暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
1st Episode:
すべての始まりはここから
Ep1海鳴に舞い降りる力〜Testament〜
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か!」

いきなりの大声に、近くにいるマリアの声がかき消された。

「どうよシャルロッテ。代わってやっても良いぜ?」

私が座する純白の玉座から右斜め前に位置する、黄金の玉座に座する男がこちらを見る。
 
「お生憎様、あなたのような破壊神の出る幕じゃないのよ」
 
「んだよ。つまらない契約なのか」

私とマリアの会話に無粋にも割り込んで来たのは、破壊と殺戮の権化とされる、“死と絶望に微笑む者”の二つ名を持つ、2ndテスタメント・ティネウルヌス。
私たちと同じデザイン、でも色違いである黄金色の外套のフードを被り直したアイツは、私のぶっきら棒な対応には何も文句は言わない。

「あーあ、もっと殺しとか壊しの契約が来ねぇかな〜。なぁ、どいつでもいいからよぉ、殺戮と破壊を俺に寄越してくれよ〜」

どうやら本当に私たちの会話から興味を無くしたらしいわね。そもそも最初から話しかけてこないでもらいたいわ。あなたが“テスタメント”の中で一番嫌われているって、少しは自覚してほしいものね。

「私、あの人苦手です。どうしてあのような方が・・・」

もっとも優しいマリアですら嫌悪感を抱くほど。正直な話、私も苦手というより大嫌いだ。元がどこかの世界における悪魔の王ということもあり、その戦闘力はかなり高い。それにカリスマ性もある。しかし思考は短絡的。頭の悪い強者ほど面倒なやつはいないというわけね。

「仕方が無いわ。神意の玉座の意思は、力があり、なおかつ取引に応じる連中が欲しいだけ。性格的な問題は二の次なのよ」
 
言ってて悲しくなる。結局のところ私たちは単なる駒でしかない。“界律の守護神”という大層な肩書きの割に、やっていることはただの使いっ走りなのだ。そんな今さらな馬鹿馬鹿しい考えを巡らしている中、ようやく玉座から私の分身体と意識の欠片が乖離するのが判る。
 
「さてと、次の契約はどんなことをするのかしら? 少しはゆっくり出来る簡単な契約が来てほしいわね」

私、“剣戟の極致に至りし者”の二つを冠した3rdテスタメント・シャルロッテ・フライハイトは、(ちから)を求めているであろう世界へと自分の分身を送り込んだ。さて。今回の契約は、いったい何を殺し、壊し、奪えばいいのかしらね。ホント、気が滅入るわ。

 
§海鳴に舞い降りる力§
  
 
“神意の玉座”に在る本体から切り離された分身体(わたし)は、召喚先の世界へと通ずる光の奔流の中を進む。いつも通りの工程。だけど突如、私という概念に干渉するほどの力が流れ込んできた。

「なっ!? これは一体どういう・・・!?」

人間として死して“テスタメント”になってからのこれまでの6千年間。私は様々な召喚に応じてきたわ。けれど、こんな外から干渉されてしまうような
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