暁 〜小説投稿サイト〜
蒼天に掲げて
十一話
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「当然だろ? ああそれと宣言してやるよ、次の一発で俺が勝ってやろう」

「なんだと?」

 趙雲が訝しげな顔でこちらを見やり、今度は逆に俺がニヤリと笑う。

「次に同じ攻撃すればお前の負けだっていってんだよ? なんだ? 宣言されるとできないのか?」

「いいだろう、次は貴様の胴に風穴を空けてやる!」

 俺の挑発に趙雲が乗り、神速の突進を俺に放つ。

 さて、カッコよく宣言した手前失敗はできそうにないな。

神経を集中し、趙雲の槍を捉える。

 ガシッ! という音と共に趙雲の動きが止まる。

「……なに!?」

 俺の手には朱い槍があり、趙雲は俺が素手で掴んだことに驚く。

「なんで俺がお前より遅かったか教えてやろうか? そりゃな、このクソ重い武器振り回してたからだよ」

 俺はそのまま趙雲の腕を掴み、ぐるんと一回転させ、朱い槍を奪い取った。

(ちなみに俺はまだ、耐久の能力を使ってはいない!)

『こっちでいう必要性ないわよ!』

(いや、いいたいんだけど、なんか図々しいだろ?)

『もう既に十分図々しかったわよ!』

「さて、これで勝負ありだな?」

「ああ、参った。私の負けだ」

 というわけで、俺は旅に出れることとなった。





 あれから時間が経ち、現在夕飯時。
 俺と趙雲の戦いを見て村人のテンションがお祭り騒ぎになり、宴会を開くこととなった(まあ決闘の時から宴会だったけど)。今は全員酒を飲みながらワイワイと騒いでいる。

「それにしても、まさか私の槍を掴まれるとは思いませんでしたぞ」

 そして俺の隣には、趙雲が少し火照った顔でこちらを見ていた。そして俺と趙雲どちらの手にも、杯に酒が酌んである。

「そうかい、でもあの速さを掴まえられたのは偶然だ。今やれば絶対失敗する」

「おやおや、昼とは打って変わって弱気ではないですか」

「ああ、そりゃお前昼間は煽っていただけだ。ジジイが選んだ武人だから絶対強いと思ってな」

「ほう、それは嬉しいですな。お主に強いと称されるとは」

「おだてなくていい、それよりもだ。なんでさっきから俺とばかりしゃべろうとする? 向こうに酒もあるぞ」

「おや、ダメですかな?」

「いや、ダメとはいってないがな」

「なら良いではありませぬか」

 そういってにこりと微笑む趙雲に、なんだかドギマギする。なんてこった、こうも可憐な笑みを見せられたら男なんかケロッと落ちちま――

「はくやーーー!」

 ズドンという衝撃と共に、その雰囲気は吹き飛び、ついでに俺も吹き飛ばされた。

「ってえ、なにしやがる文!?」

「だって柏也がさっきからずっとおしゃべりしてるんだもん!
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