暁 〜小説投稿サイト〜
その凌辱ゲーを、ぶち壊す!
序章:――
第二話:猫(神)の恩返し 前篇
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なるほど、流石だ。猫は十年以上生きると、人語を解し、妖しの力を使えるようになるというからな……」
「キャットキック!!」
「ごふっ!?」

 猫は突然怒りをあらわにし、俺の鳩尾にドロップキックを炸裂した!
 見た目以上の脚力と、技名からは想像できないような攻撃力が、俺を襲う。

「みーを妖怪にゃんぞと一緒にするにゃ! みーは神様にゃ!」
「え、まじで?」
「にゃ!」

 敬え、跪け! とばかりに、二本足で立って、えへんと胸を張る白猫、もとい神様。
 神々しさは微塵も感じられないが、説得力はあった。
 なぜなら、事故で死んだはずの俺の魂が、なんとか冥界付近で留まっているのは、たしかにこいつのおかげらしいのだから……。(←二次元脳)
 あれ? でもちょっと待てよ?

「なあ、神様なら、なんであの時トラックに轢かれそうになってたんだ?」
「神様だからって万能じゃにゃい。視界以外のモノは見えにゃいに決まってるだろうが」
「え? 神さまって、そんなもんなの?」
「神様だからって何を期待してるんだにゃ。神は全能だなんて、人間たちの勝手な妄想だにゃ」

 おっそろしいことを言い出しましたよ、この猫。いや、神か。
 深く掘り下げると色々なものを敵に回してしまいそうなので、俺は当たり障りのない言葉を選んで話題をそらしておく。

「神様も視界に縛られるのか〜」
「当たり前だにゃ」

 ペロペロと、毛繕いをしながら衝撃的な事実を言ってのける猫(神)。
 いや、神(猫)なのか?

「まあ。全能ではにゃくたって、トラックに轢かれたくらいじゃあ、みーも死にゃあしにゃいんだがにゃ」
「へえ、頑丈なんだな。流石神さま」
「えっへん」
「ん?」
「にゃ?」

 あれ。あれれ? 『トラックに轢かれたくらいじゃ死なない』とな?

「え」
「あ……」

 エエエエエエエェェェェェ(´Д`;)ェェェェェエエエエエエエ!?
 驚愕の事実。

「じゃあ、俺って、もしかして……」
「にゃあ」
「もしかして……」
「ごろにゃー」
「……何とか言えよ」
「ごろごろ」

 急に喋れなくなりました―、とでも言わんばかりに、片腕で顔を拭う仕草をする白猫。
 普段ならヌコ萌え〜、なんて具合に癒されるシーンなのだろうが、この状況ではそんな心の余裕はない。

「いわゆる、無駄死に?」
無駄死に(むにゃにー)」 

 ヌコ語萌え〜。
 なんて和んでる場合でもない。

「いや、まあ、神様でも痛いことは痛いから、無駄は言いすぎたんにゃ。せいぜい、骨折り損のくたびれ儲けくらいにゃ」
「骨折るどころの騒ぎじゃなかったけどなっ!」

 くたびる(・・・・)どころか、ひしゃげて(・・・・)たしな! 俺!
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ