへと変更になった。

『長らくお待たせいたしました!今回の火龍誕生祭のメインゲーム・“造物主たちの決闘”の決勝を始めさせていただきます!なお、司会及び進行は“サウザンドアイズ”の専属ジャッジをしております、黒ウサギが務めさせていただきます♪』

 そして、下では黒ウサギさんが司会を頑張っている。今回の主催者である、白夜叉さんとサンドラちゃんから正式に依頼したのだ。
 まあ、それは普通のことだろう。昨日追加したというルールは、これで破ることができなくなったのだから。

 でも・・・

「うおおおおおおおおおお月の兎が本当に来たあああああああぁぁぁぁああああああ!!」
「黒ウサギいいいいいいい!お前に会うために此処まで来たぞおおおおおおおおおお!!」
「今日こそスカートの中を見てみせるぞおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉおお!!」

 あれはやめて欲しい。
 黒ウサギさんの耳もヘにょってなってるし、何よりリリちゃん達の教育によくない。
 ついでに言うと・・・

「そういえば白夜叉。黒ウサギのミニスカを絶対に見えそうで見えないスカートにしたとはどういう了見だオイ。チラリズムなんて趣味が古すぎるだろ」
「フン。おんしも所詮その程度の漢であったか。そんなことではあそこに群がる有象無象と変わらんぞ」
「・・・へえ?言ってくれるじゃねえか」

 あの会話も辞めて欲しい。絶対に教育上よくない。

「あの・・・奏さん?何も見えないのですが・・・」
「リリちゃんは見ちゃ駄目だ。教育上よろしくない」
「はあ・・・」

 というわけで、僕はリリちゃんの目をふさぎ、あの会話が聞こえないよう“音響操作(ソニック)”を使って二人の会話だけを遮断している。

「見るな、サンドラ。馬鹿がうつる」
「あ、マンドラさん。よかったらサンドラちゃんにあの会話が聞こえないようにしましょうか?」
「ああ、頼む」
「承りました」

 マンドラさんから頼まれたので、サンドラちゃんにも聞こえないようにする。
 そんなことをしている間に二人は双眼鏡を取り出し、黒ウサギさんのスカートの裾を追っていた。
 正直に言うと、ここから蹴り落としたいです。もちろんしませんが。

 そして、対戦者の紹介とステージの設定が終わったので、そろそ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ